ポピュレーション戦略及びハイリスク戦略による若者に対するHIV予防啓発手法の開発と普及に関する社会疫学的研究

文献情報

文献番号
200932030A
報告書区分
総括
研究課題名
ポピュレーション戦略及びハイリスク戦略による若者に対するHIV予防啓発手法の開発と普及に関する社会疫学的研究
課題番号
H21-エイズ・一般-014
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
木原 雅子(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻社会疫学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 鬼塚哲郎(京都産業大学文化学部)
  • 西村由実子 (橋本由実子)(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻社会疫学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
Webサイトやピアアプローチによる多様な若者層に対する予防啓発モデルを、社会疫学的手法により開発し普及する。
研究方法
(1)日本人若者の予防介入研究
1)予防啓発用サイト想定利用者における形成調査
某社のモニター登録者(>8万)から、適格条件(高校生を除く18-24歳、主要情報源が携帯あるいはPCサイト)を満たす参加者1032人を対象に知識・行動等に関するオンライン調査を実施した。
2)サイト誘導用カード配布の効果評価
合計12016枚の予防啓発サイト誘導用のQRコード付きカード(注:配布場所毎にQRコードが異なる)を配布し、アクセス率の算出と、アクセス解析を行った。9府県20保健所で、①所内、②成人式等イベント、③大学・専門学校、④高校、⑤街頭で配布し、ピア関連では、⑥ピア配布(友人・サークルでの配布)、⑦大学関係者による学内配布、⑧クラブでの配布を試みた。
(2)滞日外国人若者の予防介入研究
ラテン系外国人若者の文化に適した予防啓発用PCサイトを90名の中高生ピアと開発し、ネットワークを通した普及を試みた。内容は、HIVのみならず、思春期の若者の多様なニーズに沿ったものとした。
結果と考察
日本人若者研究:①性行動は携帯サイト使用群の方が活発だったが、知識は、18歳以上では携帯サイト使用群が、18歳未満男性ではPCサイト使用者が高く、年齢・性別でニーズに違いが見られた。②サイトについては、欲しい情報へのたどりつきやすさ、内容のわかりやすさへの要望が強く、STDの最新治療、STDと不妊の関係、STDとHIV感染の関係に関する情報が重要視されていた。③携帯サイトへのアクセス率は、ピア配布が42.0%で、それ以外は低率(<6%)だった。④アクセス解析では、携帯サイトとPCサイトの直帰率は13.2%、47.2%、平均閲覧頁数は7.54、4.3で、STDや妊娠・中絶に関する頁の閲覧が多かった。
滞日外国人若者研究:ラテン系外国人集住自治体からのアクセスが多く、直帰率30%、平均閲覧頁数5.3頁と良好であった。コンドーム、STD、思春期Q&A、HIV検査機会に関する頁の閲覧が多かった。
結論
予防啓発用サイトとピアアプローチを用いた若者全般への予防啓発戦略に必要な知識・行動等の情報、及び効率的効果的な普及啓発に必要なサイトに関する基礎情報を獲得した。

公開日・更新日

公開日
2010-08-16
更新日
-