松戸市における認知症、寝たきり高齢者の実態調査と早期対応の研究

文献情報

文献番号
200619081A
報告書区分
総括
研究課題名
松戸市における認知症、寝たきり高齢者の実態調査と早期対応の研究
課題番号
H18-長寿-一般-023
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
服部 孝道(千葉大学医学研究院神経病態学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
11,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
松戸市小金原地区で在宅介護している者と被介護者を対象として介護状況のアンケート調査を行って実態を明らかにする。また、比較的健康な住民を対象として調査と介入を行い、認知症、うつ状態、転倒骨折の危険性がある者の早期診断、早期介入の意義を明らかにする。
研究方法
[1] 介護状況アンケート調査
家庭で介護している者、介護されている者を対象として介護状況のアンケート調査を行う。
[2] 健康度測定調査
65歳以上の比較的健康な住民を対象として、認知症とうつ状態のスクリーニングテスト、運動能力測定を行う。2. 認知症、うつ状態、運動能力低下が疑われる者に来院を促し、診断を確定する。
  軽度認知障害、うつ状態、運動能力低下による転倒骨折予備軍と診断された者に、週1-2回程度の健康増進プログラムに参加するように呼びかける。1年後に、再び健康度測定を行う。軽度認知障害者については、認知機能テストなどを再度行う。これらの結果から、健康増進プログラムの効果を評価する。
結果と考察
[1]介護状況アンケート調査
 小金原地区29の自治会を通じて11048世帯に事前調査を行い、介護状況の調査を行ったが、回答が得られたのは78件に留まった。全般的介護負担感は非常に大きな負担が14.1%、かなりの負担が19.2%と負担感が大きいと感じている介護者が33.3%に上った。被介護者のADLおよび認知障害の程度と介護負担感には一定の相関(それぞれn=59, r=-0.363, p<0.01; n=47, r=0.388, p<0.01)が見られた。
[2]健康度測定調査
 住民328人を対象に一次測定を実施し、集団検査で低下がみられた143人について医師が診察した。その結果、軽度認知障害と診断された者は12人、転倒の危険度が高いと判断された者は24人、うつ状態と判断されたのが5人であった。
結論
 介護状況アンケート調査から、介護保険サービスが利用できても介護者の負担は依然として大きく、地域において介護負担を軽減するようなソフト面でのまちづくりが必要と考えられた。
 健康度測定調査については、現在グループ活動による介入を実施中であり、1年後にその効果を判定する予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-19
更新日
-