HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究

文献情報

文献番号
201421029A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究
課題番号
H24-エイズ-指定-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センターエイズ先端医療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邊 大(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター)
  • 久慈 直昭(東京医科大学 産婦人科)
  • 鯉渕 智彦(東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野)
  • 大北 全俊(東北大学大学院医学系研究科)
  • 吉村 和久(国立感染症研究所エイズ研究センター)
  • 仲倉 高広(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床心理室)
  • 廣常 秀人(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター精神科)
  • 秋葉 隆(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科)
  • 横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター感染症科)
  • 高田 清式(愛媛大学医学部付属病院総合臨床研修センター・感染症内科)
  • 佐保 美奈子(井端 美奈子)(公立大学法人大阪府立大学大学院看護学研究科)
  • 井上 洋士(放送大学教養学部)
  • 藤原 良次(特定非営利活動法人りょうちゃんず)
  • 桜井 健司(特定非営利活動法人HIVと人権・情報センター)
  • 山崎 厚司(公益財団法人エイズ予防財団)
  • 小西 加保留(関西学院大学人間福祉学部)
  • 山内 哲也(社会福祉法人武蔵野会八王子生活実習所)
  • 下司 有加(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター看護部)
  • 村井 俊哉(京都大学 精神医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 エイズ対策研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
62,000,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 大北全俊 大阪大学大学院医学系研究科(平成26年4月1日~26年7月31日)→東北大学大学院医学系研究科(平成26年8月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
HIV感染症は治療の進歩によって慢性疾患となったが多くの課題が残されている。当研究班では、特に合併症及び併発症への対応、長期療養・在宅療養支援体制の整備、多職種連携によるケア提供の充実のための研究、さらにはNGOに関する研究などを遂行する。研究を遂行するために、大きく4グループに分け構成する。
研究方法
A-1.急性感染期の診断・治療での課題に関する研究(渡邊):急性期治療例における残存プロウイルス量の長期観察および早期免疫低下関連因子の解析。 A-2.HIV陽性者の生殖医療に関する研究(久慈):精液中抗HIV剤等の測定および洗浄精液を用いた不妊治療の事業化の検討。A-3.HIV感染者の口腔内免疫に関する研究(吉村):唾液のサイトカインや口腔病原微生物量の測定と口腔症状の関連性の解明。 A-5.MRI画像による神経認知障害の神経基盤の解明(村井):神経心理検査陽性者のMRI画像の検討. A-6.HIV医療の倫理的課題に関する研究(大北):課題把握のため海外ジャーナル等の文献調査の実施。A-7.抗HIV療法のガイドラインに関する研究(鯉渕):国内外の知見を基にガイドラインを改訂。B-1.HIV陽性者の心理学的問題と対応に関する研究(仲倉):HIV陽性者の神経心理学的障害出現頻度の調査継続と日常診療で実施できる簡便なスクリーニング検査の開発。B-2.HIV陽性者の心理的負担、および精神医学的介入の必要性とネットワーク形成に関する研究(廣常):メンタルヘルス調査の継続と課題の抽出、AIDS精神疾患ハンドブックの和訳等。B-3.HIV感染患者における透析医療の推進に関する研究(秋葉):透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関するマニュアルの改訂作業の推進。B-4.病病・病診連携の地域モデルの構築(橫幕):愛知県でのICTによるHIV病・病診連携システムの構築と評価。B-5.地域HIV看護の質の向上に関する研究(佐保):看護研修会の実施と養護教諭向け教材の開発。B-6.HIV陽性者のセクシュアルヘルス実態把握と支援方略検討(井上):HIV陽性者のセクシャルヘルスのウェブ調査とスキルアップコースの開発。C-1.心理専門カウンセラーおよびピアカウンセラーの介入に関する研究(藤原):薬害HIV感染被害者の心理的現状把握のためのインタビュー調査。C-2.当事者支援に関する研究(桜井):保健所等で発見された陽性者の受診行動の阻害因子と促進因子の解明およびマニュアルの改訂。C-3.HIV陽性者ケア等に関するNPO/NGOの連携に関する研究(山﨑):NGOへのアンケート調査・ヒアリング、NGO指導者研修の評価。D-1.長期療養患者のソーシャルワークに関する研究(小西):精神疾患等の障碍陽性者の生活課題をフォーカスグループインタビューなどによる解明、市民主体の地域啓発活動の推進と評価。D-2.長期療養者の受け入れにおける福祉施設の課題と対策(山内):福祉施設の受け入れマニュアルを用いた研修会の実施および効果的研修プログラムの検討等。D-3.長期療養看護の現状と課題に関する研究(下司):訪問看護ステーション連絡協議会での訪問看護研修会の実施と都市部での介護・福祉職を対象とした研修会の実施。D-4.地域におけるHIV診療および福祉連携のあり方に関する研究(高田):地方の診療モデルとしてHIV診療の充実および福祉連携に関し愛媛県および四国のHIV診療の実態調査と具体的な問題点・改善策の検討。その他、携帯を用いた服薬支援ツールの改良、検査予約システム開発、HIV治療の薬剤情報提供ホームページの開発を行った。
結果と考察
調査結果の解析や追加調査、課題の抽出等に取り組んだ。ガイドライン、マニュアル、ハンドブック等や支援の各種ツールは実施での評価と改訂を一部行った。その他、多くの研究から重要な結果を得た。
結論
HIV感染症の治療と関連分野(合併症及び併発症、地域医療の質の向上、陽性者支援のための地域医療連携、長期療養支援)で課題を抽出し、ほぼ計画通りに研究を実施できた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201421029B
報告書区分
総合
研究課題名
HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究
課題番号
H24-エイズ-指定-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センターエイズ先端医療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邊 大(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター)
  • 久慈 直昭(東京医科大学 産婦人科)
  • 鯉渕 智彦(東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野)
  • 大北 全俊(東北大学大学院医学系研究科)
  • 吉村 和久(国立感染症研究所エイズ研究センター)
  • 仲倉 高広(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床心理室)
  • 廣常 秀人(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター精神科)
  • 秋葉 隆(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科)
  • 横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 感染症科)
  • 高田 清式(愛媛大学医学部付属病院総合臨床研究センター・感染症内科)
  • 佐保 美奈子(井端 美奈子)(公立大学法人大阪府立大学大学院看護角研究科)
  • 井上 洋士(放送大学教養学部)
  • 藤原 良次(特定非営利活動法人りょうちゃんず)
  • 桜井 健司(特定非営利活動法人HIVと人権・情報センター)
  • 山崎 厚司(公益財団法人エイズ予防財団)
  • 小西 加保留(関西学院大学人間福祉学部)
  • 山内 哲也(社会福祉法人武蔵野会八王子生活実習所)
  • 下司 有加(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター看護部)
  • 村井 俊哉(京都大学 精神医学)
  • 竹谷 英之(東京大学医科学研究所付属病院 関節外科)
  • 中田 たか志(中田歯科クリニック)
  • 井戸田 一朗(しらかば診療所)
  • 中村 正(公益財団法人エイズ予防財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 エイズ対策研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HIV感染症はHAARTによって医学的管理ができる慢性疾患となったが、HIV感染症の治療の分野で克服すべき課題が山積している。本研究では平成23年度に改定されたエイズ予防指針の見直し作業班の報告に基づき、A. 治療・合併症、B.地域の医療の質の向上、C.陽性者支援のための地域連携、D.長期療養支援に大別し、課題の抽出と解決方法の提示を目的とし、最終年度に対策と提言を目指す。
研究方法
A-1.急性感染期の診断・治療での課題に関する研究(渡邊):急性期治療例における残存プロウイルス量の長期観察および早期免疫低下関連因子の解析。 A-2.HIV陽性者の生殖医療に関する研究(久慈):精液中抗HIV剤等の測定および洗浄精液を用いた不妊治療の事業化の検討。A-3.血友病性関節症に対する間葉系幹細胞治療の開発に関する研究(竹谷*):血友病患者細胞から誘導した骨髄間葉系幹細胞のin vitroでの軟骨分化能等の検討、 A-4.HIV感染者の口腔内免疫に関する研究(吉村):唾液のサイトカインや口腔病原微生物量の測定と口腔症状の関連性の解明。 A-5.MRI画像による神経認知障害の神経基盤の解明(村井**):神経心理検査陽性者のMRI画像の検討. A-6.HIV医療の倫理的課題に関する研究(大北):課題把握のため海外ジャーナル等の文献調査の実施。A-7.抗HIV療法のガイドラインに関する研究(鯉渕):国内外の知見を基にガイドラインを改訂。B-1.HIV陽性者の心理学的問題と対応に関する研究(仲倉):HIV陽性者の神経心理学的障害出現頻度の調査継続と日常診療で実施できる簡便なスクリーニング検査の開発。B-2.HIV陽性者の心理的負担、および精神医学的介入の必要性とネットワーク形成に関する研究(廣常):メンタルヘルス調査の継続と課題の抽出、AIDS精神疾患ハンドブックの和訳等。B-3.HIV感染患者における透析医療の推進に関する研究(秋葉):透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関するマニュアルの改訂作業の推進。B-4.病病・病診連携の地域モデルの構築(橫幕):愛知県でのICTによるHIV病・病診連携システムの構築と評価。B-5.地域HIV看護の質の向上に関する研究(佐保):看護研修会の実施と養護教諭向け教材の開発。B-6.HIV陽性者のセクシュアルヘルス実態把握と支援方略検討(井上):HIV陽性者のセクシャルヘルスのウェブ調査とスキルアップコースの開発。C-1.心理専門カウンセラーおよびピアカウンセラーの介入に関する研究(藤原):薬害HIV感染被害者の心理的現状把握のためのインタビュー調査。C-2.当事者支援に関する研究(桜井):保健所等で発見された陽性者の受診行動の阻害因子と促進因子の解明およびマニュアルの改訂。C-3.HIV陽性者の歯科診療の課題と対策(中田*):歯科診療ネットワーク形成を目指した介入。C-4.神奈川県における検査と医療連携におけるNPOの役割に関する研究(井戸田*):MSMのコミュニティー形成の少ない地域での検査、啓発手段の開発と解決に向けた行政、医療機関との連携。C-5.HIV陽性者ケア等に関するNPO/NGOの連携に関する研究(中村***/山﨑):NGOへのアンケート調査・ヒアリング、NGO指導者研修の評価。D-1.長期療養患者のソーシャルワークに関する研究(小西):精神疾患等の障碍陽性者の生活課題をフォーカスグループインタビューなどによる解明、市民主体の地域啓発活動の推進と評価。D-2.長期療養者の受け入れにおける福祉施設の課題と対策(山内):福祉施設の受け入れマニュアルを用いた研修会の実施および効果的研修プログラムの検討等。D-3.長期療養看護の現状と課題に関する研究(下司):訪問看護ステーション連絡協議会での訪問看護研修会の実施と都市部での介護・福祉職を対象とした研修会の実施。D-4.地域におけるHIV診療および福祉連携のあり方に関する研究(高田):地方の診療モデルとしてHIV診療の充実および福祉連携に関し愛媛県および四国のHIV診療の実態調査と具体的な問題点・改善策の検討。その他、携帯を用いた服薬支援ツールの改良、検査予約システム開発、HIV治療の薬剤情報提供ホームページの開発。(*平成24年度の研究分担者、**平成25、26年度の研究分担者、***平成24年度を担当)
結果と考察
調査結果の解析や追加調査、課題の抽出等に取り組んだ。ガイドライン、マニュアル、ハンドブック等や支援の各種ツールは実施での評価と改訂を一部行った。その他、多くの研究から重要な結果を得た。
結論
HIV感染症の治療と関連分野(治療・合併症、地域医療の質の向上、陽性者支援のための地域連携、長期療養支援)で課題を抽出し、ほぼ計画通りに研究を実施できた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201421029C

収支報告書

文献番号
201421029Z