大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療提供体制強化に関する研究

文献情報

文献番号
202321057A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療提供体制強化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22IA2005
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
小井土 雄一(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
13,544,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨今、国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、医療施設の耐震・インフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクス等が進められている。しかしながら、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、医療資源の適切な配分調整に関しては、各保健医療施設、各保健医療活動チームの個々の対応だけでは限界があり、被災地域全体としての連携調整が必要となる。今後、発生し得る首都直下地震や南海トラフ大地震等の大規模災害では、圧倒的に医療提供の需要が供給を上回ることが想定される。単独の医療機関が医療提供を行うだけでなく、面的に地域の医療機関が連携する必要がある。そのためには、地域における被害想定を考慮した地域連携BCPの作成が重要であるが、日本において一般的に作成・活用されているものはない。本研究班の目的は、これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、地域の医療資源を最大限に活用できるのかを提言することである。
研究方法
多くの分担研究者が参加し、災害医療全般に関する研究を実施。一つの研究班が統括し、整合性の取れた研究結果を報告する。
結果と考察
1.地域連携BCPの構築に関する研究:地域連携BCPの策定において重要な6つの指標を延伸する方策を提示し、次年度の実証検証に向けて自治体と協議を行った。2.災害医療コーディネートに関する研究:経験不足、人員不足、地域コーディネーターの育成が必要。世代交代や労務管理も重要。3.EMISに関する研究:提案された機能改善は未達成だが、令和6年の能登半島地震では効果的に活用された。地震発生後6時間で医療機関の情報入力率が89%に達した。4.災害時のロジスティックスに関する研究:電源車や給水支援の必要性を指摘。大雨による浸水と停電の被害からライフライン途絶の原因把握が重要。5.日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震への対応に関する研究:寒冷地での災害対応に必要な知識と装備、訓練の重要性が認識された。地域連携BCPの構築が進められた。6.DMATの効果的運用に関する研究:火山噴火時の対策として、長期間自己完結できる資機材の準備と事前の活動方針の周知が必要。7.医療搬送に関する研究:大規模災害時の対応が不十分で、全国統一ガイドラインの必要性が指摘された。8.災害時おける地域包括ケアに関する研究:災害時の支援の難しさや健康支援体制の必要性が明らかになった。9.周産期・小児医療提供体制に関する研究:地域連携BCPの構築に必要な要因を整理し、実災害に基づくリエゾン活動の評価を行った。10.災害診療記録/J-SPEEDに関する研究:訓練準備ガイドやパワーポイント資料などを提供し、医療救護件数の予測と課題の再評価を行った。11.DMAT隊員のメンタルヘルスケアに関する研究:メンタルヘルスチェックの重要性が認識され、研修時に情報を提供するウェブページを作成。12.国際災害医療チームの受援に関する研究:米国との合同訓練を検討し、国際基準の調査を行った。13.ドローンによる災害時情報収集、医薬品、医療資器材等搬送に関する研究:医療ドローンの有効性と課題が確認され、実際の災害での活用が示された。14.クラッシュ症候群に関する研究:CSに関する新たな知見をまとめ、教育システムの構築と広報を行った。15.災害時における医療ニーズとリソースの定量的評価に関する研究:河川氾濫による医療リスクアセスメントを行い、病院被災の経時的程度の定量化を実施。16.大規模災害時における医療コンテナ活用に関する研究:ガイドライン案の作成と離島での平時活用の可能性を示した。
結論
今回のコロナ禍では、研究班が培った災害対応手法が都道府県のコロナ対策本部運営や医療福祉施設のクラスター対応に大いに貢献した。この経験から、地域連携の重要性が改めて認識された。COVID-19対応で得た知見を自然災害対応に活かすことが重要であり、令和6年能登半島地震でもこの経験が活かされた。研究班は国土強靭化基本計画に基づき、医療施設のインフラ強化や広域的な連携体制、医療資源の適切な配分調整などを研究している。今年度は災害医療体制の構築を基に、地域連携BCPのあり方、医療施設のインフラ支援、連携調整ツールの改良、地域ごとの災害種別の医療ニーズ評価などを検討した。これらの研究成果は国土強靭化基本計画の具現化に資すると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202321057Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,901,000円
(2)補助金確定額
15,901,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,551,760円
人件費・謝金 7,080,727円
旅費 1,110,736円
その他 800,777円
間接経費 2,357,000円
合計 15,901,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-06-03
更新日
-