健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究

文献情報

文献番号
201412036A
報告書区分
総括
研究課題名
健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
兼板 佳孝(国立大学法人大分大学 医学部公衆衛生・疫学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 内山 真(日本大学 医学部)
  • 渡辺 範雄(国立精神神経医療研究センター)
  • 赤柴 恒人(日本大学 医学部)
  • 金城 やす子(名桜大学 人間健康学部)
  • 田中 克俊(北里大学大学院)
  • 北畠 義典(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
  • 谷川 武(順天堂大学 医学部)
  • 井谷 修(日本大学 医学部)
  • 池田 真紀(日本大学 医学部)
  • 尾崎 章子(東北大学)
  • 巽 あさみ(浜松医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 尾﨑章子 所属機関 東邦大学(平成26年4月1日~平成26年12月31日)→東北大学(平成27年1月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題は、第1に介入研究を含めた新たな疫学研究知見に基づいて睡眠指針を検証すること、第2に個々のライフステージに応じ、また、個人の状況に対応できる実効性のある指針への改訂を提言することを目的に開始された。平成26年度は、新たに策定された睡眠指針の普及と啓発に関する研究を進めるとともに、継続中であった睡眠習慣や睡眠障害に関する疫学研究を進展させた。
研究方法
睡眠習慣に関する介入研究では保育園児とその保護者2,010人を対象に質問調査を行った。高齢者を対象に身体活動の増加と睡眠との関係を検討した。高齢者やIT企業労働者を対象に集団睡眠衛生教育と睡眠保健指導の効果を検証した。800人が就労する工場で睡眠衛生教育を行った。中学校と高等学校で用いられている教科書における睡眠項目を検証した。睡眠呼吸障害のスクリーニングに関する研究では、自宅で簡易型PSGを用いてスクリーニングを行った。睡眠時無呼吸症候群のリスク、増悪因子、予後因子に関する疫学研究ではCPAP療法のアドヒアランスについて検討した。睡眠時間、夜勤とその他の生活習慣病リスクとの相乗効果に関する研究では4万人の地方公務員の定期健康診断のデータを分析した。睡眠指針の普及と啓発に関する研究では健康づくりのための睡眠指針2014の普及・啓発をめざし、指針の内容に基づいたツールを作成した。睡眠習慣の啓発に関する研究ではイビキと血圧との関連を分析した。睡眠に関する先行疫学研究のレビューでは短時間睡眠と死亡、高血圧、高血糖、心血管疾患、脂質異常、肥満、うつ病との関連についての研究を検索し、メタ解析を行った。日本人の睡眠障害に関する疫学研究では全国規模の疫学調査データを用いて不眠症状の性差について検討した。
結果と考察
睡眠習慣に関する介入研究では、独立した6つの研究を進め、これまでに結果が得られたものとして、高ストレス状態の労働者で原発性不眠を有する者においては睡眠に関する認知行動療法を用いた集団睡眠衛生教育と個人睡眠保健指導が有益であることが判明した。睡眠呼吸障害のスクリーニングに関する研究は進行途中にあり、これまでに115名の参加者に対する簡易PSGを用いたスクリーニングが終了し、専門機関への紹介(21名中17名が同意)とその後のフォローアップを行っている。睡眠時無呼吸症候群のリスク、増悪因子、予後因子に関する疫学研究では、対象患者の78.9%に比較的良好なアドヒアランスを認めた。7年以上経過した患者群でも75.2%が治療を継続していた。睡眠時間、夜勤とその他の生活習慣病リスクとの相乗効果に関する研究では、メタボリックシンドロームの発症には、睡眠時間・交替制勤務・休日取得状況・食習慣・運動習慣・飲酒習慣が有意に関連し、これらの生活習慣の異常が増えるほど,発症のハザード比も上昇する所見を得た。睡眠指針の普及と啓発に関する研究では、「健康づくりのための睡眠指針に基づいた保健指導の手引き(仮称)」原案を作成した。睡眠習慣の啓発に関する研究では、イビキが高頻度であるほど、最大・最小血圧値・高血圧のオッズ比が高くなることを明らかにした。睡眠に関する先行疫学研究のレビューでは短時間睡眠は通常時間睡眠よりも、長期的に死亡、高血圧、心血管疾患、肥満等を増加させることが示された。日本人の睡眠障害に関する疫学研究では、男性に比べて女性では入眠障害の有訴者率が高いことが示された。
結論
今年度の研究成果の中から主だったものを挙げる。(1)高ストレス者で原発性不眠を有する労働者においては睡眠に関する認知行動療法を用いた集団睡眠衛生教育と個人睡眠保健指導が有益であることが判明した。(2)睡眠時無呼吸症候群の標準的治療であるnCPAPは良好なアドヒアランスを維持している。(3)睡眠時間、交替制勤務、休日取得状況、食習慣、運動習慣、飲酒習慣の複数の生活習慣の組み合わせがメタボリックシンドロームの発症に寄与する。(4)短時間睡眠は通常時間睡眠よりも、長期的に死亡、高血圧、心血管疾患、肥満等を増加させる。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201412036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,100,000円
(2)補助金確定額
9,100,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,640,795円
人件費・謝金 603,055円
旅費 572,380円
その他 1,184,825円
間接経費 2,100,000円
合計 9,101,055円

備考

備考
支出には利息145円と自己資金910円が含まれるため。

公開日・更新日

公開日
2015-10-16
更新日
-