医療機関類型ごとの外来診療の実態把握と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200400131A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関類型ごとの外来診療の実態把握と評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い外来医療を確保するため、施設類型別に診療内容等を把握・分析し、病院経営の合理化、病院機能評価の枠組みとしての活用などについて検討する必要がある。そのためには、入院と外来が全国同じ診療報酬体系で評価され、診療報酬情報が保険者に集約されているわが国の特徴を生かすことが有効であると考えられる。そこで本研究では、現行の診療情報を活用した外来機能評価の方法論を開発し、地域レベルで質の高い医療を国民に提供するための医療連携のあり方とその方法論を明らかとすることを目的とした
研究方法
医療サービス提供の類型化による外来機能の評価方法の検討として、社会医療診療行為別調査個票から診療行為の発現パターン、医療機関毎の診療区分別平均医療費割合等の視点から医療機関の機能の分析を行った。出現パターンは、ABC分析、主成分分析、クラスター解析などにより集約した。ついで、ケースミックスによる医療機関外来機能の差異の検討として、医療機関種別の複雑性指標は、DPC疾患分類毎の在院日数の全医療機関平均値と当該医療機関種別内平均値の比率を、当該医療機関種別のDPC疾患分類毎患者数で加重平均したものであり、稀少性指数は、DPC毎の患者数割合の逆数の常用対数を当該医療機関種別のDPC毎の患者数での加重平均したものとした。
結果と考察
個々の患者の診療行為の発現パターンとしては、基本診療のみの型、検査を主とする型、投薬を主とする型、リハを主とする型など特徴的なパターンが明らかとなり、これらのパターンの医療機関における出現状況が、医療機関の特性を反映している可能性が示された。診療行為区分による医療費データから外来機能、入院機能に応じて、診療所、病院等の施設に応じた様な医療機関類型の検討が可能であることを明らかとした。外来再診患者において、受療患者数が圧倒的に多い診療所が複雑性、稀少性の指数が低く、一方、特定機能病院等の教育機関の疾患稀少性指数が非常に高い特徴が読み取れた。
結論
診療報酬体系の見直しの議論においては、①大病院については専門的な外来診療の機能等を評価し,②診療所及び中小病院については地域住民の初期診療等のプラプライマリケア機能等を重視した評価を進めるとの方向性が打ち出されており、本研究結果による医療機関の外来診療機能の類型化は、医療連携体制の構築と診療報酬上での評価方法について検討への応用が期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-