医師の初期臨床研修到達目標達成度評価に関する研究

文献情報

文献番号
200937069A
報告書区分
総括
研究課題名
医師の初期臨床研修到達目標達成度評価に関する研究
課題番号
H21-医療・指定-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 宣彦(日本歯科大学 生命歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大滝 純司(東京医科大学 医学部)
  • 堀内 三郎(岩手医科大学 医学部)
  • 高橋 弘明(岩手県立中央病院)
  • 平出 敦(京都大学 医学研究科)
  • 木下 牧子(初台リハビリテーション病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師国家試験合格後2年間の「初期臨床研修」が必修化され、全国1059の研修病院では、マッチングシステムにより研修医が採用されるシステムが稼動している。研修医は、全国統一の「臨床研修の到達目標」をクリアしなければならないが、その研修到達目標の中で、とくに達成度の評価が難しいと思われる項目(「患者―医師関係」、「チーム医療」、「問題対応能力」、「安全管理」、「症例提示」、「医療の社会性」、「医療面接」、「医療記録」、「予防医療」、「地域医療」や、定められているレポート)について、各研修病院で研修目標の達成度をどのように評価しているかを調べ、臨床研修見直しをはじめ、より良い医師臨床研修への改善のための資料とすることが本研究の目的である。
研究方法
各病院で、研修達成度をどのように総括評価して修了認定をしているか。すなわち、どのような方法で、いつ、誰が評価を行い、その結果をどのように利用しているか、とくに上記の評価が難しいとされる項目をどう評価しているかを、全国1059病院の研修責任者あてにアンケート用紙を送付して調査する。
結果と考察
大学病院を含む830病院から回答が寄せられ、それを、病床規模別や大学病院か否か等の視点から解析した。
研修医の評価は、レポートや研修中の観察記録のより行われることが8割以上と多く、大学病院の40%以上がEPOCを利用していたが、大学以外の研修病院でEPOCを利用していた病院は15%であった。評価者は9割以上が指導医で、大学病院では医師以外の職種の人々からの評価が反映される割合は少なく、200?400ベッド規模の研修病院のほうが、病院のいろいろな立場の人が評価に関与していた。総括評価で修了認定できなかった研修医が3%あり、そのうち約17%は修了レベル未達成のためとされた。
結論
大学以外の病院ではEPOCの普及が低く、より扱いやすい評価法が期待されている。また、研修修了認定がされなかった研修医に関しては、さらなる詳細な調査が必要である。
調査した「評価しにくい項目」に関しては、例示や目安等を示して、達成度評価に際して病院間の格差がないように、評価の客観性を高める必要がある。
評価者については、項目によっては基幹病院の以外の地域医療や予防医療関係の医師、研修病院のコメディカル、さらに行政、患者・家族などからの評価も反映させることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937069C