発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレジリエンス向上に関する研究

文献情報

文献番号
201419003A
報告書区分
総括
研究課題
発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレジリエンス向上に関する研究
課題番号
H24-身体・知的-一般-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 真澄(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 裕史朗(久留米大学医学部 小児科)
  • 渡部 京太(独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児期から成人期の発達障害児者を支援するためには、子ども及び子どもに関わる環境を含めたアセスメントが必要である。発達障害児の特徴から、養育者は子育てに苦労することが多く、不適切な養育を行ってしまうこともある。したがって、支援者は子ども本人への介入だけではなく、母親などの養育者に対しても働きかけ、子どもとともに養育者の成長も促進させることが総合的な発達障害支援と言える。
本研究は、様々なタイプの発達障害の保護者の支援ニーズを元にレジリエンスすなわち「困難な状況においても克服できる力」を評価し、子どもの行動、レジリエンス、養育行動の関係を明らかにすること、さらに、母親のレジリエンスを向上させる要因を検討することを目的とする。
研究方法
1.養育レジリエンス質問票(PRQ)の開発
 国内5カ所の医療機関を受診する発達障害児をもつ母親424名を対象とした。二年度目の質的研究で生成されたモデルに基づき、子どもとの関わり方や社会ネットワークの構築などを尋ねる44項目の質問票を作成した。そして、予備調査を踏まえて最終的には29項目の質問票を作成した。他に日本版GHQ 精神健康調査票とCES-Dを用いて保護者の精神的健康度と抑うつ度を調べて、養育における過剰反応については日本語版養育尺度(parenting scale: PS)で評価した。子どもの行動は、Strength and Difficulties Questionnaire(SDQ)日本語版を用いた。
2.ADHD児に対するトリプルPの効果
発達障害児をもつ養育者(20歳以上の成人)でトリプルPに参加した10名を対象として、養育レジリエンス調査票(PRQ)、養育尺度、保護者精神的健康(DASS: Depression Anxiety Stress Scales)SDQを評価し、変化を比較した。
3.保護者への親ガイダンスグループの効果分析
通院中の中学生から18歳までのASDやADHDの子どもを持つ保護者を対象として、親ガイダンスグループの効果をPRQの得点変化を元に検討した。
結果と考察
最終年度には①発達障害児を持つ母親424名に対して母親のレジリエンスを評価する養育レジリエンス質問票(PRQ)を量的研究手法により新たに開発した。養育レジリエンスは最終的に、3因子構造が妥当であると判断され、それぞれ「特徴理解」、「社会的支援」、「肯定的受容」と命名された。
②注意欠如・多動性障害(ADHD)児の母親支援法の一つとしてトリプルPを施行し、PRQ指標の比較により養育レジリエンスの向上が見出された。
結論
ADHD児や自閉症スペクトラム(ASD)児を持つ保護者への親ガイダンスグループの効果分析を行い、特徴理解因子、社会的支援因子に関しては、ADHD群、ASD群ともに、親ガイダンス終了時得点平均値が開始時よりも増加していることが見出された。養育レジリエンスの構成因子の妥当性ならびに保護者支援を中心とした介入によるレジリエンスの3因子の変化について、今後も検討していく必要性があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

文献情報

文献番号
201419003B
報告書区分
総合
研究課題
発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレジリエンス向上に関する研究
課題番号
H24-身体・知的-一般-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 真澄(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 裕史朗(久留米大学医学部 小児科)
  • 渡部 京太(独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児期から成人期の発達障害児者を支援するためには、子ども及び子どもに関わる環境を含めたアセスメントが必要である。本研究は、様々なタイプの発達障害の保護者の支援ニーズを元に、保護者のレジリエンスすなわち「困難な状況においても克服できる力」を評価し、子どもの行動、レジリエンス、養育行動の関係を明らかにすること、さらに、母親のレジリエンスを向上させる要因を検討することを目的として行った。
研究方法
発達障害医療に従事している医師やコメディカルへの面接調査を行い、母親の不適応の状態が、医療機関に受診・通院し、支援者によって障害の認識が促されることにより、対処技能、価値観の変化、社会的支援の面で成長し、適応していくことが質的研究で推察された。さらに発達障害児を持つ母親23名への面接調査を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的分析を行い、保護者レジリエンスは5つのカテゴリすなわち、①親意識、②自己効力感、③特徴理解、④社会的支援、⑤見通し、で構成される養育レジリエンスのモデルが想定できた。
結果と考察
最終的には、発達障害児を持つ母親424名に対して母親のレジリエンスを評価する養育レジリエンス質問票(parenting resilience questionnaire: PRQ)を量的研究手法により新たに開発した。養育レジリエンスは、3因子構造が妥当であると判断され、「特徴理解」、「社会的支援」、「肯定的受容」と命名された。PRQの有効性検証のため注意欠如・多動性障害(ADHD)児の母親支援法の一つとしてトリプルPを施行し、PRQ指標の比較により養育レジリエンスの向上が見出された。さらにADHD児や自閉症スペクトラム(ASD)児を持つ保護者への親ガイダンスグループの効果分析を行い、特徴理解因子、社会的支援因子に関しては、ADHD群、ASD群ともに、親ガイダンス終了時得点平均値が開始時よりも増加していることが見出された。
結論
養育レジリエンスの構成因子の妥当性ならびに保護者支援を中心とした介入によるPRQ3因子の変化を今後も検討していく必要性があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201419003C

収支報告書

文献番号
201419003Z