健康増進施設の現状把握と標準的な運動指導プログラムの開発および効果検証と普及促進

文献情報

文献番号
201709025A
報告書区分
総括
研究課題名
健康増進施設の現状把握と標準的な運動指導プログラムの開発および効果検証と普及促進
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-循環器等-一般-012
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 宮地 元彦(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究)
  • 小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
  • 佐藤 真治(大阪産業大学 スポーツ健康学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省は国民の健康づくりを推進するため、昭和63年に健康増進施設の大臣認定を創設した。創設から30年が経過した現在、認定を受けた運動型健康増進施設が施設利用者に対してどのような運動プログラムを提供してるのか把握できていない。さらに、認定制度の活用に関する施設の課題や希望についても把握できていない。そこで本研究は認定施設に対して質問紙調査を実施して運動プログラムの現状や施設の課題や希望を把握した。また、健康増進施設の運営者に対してインタビュー調査を実施して施設の生の声を把握した。
研究方法
 運動型健康増進施設の認定を受けている340施設を調査の対象とした。質問紙調査を調査委託機関から郵送した。全施設を対象に、1) 施設のタイプや概要、2) 体力測定、3) 運動プログラム、4) 運動型健康増進施設認定制度の課題、5) 施設の社会貢献や学術貢献、6) 健康増進施設認定制度に関する課題や希望、の6項目について多肢選択式あるいは自由記述形式で調査した。加えて、指定運動療法施設に対しては運動療法プログラムについても調査した。
結果と考察
 回収率は54%であり、結果の解釈については回答しなかった施設の存在を考慮して評価する必要がある。施設のタイプについては民間のフィットネススポーツが最も多く、次いで医療法第42条施設、公営のフィットネス施設という順だった。健康増進施設認定制度において42条施設と、医療機関と直接の連携がないフィットネス施設の関係を整理する必要があると考えられた。
 「全身持久力測定」を実施していないと回答した施設は40施設存在ししており、有酸素性能力の測定に関して消極的な施設が数多く存在していた。健康増進施設においては有酸素性能力が測定されることが望ましいと考えられる。しかしながら、他の体力測定方法と比較して現行の有酸素性能力の測定方法は実施が容易でないことから簡便な測定装置の開発や測定装置を使用しない推定方法の普及など健康増進施設が簡便に測定できるシステムの開発が必要だと考えらえれた。
 ほとんどの施設が個人別の運動プログラムを作成・提供しいた。エビデンスはまだまだ少ないが、最近のエビデンスをレビューして、ヨガやリラクゼーションなどの軽運動のプログラムの効果を明らかにしていくことも必要だと考えらえる。
 質問紙に回答した施設の多くが指定運動療法施設であった。月当たりの医療費控除対象者について「ほとんどいない」と回答した施設が最も多かった。利用者が医療費控除の制度を活用できているかどうかについては、「少しは活用できている」か「ほとんど利用できていない」と回答した施設が多く、医療機関との医療費控除の制度に関して連携しているかについては、ほどんどの施設が「ほとんど連携していない」と回答した。医療費控除制度を活用できている施設は限られており、本制度の周知方法や制度運用の改善に取り組む必要があると考えられる。また、フィットネス施設等においては医療機関との連携の方法や近隣の医療機関への周知の方法等についてマニュアルを作成する等のサポートが必要であると考えられた。
 健康増進施設として十分に活動できているかどうかについて、多くの施設が「まあまあ活動できている」と回答した。各施設が、活き活きと活動するためには、医療費控除制度が活用できるという非認定施設との明確な差別化をサポートする取り組み等が必要だと考えられる。また、施設認定条件の一つになっている健康運動指導士等の運動指導者の質を担保するためのサポートや本制度の認知度向上に向けた取り組みも重要であると考えられる。
 施設を運営するにあたっての課題については、運動療法処方せんを持参して施設を訪問される人が少ない、日本医師会認定健康スポーツ医が所属する提携医療機関との契約が困難、健康運動指導士の運動療法に関する能力の質がばらばらで困る、健康運動指導士の安定雇用や継続雇用が困難、健康運動実践指導者の運動療法に関する能力の質がばらばらで困るといったものであった。
結論
 運動型健康増進施設が国民の健康寿命の延伸に貢献していくためには、施設自身が活き活きと活躍することが重要であると考えられる。健康増進施設に対する質問紙調査を実施した結果、多くの施設に共通した課題や希望があることがわかった。運動型健康増進施設が活き活きと活躍するためには施設の課題や希望に対して可能なサポートを行う必要があると考えられた。また、国民の高齢化や社会のニーズ、あるいは運動プログラムに関する科学的根拠の変化に伴い、認定基準や運動プログラムを変更する必要性があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2018-07-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

その他
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-09-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201709025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,940,000円
(2)補助金確定額
4,342,000円
差引額 [(1)-(2)]
598,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,075,445円
人件費・謝金 0円
旅費 889,602円
その他 1,237,394円
間接経費 1,140,000円
合計 4,342,441円

備考

備考
自己資金:441円

公開日・更新日

公開日
2018-10-29
更新日
-