特発性肺線維症急性増悪及び薬剤性肺障害に関与する日本人特異的遺伝素因に関する研究

文献情報

文献番号
201128014A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性肺線維症急性増悪及び薬剤性肺障害に関与する日本人特異的遺伝素因に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
萩原 弘一(埼玉医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 杉山 幸比古(自治医科大学(自治医科大学附属病院)・呼吸器内科学)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学(国際医療センター)・画像診断科)
  • 田口 善夫(天理よろづ相談所病院)
  • 本間 栄(東邦大学医療センター大森病院・呼吸器内科学)
  • 谷口 博之(公立陶生病院・呼吸器内科学)
  • 滝澤 始(杏林大学医学部附属病院・呼吸器内科)
  • 瀬戸口 靖弘(東京医科大学・呼吸器内科学)
  • 長谷川 好規(名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座)
  • 海老名 雅仁(東北大学(東北大学病院))
  • 吾妻 安良太(日本医科大学(日本医科大学付属病院)・呼吸器内科学)
  • 井上 義一(NPO 近畿中央胸部疾患センター・呼吸器内科学)
  • 小林 国彦(埼玉医科大学(国際医療センター)・呼吸器内科学)
  • 桑野 和善(東京慈恵会医科大学・呼吸器内科学)
  • 冲永 壯治(気仙沼市立病院・呼吸器内科学)
  • 西條 康夫(弘前大学大学院医学研究科)
  • 藤田 結花(国立病院機構道北病院・呼吸器内科学)
  • 稲瀬 直彦(東京医科歯科大学・呼吸器内科学)
  • 上甲 剛(公立学校共済組合近畿中央病院放射線科)
  • 服部 登(広島大学(広島大学病院))
  • 岡崎 康司(埼玉医科大学(ゲノム医学研究センター)・ゲノム医学)
  • 迎 寛(産業医科大学(産業医科大学病院)・呼吸器内科学)
  • 幸山 正(東京大学大学院・呼吸器内科学)
  • 林 龍二(富山大学(富山大学付属病院)・呼吸器内科学)
  • 前門戸 任(宮城県立がんセンター・呼吸器内科学)
  • 柴田 陽光(山形大学医学部附属病院・呼吸器内科)
  • 岸 一馬(冲中記念成人病研究所・呼吸器内科学)
  • 臼井 一裕(NTT 東日本関東病院・呼吸器内科学)
  • 千葉 弘文(札幌医科大学(札幌医科大学付属病院)・呼吸器内科学)
  • 原田 敏之(北海道社会保険病院・呼吸器内科学)
  • 今野 哲(北海道大学(北海道大学病院))
  • 須谷 顕尚(島根大学医学部内科学 がん化学療法教育学)
  • 小暮 啓人(国立病院機構名古屋医療センター・呼吸器内科学)
  • 石田 正之(長崎大学(長崎大学病院)・呼吸器内科学)
  • 森 秀法(岐阜大学(岐阜大学医学部附属病院)・呼吸器内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
26,827,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬剤性肺障害,特発性肺線維症急性増悪に関与する遺伝因子の解明
研究方法
(1)患者検体収集 製薬会社,肺癌臨床研究グループ(北日本研究グループ,西日本腫瘍グループなど),厚生労働省「びまん性肺疾患に関する調査研究班」(特発性肺線維症急性増悪)など企業,研究グループ横断的な患者試料収集ネットワークを構築,薬剤性肺障害,特発性肺線維症急性増悪患者末梢血DNA を収集する.
(2)全ゲノムSNP 解析,エクソームシークエンシングによる遺伝因子同定
 患者末梢血B リンパ球をEB ウイルスにて不死化し凍結保存するとともに,末梢血DNA の全ゲノムSNP 解析を行い,ホモ接合ハプロタイプ法,全ゲノム関連解析,染色体コピー数解析,エクソームシークエンシングにて遺伝因子を同定する.
結果と考察
現在までのところ261例のSNP解析が終了し、56例のエクソームシークエンシングが終了している。これらの結果から、現在までにおいて特発性肺線維症急性増悪、および薬剤性肺障害の症例に共通するSNPないしはIndelを現在までのところ複数発見した。
これら疾患群に存在する遺伝因子が、正常群(日本人、および日本人以外)に存在するか否か、存在するならばその頻度はどれくらいかを今後解析していき、疾患群との統計学的有意差を検討する必要がある。また、それらの塩基配列の変異の中で、アミノ酸変異、さらには機能変異を来すものを探索する事によって、原因遺伝因子を同定していく。さらに特発性肺線維症急性増悪、ないしは薬剤性肺障害症例それぞれに、特異的な塩基配列の変異がないかを確認する必要がある。
なお、平成24年度の委託費用でさらに30以上のエクソームシークエンシングを予定しており、疾患群の母数を増やすことによって、より広く塩基変異をスクリーニングするとともに、疾患責任遺伝子検出の精度をあげる事ができると思われる。
結論
特発性肺線維症急性増悪及び薬剤性肺障害に関与する日本人特異的遺伝素因を現在のところ同定しつつあり、十数個に絞る事ができている。この中からおそらく上記疾患の日本人特異的遺伝素因を一つに絞る事ができると思われる。

公開日・更新日

公開日
2013-03-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128014Z