化学物質の経気道暴露による毒性評価手法の開発、高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200736003A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の経気道暴露による毒性評価手法の開発、高度化に関する研究
課題番号
H17-化学-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小川 幸男(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部 )
  • 長野 嘉介(中央労働災害防止協会、日本バイオアッセイ研究センター・試験管理部、病理検査部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
107,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
気化性化学物質の吸入リスク評価の基盤整備として、網羅的な遺伝子発現変動解析手法を吸入毒性学に適用することにより、日常生活に於いて使用、あるいは受動的に暴露される様々な気化性化学物質の安全性確保のための、毒性発現メカニズムに基づいた、より迅速且つ正確・精密な吸入毒性評価システムを作成することを目的とする。このために、シックハウス症候群を念頭に置いた極低濃度吸入暴露実験系を確立し、網羅的遺伝子発現情報を基にした吸入トキシコゲノミクスデータベース(吸入DB)の生成・分析を実施する。
研究方法
研究班は、吸入DBに特化した吸入暴露システムの開発・改良、及び吸入DB生成・分析の2部構成とし、前者についてはマウスを用いた低濃度短期暴露初期応答実験、及び、低濃度持続暴露影響実験の研究、後者は吸入DB生成研究及び、吸入暴露と経口暴露の比較研究による分析促進研究から構成した。
結果と考察
吸入暴露システムの開発・改良研究として、室内濃度指針値を参考に決定したキシレン、スチレン、テトラデカンの極低用量ガスの安定供給可能な条件を設定し、キシレン、スチレンは2時間/日x単回、6時間/日x7日間及び22時間/日x7日間の低濃度吸入暴露を、テトラデカンは2時間/日x単回を実施し、遺伝子発現プロファイルを網羅的に取得した。吸入DB生成・分析研究として、定量性に優れるトキシコゲノミクス手法(Percellome法)を適用して解析し、キシレンにおいて最も顕著に酸化ストレス反応に関わる遺伝子群の発現が上昇していることが示された。また、この反応は持続暴露により減弱する傾向があった。スチレンでは逆に持続暴露により、時間、容量依存的な応答が明瞭になる傾向があった。
結論
本研究で用いた暴露目標値は、器質的な変質を伴わない低濃度吸入暴露域に属する。今年度、スチレン、キシレンのデータ解析が進み、その経気道暴露影響に関わる可能性のある遺伝子発現変化が捉えられた。これらの結果は、これまで捕捉不能であった、器質的な変質を伴わない低濃度吸入暴露による毒性を、遺伝子発現解析を通じて検出することが可能であることを強く示唆するものである。更なる解析とデータの蓄積を続ければ、肺を第一の標的とした影響のみならず、血液を介した全身影響、あるいは嗅覚を介した神経影響等を包括的に評価することが可能となると期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200736003B
報告書区分
総合
研究課題名
化学物質の経気道暴露による毒性評価手法の開発、高度化に関する研究
課題番号
H17-化学-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小川 幸男(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
  • 長野 嘉介(中央労働災害防止協会、日本バイオアッセイ研究センター・試験管理部、病理検査部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
気化性化学物質の吸入リスク評価の基盤整備として、網羅的な遺伝子発現変動解析手法を吸入毒性学に適用することにより、日常生活に於いて使用、あるいは受動的に暴露される様々な気化性化学物質の安全性確保のための、毒性発現メカニズムに基づいた、より迅速且つ正確・精密な吸入毒性評価システムを作成することを目的とする。このために、シックハウス症候群を念頭に置いた極低濃度吸入暴露実験系を確立し、網羅的遺伝子発現情報を基にした吸入トキシコゲノミクスデータベース(吸入DB)の生成・分析を実施する。
研究方法
研究班は、吸入DBに特化した吸入暴露システムの開発・改良、及び吸入DB生成・分析の2部構成とし、前者についてはマウスを用いた低濃度短期暴露初期応答実験、及び、低濃度持続暴露影響実験の研究、後者は吸入DB生成研究及び、吸入暴露と経口暴露の比較研究による分析促進研究から構成した。
結果と考察
吸入暴露システムの開発・改良研究として、現有暴露施設の低濃度暴露施設への改修、室内濃度指針値から決定したホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、スチレン、テトラデカンの極低濃度ガスの安定供給条件の設定、2時間/日x単回、6時間/日x7日間及び22時間/日x7日間の低濃度吸入暴露実験を実施し(テトラデカンは単回のみ)、遺伝子発現プロファイルを網羅的に取得した。吸入DB生成・分析研究として、定量性に優れるトキシコゲノミクス手法(Percellome法)を適用して解析し、ホルムアルデヒドについて暴露経路に依存した異物代謝系、エネルギー代謝系、DNA修復系に関わる遺伝子群の肺、肝での変化、肺での7日間暴露において、びまん性肺胞障害や器質化肺炎に関係するスロンボスポンジン1の肺での発現変化が捉えられた。また、キシレンにおいて酸化ストレス反応に関わる遺伝子群の発現の顕著な上昇、その持続暴露による減弱傾向、スチレンでは逆に持続暴露による、時間、容量依存的な応答の明瞭化傾向が認められた。
結論
器質的な変質を伴わないため、これまで捕捉不能であった低濃度吸入暴露による生体影響を、遺伝子発現解析により検出可能であることが示された。更なる解析とデータの蓄積を続けることにより、肺を第一の標的とした影響のみならず、血液を介した全身影響、あるいは嗅覚を介した神経影響等を包括的に評価することが可能となると期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200736003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
器質的な変質を伴わないため、これまで捕捉不能であった低濃度吸入暴露による生体影響が遺伝子発現解析により検出可能であることが示された。これにより、シックハウス症候群など、従来の動物試験での症候検出可能濃度とヒトに於いて報告される症候発現濃度の隔たりが指摘されてきた課題克服の端緒が得られた。更なる解析とデータの蓄積を続けることにより、肺を第一の標的とした影響のみならず、血液を介した全身影響、あるいは嗅覚を介した神経影響等を包括的に評価することが可能となると期待される。
臨床的観点からの成果
特になし
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
特になし
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
13件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
26件
学会発表(国際学会等)
11件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
なし
なし
なし

公開日・更新日

公開日
2013-04-02
更新日
-