第3世代バイオテクノロジー応用食品等の安全性確保とリスクコミュニケーションに関する研究

文献情報

文献番号
200939041A
報告書区分
総括
研究課題名
第3世代バイオテクノロジー応用食品等の安全性確保とリスクコミュニケーションに関する研究
課題番号
H21-食品・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
西島 正弘(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 今村 知明(奈良県立医科大学・健康政策医学講座)
  • 小関 良宏(東京農工大学工学部生命工学科)
  • 太田 大策(大阪府立大学大学院・生命環境科学研究科)
  • 手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所・代謝生化学部)
  • 穐山 浩(国立医薬品食品衛生研究所・代謝生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
67,290,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、第3世代にあたるバイオテクノロジーを応用した食品の安全性確保のための科学的知見の蓄積、当該食品並びに未承認組換え食品の検知法の確立,安全性審査基準への反映並びに社会的受容及び現在海外で開発されている組換え体の安全性評価状況等に関する調査研究を行い、遺伝子組換え食品の安全性のより一層の確保を目的とする。
研究方法
遺伝子組換え体の安全性に関するポストゲノム手法導入のための網羅的プロファイリング解析では、AtDREB1A遺伝子導入ジャガイモをモデルとしてDNAチップを用いるトランスクリプトーム、多蛍光標識2次元電気泳動によるプロテオーム、FT-ICRMS, LC-Linear-Trap- TOF/MSを用いるメタボローム解析を行った。組換え食品の検知法に関する研究では、安全性未審査の複数の遺伝子組換え作物(中国産BTコメ、トマト、亜麻,サケ等魚類)を対象とした定性試験法の開発を行った。アレルギー性に関する安全性評価手法の開発では、AtDREB1A発現ジャガイモを用いたアレルゲノーム手法を用いるアレルゲン性試験、食物アレルギー動物モデルを用いた評価並びにアレルゲンデータベース(ADFS)の更新を行った。また、遺伝子組換え食品の動向調査として、社会的受容、組換え微生物、遺伝子組換え魚、遺伝子組換え動物、遺伝子組換え薬用植物,クローン牛等に関して、現状の把握を行い、モデル組換え体の開発も行った。

結果と考察
非意図的影響を知るためのポストゲノム手法導入のための調査研究では、ジャガイモの網羅的プロファイルの比較解析が可能となった。遺伝子組換え食品の検知に関する試験法の確立では、安全性未承認の4種の生物に関する定性試験法を確立し,亜麻に関しては通知法を作成した.アレルギー性に関する研究では、アレルゲノーム手法による遺伝子組換えジャガイモのアレルギー性評価手法を確立した。遺伝子組換え食品の動向調査では、社会受容に関して,消費者意識調査から,その目的や種類により抵抗感が異なることを把握した.
結論
第3世代の遺伝子組換え食品のより一層の安全性確保のため、安全性に関する研究を中心に、当該食品の検知に関する試験法の確立及び社会的受容等に関する動向調査を持続し、透明性を確保しつつ、より一層の安全確保、消費者の不安解消に努める必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
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