特発性肺線維症急性増悪及び薬剤性肺障害に関与する日本人特異的遺伝素因に関する研究

文献情報

文献番号

201024061A

報告書区分

総括

研究課題名

特発性肺線維症急性増悪及び薬剤性肺障害に関与する日本人特異的遺伝素因に関する研究

課題番号

H22-難治・一般-005

研究年度

平成22(2010)年度

研究代表者(所属機関)

萩原　弘一(埼玉医科大学　医学部)

研究分担者(所属機関)

杉山　幸比古(自治医科大学　医学部)
酒井　文和(埼玉医科大学　国際医療センター)
谷口　博之(公立陶生病院　内科)
本間　栄(東邦大学　医学部)
瀬戸口　靖弘(東京医科大学　医学部)
海老名　雅仁(東北大学　医学部)
吾妻　安良太(日本医科大学　医学部)
井上　義一(独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部　疾患センター)
小林　国彦(埼玉医科大学　国際医療センター)
桑野　和善(東京慈恵会医科大学　医学部)
西條　康夫(弘前大学　医学部)
藤田　結花(独立行政法人国立病院機構旭川医療センター　内科)
稲瀬　直彦(東京医科歯科大学　内科)
服部　登(広島大学　医学部)
岡崎　康司(埼玉医科大学　ゲノム医学研究センター)
幸山　正(東京大学　医学部)
林　龍二(富山大学　医学部)
柴田　陽光(山形大学　医学部)
岸　一馬(冲中記念成人病研究所)
千葉　弘文(札幌医科大学　医学部)
今野　哲(北海道大学　医学部)
須谷　顕尚(島根大学　医学部)
小暮　啓人(独立行政法人国立病院機構　名古屋医療センター)
森　秀法(岐阜大学　医学部)
前門戸　任(宮城県立がんセンター)
迎　寛(産業医科大学)
石田　正之(長崎大学　医学部)
原田　敏之(社団法人全国社会保険協会連合会北海道社会保険病院)
臼井　一裕(NTT東日本関東病院　内科)
田口　善夫(天理よろづ相談所病院)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金疾病・障害対策研究分野難治性疾患克服研究

研究開始年度

平成22(2010)年度

研究終了予定年度

平成24(2012)年度

研究費

34,837,000円

研究者交替、所属機関変更

-

研究報告書（概要版）

研究目的

本研究は，薬剤性肺障害および特発性肺線維症急性増悪に関与する遺伝因子の同定を目的としている．近年，日本人肺の脆弱性が指摘されている（1）薬剤性肺障害が他国（西洋や他のアジア人）より高頻度で見られ，高率に致死的な経過をたどること（2）肺線維症を有する患者で他国より高頻度に急性増悪が起こり，高い致死率を示すと推定されることが典型例である．世界に民族差が明確な疾患は多数ある．病態に明確な民族差がある場合，民族特異的な遺伝因子があると考えられる．

研究方法

特発性肺線維症急性増悪および薬剤性肺障害が疑われる呼吸器疾患患者より末梢血DNAを収集する．患者の臨床情報，画像情報を収集し，特に予後不良と密接に結びつく臨床上，画像上の特徴を明らかにする．Affymetrix社のSNP 6.0を用いて全ゲノムレベルでSNP情報を収集する．SNP情報より，全ゲノム関連解析，ホモ接合ハプロタイプ法解析，HM on HH解析を用い，疾患関連遺伝子を明らかにする．

結果と考察

2011年3月現在での集積症例数は，IIPs + IPF急性増悪　160症例，薬剤性肺障害　149症例．画像情報収集例数は，IIPs + IPF急性増悪　75症例，薬剤性肺障害　89症例，SNP解析症例数は，IIPs + IPF急性増悪　76症例，薬剤性肺障害　85症例である．

結論

薬剤性肺障害，特発性肺線維症急性増悪は，日本人に高率に認められ，日本で解決しなければならない問題である．今後患者サンプルの収集を継続するとともに，少数例からの疾患解析法を駆使して，疾患感受性遺伝子の解析を進めて行く予定である．