地域やライフステージを考慮した歯および口腔の健康づくりの支援体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201120050A
報告書区分
総括
研究課題名
地域やライフステージを考慮した歯および口腔の健康づくりの支援体制の構築に関する研究
課題番号
H23-循環器等(歯)・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
川口 陽子(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 平田 幸夫(神奈川歯科大学社会歯科学講座)
  • 森尾 郁子(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
  • 福泉 隆喜(国立大学法人九州歯科大学総合教育学分野)
  • 植野 正之(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
7,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、国際的な視点から我が国の歯科保健施策を客観的に評価するとともに、国内の歯科疾患をとりまく社会環境の変遷、歯科保健の現状とその評価を行い、今後必要とされる地域やライフステージを考慮した歯および口腔の健康づくりの支援体制の構築に向けて具体的な提示を行うことである。
研究方法
現地調査および文献等をもとに日本、韓国、米国、英国、デンマーク、オーストラリア、東南アジア(タイ、インドネシア、ベトナム)の歯科保健医療制度に関する調査を行った。
結果と考察
国により歯科保健医療制度が異なっているため、国際比較を行う際には注意が必要である。例えば、国によって歯科医療従事者の定義や業務範囲が異なり、歯科保健状況の調査項目や調査手法に相違があり、日本と同様なデータ収集や調査が行われていない国もある。歯科医療費の国際比較を行う際には、保険制度の有無、その給付内容や範囲、自己負担割合、GDPや為替レートの変動等を考慮することが必要である。本研究で明らかになった日本と海外との大きな相違は、歯科公衆衛生事業の担当者である。海外では保健所や保健センター、公立病院等に公務員として勤務する歯科医師が公衆衛生事業を担当しており、開業医が関与することはほとんどない。一方、日本では開業医が地域の公衆衛生事業を担っている。歯科医師がパブリック(保健)とプライベート(医療)の2つの業務を兼務していることは日本の特徴と考えられた。また、ほとんどすべての歯科治療行為への保険給付がある国は他になく、国民皆保険のもと誰もが安心して歯科治療を受けられる我が国の医療制度はモデルになると思われた。しかし、日本の歯科保健医療制度を理解している海外の歯科関係者は少なく、英語での歯科保健情報の発信が必要と考えられた。米国、英国、オーストラリアでは、歯科医療の質の保証のために歯科医師の生涯研修が義務化されていた。また、英国ではエビデンスに基づいた歯科疾患予防のためのガイドラインが作成され、患者への助言の際に利用されていた。英国やデンマークでは社会経済状況の変化に伴い、地域ごとに柔軟に保健医療制度の変更や見直しが行われていた。
結論
歯および口腔の健康づくりの支援体制の構築に向けて、海外と比較して日本の歯科保健医療制度が優れている点、反対に、日本が海外から学んで改善したほうがよい点をまとめて提示していくことが重要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120050Z