食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的効果及び医療経済学的効果を推定するための研究

文献情報

文献番号
202508010A
報告書区分
総括
研究課題名
食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的効果及び医療経済学的効果を推定するための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1012
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
池田 奈由(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・政策研究センター 栄養社会科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 西 信雄(聖路加国際大学 大学院公衆衛生学研究科)
  • 三浦 克之(国立大学法人滋賀医科大学 NCD疫学研究センター)
  • 杉山 雄大(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 糖尿病情報センター)
  • 樫野 いく子(甲子園大学 栄養学部)
  • 山口 美輪(立命館大学 食マネジメント学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、食環境づくりの推進を通じた減塩の取組において科学的根拠を活用するための基盤整備として、減塩の公衆衛生学的及び医療経済学的効果をシミュレーションにより推定し、食品関連事業者及び自治体に対して具体的な方策を示すことを目的とした。
 令和5年度からの3年間で、以下の二つの研究を実施した。
 一つ目の研究では、海外の食品関連事業者の減塩の目標設定やそれを踏まえた取組、海外の事業者向け支援ガイドの先行事例について調査した。そして、これらの内容を踏まえて、日本の食品関連企業が自主的に減塩目標を設定できるよう支援するガイドを作成した。
 二つ目の研究では、減塩の効果のシミュレーションに関する海外先行事例について調査を行い、その結果に基づき食環境づくりの推進を通じた減塩の取組の効果に関するシミュレーションモデルを構築した。さらに、このシミュレーションモデルを都道府県の健康増進部局などが意思決定に活用できるようにするためのガイドを作成した。
研究方法
 3年計画の3年目である令和7年度においては、事業者向け支援ガイドの完成及び全国版シミュレーションモデルの改訂、都道府県版モデル及び活用ガイド等の作成を行った。第84回日本公衆衛生学会総会(静岡市)において、シンポジウム「食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的・医療経済学的効果」を開催し、研究成果を発表した。
結果と考察
 令和7年度の主な成果は以下のとおりである。
研究①:食品関連事業者の減塩の目標設定と取組に関する文献レビューと事業者向け支援ガイドの作成
 国内事業者向け支援ガイド『食品関連事業者向けの製品の減塩ガイド』では、国内外の科学的知見及び政策動向を整理し、日本の食環境を踏まえた減塩目標設定の枠組を提示した。SMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)枠組、売上加重平均ナトリウム含有量及び栄養プロファイリングモデルの活用等を整理することで、事業者の自主的取組と公衆衛生政策との接続を図った。また、事業者ヒアリングを通じて実務上の課題と有用性を整理し、社会実装に向けた改善点を明らかにした。さらに、ガイドの公表及びプレスリリース等を通じた情報発信により、社会普及を図った。
研究②:食環境づくりの推進を通じた減塩の取組の効果に関するシミュレーションモデルと都道府県向け活用ガイドの作成
 全国及び都道府県別のシステムダイナミクスモデルを構築し、食塩摂取量の削減に伴う高血圧及び関連医療費の変化を定量的に評価した。都道府県別モデルでは地域ごとの人口構造を反映し、複数の介入シナリオに基づく将来推計を可能とした。これにより、減塩施策の健康影響及び経済影響を地域単位で比較可能とする枠組を提示した。さらに、自治体における政策立案及び説明責任の支援を目的として、シミュレーションモデルのインターフェース及び活用ガイドを整備した。自治体担当者が施策内容とアウトカムの関係を視覚的に把握できる構造とし、実務での利便性の向上を図った。
結論
 本研究の成果は、事業者による自主的な減塩の推進と、自治体による科学的根拠に基づく減塩政策の立案を支援する基盤の整備に資するものである。今後は、支援ガイドの実装状況及び活用実態の把握を進めるとともに、循環器疾患等の発症・重症化に伴う関連医療費及び介護費を含めたモデルの高度化を図り、減塩の取組への適用可能性を一層高めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2026-08-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-08-14
更新日
-

文献情報

文献番号
202508010B
報告書区分
総合
研究課題名
食環境づくりの推進を通じた減塩の取組がもたらす公衆衛生学的効果及び医療経済学的効果を推定するための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1012
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
池田 奈由(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・政策研究センター 栄養社会科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 西 信雄(聖路加国際大学 大学院公衆衛生学研究科)
  • 三浦 克之(国立大学法人滋賀医科大学 NCD疫学研究センター)
  • 湊 宣明(立命館大学 大学院テクノロジー・マネジメント研究科)
  • 杉山 雄大(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 糖尿病情報センター)
  • 樫野 いく子(甲子園大学 栄養学部)
  • 山口 美輪(立命館大学 食マネジメント学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、食環境づくりの推進を通じた減塩の取組において科学的根拠を活用するための基盤整備として、減塩の公衆衛生学的及び医療経済学的効果をシミュレーションにより推定し、食品関連事業者及び自治体に対して具体的な方策を示すことを目的とした。
研究方法
 令和5年度からの3年間で、以下の二つの研究を実施した。
 一つ目の研究では、海外の食品関連事業者の減塩の目標設定やそれを踏まえた取組、海外の事業者向け支援ガイドの先行事例について調査した。そして、これらの内容を踏まえて、日本の食品関連企業が自主的に減塩目標を設定できるよう支援するガイドを作成した。
 二つ目の研究では、減塩の効果のシミュレーションに関する海外先行事例について調査を行い、その結果に基づき食環境づくりの推進を通じた減塩の取組の効果に関する都道府県版シミュレーションモデルを構築した。さらに、このシミュレーションモデルを都道府県の健康増進部局などが意思決定に活用できるようにするためのガイドを作成した。
結果と考察
 海外事業者の減塩の目標設定と取組に関する文献レビュー及び事業者向け支援ガイドの海外先行事例調査の結果を踏まえ、食品関連事業者向け支援ガイドを作成した。本ガイドでは、国内外の科学的知見及び政策動向を整理し、日本の食環境を踏まえた減塩目標設定の枠組を提示した。SMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)枠組、売上加重平均ナトリウム含有量及び栄養プロファイリングモデルの活用等を整理することで、事業者の自主的取組と公衆衛生政策との接続を図った。また、事業者ヒアリングを通じて実務上の課題と有用性を整理し、社会実装に向けた改善点を明らかにした。さらに、ガイドの公表及びプレスリリース等を通じた情報発信により、社会普及を図った。
 減塩の効果のシミュレーションに関する海外先行事例調査の結果に基づき、全国及び都道府県別のシステムダイナミクスモデルを構築し、食塩摂取量の削減に伴う高血圧及び関連医療費の変化を定量的に評価した。都道府県別モデルでは地域ごとの人口構造を反映し、複数の介入シナリオに基づく将来推計を可能とした。これにより、減塩施策の健康影響及び経済影響を地域単位で比較可能とする枠組を提示した。さらに、自治体における政策立案及び説明責任の支援を目的として、シミュレーションモデルのインターフェース及び活用ガイドを整備した。自治体担当者が施策内容とアウトカムの関係を視覚的に把握できる構造とし、実務での利便性の向上を図った。
結論
本研究の成果は、事業者による自主的な減塩の推進と、自治体による科学的根拠に基づく減塩政策の立案を支援する基盤の整備に資するものである。今後は、支援ガイドの実装状況及び活用実態の把握を進めるとともに、循環器疾患等の発症・重症化に伴う関連医療費及び介護費を含めたモデルの高度化を図り、減塩の取組への適用可能性を一層高めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2026-08-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-08-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202508010C

収支報告書

文献番号
202508010Z