文献情報
文献番号
201128073A
報告書区分
総括
研究課題名
ジストニアの診断及び治療方法の更なる推進に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-112
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梶 龍兒(徳島大学 病院)
研究分担者(所属機関)
- 長谷川 一子(国立病院機構 相模原病院)
- 平 孝臣(東京女子医科大学 医学部)
- 坂本 崇(国立精神・神経医療研究センター病院)
- 宇川 義一(福島県立医科大学 医学部)
- 中島 健二(鳥取大学 医学部附属脳幹性疾患研究施設)
- 辻 貞俊(産業医科大学)
- 小幡 文弥(北里大学 医療衛生学部)
- 藤本 健一(自治医科大学 医学部)
- 野村 芳子(瀬川小児神経学クリニック)
- 小林 武夫(帝京大学 ちば総合医療センター)
- 堀内 正浩(聖マリアンナ医科大学 大学院 医学研究科)
- 豊島 至(国立病院機構 あきた病院)
- 片山 容一(日本大学 大学院 医学研究科)
- 横地 房子(都立神経病院)
- 菊地 誠志(国立病院機構 北海道医療センター)
- 目崎 高広(榊原白鳳病院)
- 武田 篤(東北大学 大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
先行研究によりジストニア患者の実態調査が進み、種々の病型のジストニアの診断基準が作成されたが、今後、ジストニアの治療の進展が望まれている。本研究では、これらの成果を踏まえてさらにジストニアに関する治療指針を完成することを目的とし、合わせて病態の研究を通して画期的な新規治療法を開発することも目標とした。
研究方法
以下を目標にプロジェクト研究方式を採っている。新たに発見されたものも含め、遺伝子検査を行えるシステムを整備し、遺伝子診断に応じた遺伝子相談や治療指針の作成を行えるようにする。ボツリヌス治療についても、我が国では痙性斜頚と眼瞼痙攣といった一部のジストニアにしか承認されておらず、他の病型での安全性・有効性に関しても検討し、治療指針の作成を行う。従来から用いられている種々の内服薬についても全体の治療のなかでの位置づけを行う。深部脳刺激法を中心とした外科的治療についても検討を行う。安全性の高い新規ボツリヌス製剤(NTX)や反復大脳磁気刺激法についてもジストニア治療への応用について検討を行う。本疾患により悩む患者や社会に情報を発信する。
結果と考察
ジストニアの遺伝子診断システムを拡充し、既報の原因遺伝子に加え、THAP1の変異を検出できるシステムを構築し、国内初となる新規の遺伝子変異も検出した。ボツリヌス治療の痙性斜頚、眼瞼痙攣への有効性を確認し、他の病型に関してもexpert opinionとして治療指針案を作成した。痙性発声障害についてはその発症や経過に多様性を認めることが明らかとなった。内服薬について治療指針の作成に十分な証拠はなかったが、現時点で各病型に試みられることができる薬剤を選択し意見を集約した。脳深部刺激術などの各病型での適応と、刺激部位の選択についてのエビデンスと注意点を明らかとした。NTXの開発を引き続き行った。ジストニアの治療及び病態の把握に対し、反復大脳磁気刺激法の安全性や試みうる方法の検討を行った。患者向けの小冊子を作製した。
結論
治療指針の策定に当たり、十分なエビデンスない治療法、病型もかなりの数に上り、これらに対し、expert opinionとしての意見を集約した。現状での治療指針の策定を進め、情報を発信するとともに、引き続き研究を行い新規の治療法を開発し、この疾患により困難にぶつかっている人々の一助となるよう努力していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2013-03-01
更新日
-