医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200634078A
報告書区分
総括
研究課題名
医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-047
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修平(社団法人全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 西澤 寛俊(社団法人全日本病院協会 )
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 永井 庸次(㈱日立製作所水戸総合病院)
  • 成松 亮(㈱NTTPCコミュニケーションズ)
  • 小谷野 圭子(練馬総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医療の質や安全性向上には、個々の事例に基づく対策のみでは不十分であり、診療業務プロセスの面から体系的に安全性の分析を行うことが必要である。
 本研究では、過去の研究成果ならびに平成17年度の研究の成果をもとに、医療の安全性に関する体系的な分析を行い、医療の質向上および安全確保に寄与する情報システム機能の導出について研究し、さらに、アンケートによる医療の情報化の実態調査を行った。
研究方法
 これまでの研究(平成15~16年度「電子カルテ導入における標準的な業務フローモデルに関する研究」)および平成17年度に開発した薬剤および手術に関する一連の業務フローモデルを使い、従業者の各行為において生じる可能性のある誤りに着目し、影響、原因の分析、誤りを防ぐための対策の導出方法に関する研究を行った。また、医療の情報化の現状については、全国の病院(400床以上、全日本病院協会会員)を対象にアンケート調査を実施し、その実態を明らかにした。
結果と考察
(1)業務フローモデルに基づく安全性の分析
 薬剤部門では医薬品というモノを扱うことから、総体的には情報システムによる操作者の支援が難しく、自動化機器等の高度化により作業誤りを減少させる方が効果的である。手術部門では、患者監視装置等のセンサーにより把握した患者状態情報に基づく各種チェックや支援情報提供機能を備えたシステムを開発することが、効果的であると考えられる。
(2)アンケート調査
 38.3%(1108/2891)より回答を得た。病床規模が大きな病院では情報システムの電子化、統合化がより進んでいる傾向にあること、「オーダーエントリー」を導入している病院が44.9%、「バーコード等の患者認証の電子的仕組み」を有する病院が21.1%あること、「電子化された診療情報の同一法人内あるいは地域の他の施設との共有」が可能な病院が26病院あることが明らかにされた。
結論
 部門内では多くの行為が医薬品や患者を扱うために、情報システム単独での支援は困難である。また、誤りについては扱う医薬品や術式によって被害(二次影響)の大きさが異なるため、対策の適用判断は被害の大きさを含めた基準を設けるべきである。今回の研究では医薬品や術式の種類に基づく分析は行っておらず、今後の課題としたい。

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200634078B
報告書区分
総合
研究課題名
医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-047
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修平(社団法人全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 西澤 寛俊(社団法人全日本病院協会 )
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 永井 庸次(㈱日立製作所水戸総合病院)
  • 成松 亮(㈱NTTPCコミュニケーションズ)
  • 小谷野 圭子(練馬総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医療の質や安全性向上には、個々の事例に基づく対策のみでは不十分であり、診療業務プロセスの面から体系的に安全性の分析を行うことが必要である。また、情報システムの支援を得ることが必要である。
 本研究では、業務フローモデルをもとに、医療の安全性に関する体系的な分析を行い、医療の質向上および安全確保に寄与する情報システム機能の導出について研究した。
研究方法
 対象分野として薬剤および手術に関する一連の業務プロセスを選定した。安全性の分析は業務フローモデルの各行為において生じる可能性のある誤りに着目し、影響、原因の分析、誤りを防ぐための対策の導出方法に関する研究を行った。また、全国の病院(400床以上、全日本病院協会会員)を対象に、アンケート調査を実施し、医療電子化の実態を明らかにした。
結果と考察
(1)薬剤及び手術部門の業務フローモデルの開発
 薬剤部門および手術部門内の業務プロセスでは、診療部門等と較べ、調剤や手術の実施など情報以外を扱う場面が多いことから、情報システム導入前後で違いが少なく、比較的導出が容易である。
(2)業務フローモデルに基づく安全性の分析
 薬剤部門では医薬品というモノを扱うことから、総体的には情報システムによる操作者の支援が難しく、自動化機器等の高度化により作業誤りを減少させる方が効果的である。手術部門では、患者監視装置等のセンサーにより把握した患者状態情報に基づく各種チェックや支援情報提供機能を備えたシステムを開発することが、効果的であると考えられる。
(3)アンケート調査
 38.3%(1108/2891)より回答を得た。病床規模が大きな病院では情報システムの電子化、統合化がより進んでいる傾向にあること、「オーダーエントリー」を導入している病院が44.9%、「バーコード等の患者認証の電子的仕組み」を有する病院が21.1%あること、「電子化された診療情報の同一法人内あるいは地域の他の施設との共有」が可能な病院が26病院あることが明らかにされた。
結論
 部門内では多くの行為が医薬品や患者を扱うために、情報システム単独での支援は困難である。また、誤りについては扱う医薬品や術式によって被害(二次影響)の大きさが異なるため、対策の適用判断は被害の大きさを含めた基準を設けるべきである。今回の研究では医薬品や術式の種類に基づく分析は行っておらず、今後の課題としたい。

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634078C