再生・移植医療の現状と将来に向けての国際比較

文献情報

文献番号
200706030A
報告書区分
総括
研究課題名
再生・移植医療の現状と将来に向けての国際比較
課題番号
H19-再生-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
田中 紘一(財団法人 先端医療振興財団 先端医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 浅原 孝之(財団法人先端医療振興財団先端医療センター)
  • 加藤 俊一(東海大学医学部基盤診療学系)
  • 小林 英司(自治医科大学分子病態治療研究センター)
  • 猪股 裕紀洋(熊本大学大学院医学薬学研究部)
  • 町野 朔(上智大学法学部)
  • 竹内 一夫(杏林大学)
  • 武下 浩(宇部フロンティア大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最近の大きな動向は、臓器移植に関するWHOの指針および国際移植学会(TTS)の方針への各国の対応である。これらの動向はわが国の臓器移植の体制やあり方にも大きな影響を与える。したがって、これらの一連の現状を調査し、国際比較する。再生医療は、すでに先進医療として産業化の段階にあるものまでまちまちである。そこで、各国の抱えている問題や障害について国際比較して再生医療の実現化に貢献する。
研究方法
移植医療の国際比較は、学術集会への参画、国際学会事務局への問い合わせ、UNOS、ユーロトランスプラントセンターの情報収集、東アジア地域では現地での情報収集を行った。
再生医療の国際比較は、ベンチャー企業の情報ネットワークを利用することと各国の政策と取組み、アカデミアの開発動向を学会参画と海外出張で現地調査した。
結果と考察
Ⅰ.臓器移植
2007年国際移植学会は、各国での移植推進への自助努力推進を声明した。今回シンガポールは、アジア初めての推定同意を導入した。中国は新制度で多くの課題を持っている。フィリピンは、生体間移植の斡旋に公的関与を検討している。タイ、韓国、台湾の資料では、その戦略と実績を収集した。ドイツ、韓国、イギリスにおける脳死および生体間移植法さらには組織移植法(再生医療と関係)の法律の現状と抱えている課題、今後の動向を調査した。イギリスでは、タクスフォースが政府に対し14の勧告をし、5年間で提供件数を50%増加と見積もっている。オプトアウトシステム導入を検討中である。先進国でも、生体間移植に関する違いがあることが解った。小児における脳死判定基準に関する研究は①判定基準の再検討、検査項目の検討、②外国とくにアジアの小児脳死判定基準を調べた。③判定基準の周辺課題の文献的資料収集を行った。
Ⅱ・再生医療
国内の臨床到達分野、産業化へ向けた国内外の取り組みを調査した。アカデミア、行政、企業の抱える課題を調べた。またトムソンコーポレーション株式会社に委託して、各国のこの分野の特許・知財の状況、実現化への各国の規制・倫理等を調査した。
結論
わが国では臓器移植法のまさに改正時期である。各国の動向をさらに調査研究する必要がある。再生医療実現化は各国共通の課題であり、その体制構築を急がねばならない。

公開日・更新日

公開日
2008-06-05
更新日
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