文献情報
文献番号
200936009A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性造血障害に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小澤 敬也(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 赤司 浩一(九州大学大学院 医学研究院)
- 石川 隆之(京都大学大学院 医学研究科)
- 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
- 金倉 譲(大阪大学大学院 医学系研究科)
- 黒川 峰夫(東京大学大学院 医学系研究科)
- 澤田 賢一(秋田大学 医学部)
- 中尾 眞二(金沢大学大学院 医学系研究科)
- 中畑 龍俊(京都大学 iPS細胞研究センター)
- 宮崎 泰司(長崎大学 医学部)
- 村手 隆(名古屋大学 医学部)
- 杉田 稔(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
再生不良性貧血、溶血性貧血、不応性貧血(骨髄異形成症候群MDS)、骨髄線維症を対象疾患とした全国規模の調査研究を、疫学・病因・病態・診断・予後などの幅広い領域にわたって実施した。
研究方法
研究代表者1名、研究分担者11名、研究協力者19名の計31名より構成され、それぞれの疾患領域で研究を立案実施した。
結果と考察
1.再生不良性貧血:(1)臨床調査個人票の改訂案を作成した。(2)共通免疫抑制療法プロトコールによる臨床試験では総計110例の登録がえられた。(3)HSP72に対する自己抗体を検出した。(4)造血抑制機序として、GPIアンカー膜蛋白をレセプターとする造血抑制性サイトカインの関与を提唱した。(5)慢性赤芽球癆では全国アンケート調査をもとに治療実態を解析した。(6)小児骨髄不全症の臨床調査を行い、国内での発生状況を把握した。
2.溶血性貧血: 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)については、新規治療薬(eculizumab)の臨床試験と連携するとともに、クローン拡大機序解明に向けた研究を進めた。自己免疫性溶血性貧血では、赤血球結合IgG(RBCIgG)の年齢別正常値の再評価を行った。
3.不応性貧血: (1)前方視的症例登録、セントラルレビュー、追跡調査研究を継続した。(2)骨髄検査の細胞比率算定方法について全国アンケート調査を行い、診断標準化作業に向けて基本的なデータを収集した。(3)国際MDS予後因子(IPSS)の国際的改訂事業に参加した。(4)成人MDSの造血幹細胞移植適応について移植関係医師へのアンケート調査を計画した。(5)MDS関連転写因子AML1によるNF-kBシグナルの制御機構を解析した。
4.骨髄線維症: 登録症例の5年生存率は40%であった。染色体異常を40%の症例に認め、その解析を行った。造血幹細胞移植の成績についても解析した。
5.その他:鉄過剰症については、体内の鉄動態を検討し、鉄キレート剤の効果を検証する臨床研究を進めた。また、全国の血液疾患診療施設に当研究班の対象とする疾患について診療実態アンケートを依頼し、結果を集計した。
2.溶血性貧血: 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)については、新規治療薬(eculizumab)の臨床試験と連携するとともに、クローン拡大機序解明に向けた研究を進めた。自己免疫性溶血性貧血では、赤血球結合IgG(RBCIgG)の年齢別正常値の再評価を行った。
3.不応性貧血: (1)前方視的症例登録、セントラルレビュー、追跡調査研究を継続した。(2)骨髄検査の細胞比率算定方法について全国アンケート調査を行い、診断標準化作業に向けて基本的なデータを収集した。(3)国際MDS予後因子(IPSS)の国際的改訂事業に参加した。(4)成人MDSの造血幹細胞移植適応について移植関係医師へのアンケート調査を計画した。(5)MDS関連転写因子AML1によるNF-kBシグナルの制御機構を解析した。
4.骨髄線維症: 登録症例の5年生存率は40%であった。染色体異常を40%の症例に認め、その解析を行った。造血幹細胞移植の成績についても解析した。
5.その他:鉄過剰症については、体内の鉄動態を検討し、鉄キレート剤の効果を検証する臨床研究を進めた。また、全国の血液疾患診療施設に当研究班の対象とする疾患について診療実態アンケートを依頼し、結果を集計した。
結論
特発性造血障害に関する調査研究を広範囲に計画・実施し、有用な成果が得られた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-