保健・医療サービス等における栄養ケアの基盤的研究

文献情報

文献番号
200825023A
報告書区分
総括
研究課題名
保健・医療サービス等における栄養ケアの基盤的研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
須永 美幸(聖徳大学 人文学部 人間栄養学科)
研究分担者(所属機関)
  • 杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 栄養学科)
  • 堤 ちはる(日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部)
  • 市川 陽子(静岡県公立大学法人 食品栄養科学部 栄養生命科学科)
  • 田中 久子(女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科)
  • 森奥 登志江(椙山女学園大学 生活科学部 食品栄養学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、保健・医療サービス等における栄養ケアを担う管理栄養士の育成体制の基盤整備を行うことを目的とする。本年度は、医療サービスにおける栄養ケアの基盤となる人材育成体制について病院管理栄養士を対象に実態調査を行い、課題を分析した。さらに、保健サービスにおける栄養ケアのための行政管理栄養士業務の実態把握を目的とした様式案を開発した。また、昨年度の諸外国における栄養専門職の教育制度に関する調査結果に基づき、先進的な取り組みを行ってきた米国及び豪州国の教育事例ならびに英国の教育体制について調査分析した。
研究方法
①医療サービス:全国から100 床以上の病院を3 割抽出した2,332 施設を対象に、郵送法による自記入式調査を行った。栄養部門長及び病院雇用の常勤管理栄養士3名には、栄養管理業務や管理栄養士を教育するためのプログラム及びキャリアアップ体制等について調査した。②地域保健サービス:行政栄養士業務量調査をもとに把握様式案を作成し、協力の得られた保健所27ヵ所と町村108ヵ所の調査結果に基づき様式案を作成した。③米国及び豪州国の教育事例ならびに英国の教育体制:教育関係者へのインタビューを通じて大学・大学院の入学資格やカリキュラム、プログラムの特徴等について報告書を作成した。
結果と考察
①有効回答は、574 病院(24.6%)、1,282人であった。病院業務は給食管理から栄養管理業務に移行していたが、明文化された教育プログラム及びキャリアアップを支援するシステムを有する病院が少なく、卒後教育及び生涯教育を考えるうえで、課題となることが明らかになった。②行政栄養士の基本指針に基づく業務量把握様式案を開発し、業務内容と業務及び先行事例の収集を行った。これにより、今後の保健サービスにおける実践活動のデータベース化ならびに業務の質の評価を可能にした。③米国、英国及び豪州国における栄養専門職の養成制度は実践を重視した教育であり、栄養ケアの実践能力を到達基準として養成の質を確保・向上させ、社会的ニーズに対応した高度な専門分野に特化した栄養ケアの実践活動を展開するため、学位取得を目的とした大学院教育に多様な教育モデルを導入して積極的に推進していた。
結論
今後、急速に変化する時代に対応すべく保健・医療サービス等を充実させるため、栄養ケアサービスの投入量である業務量に加え、業務の質を評価分析する調査を行うとともに、管理栄養士の専門職としての効果的な育成体制を示すことが求められる。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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