内分泌かく乱化学物質の生体影響メカニズム(低用量効果・複合効果を含む)に関する総合研究

文献情報

文献番号
200501161A
報告書区分
総括
研究課題名
内分泌かく乱化学物質の生体影響メカニズム(低用量効果・複合効果を含む)に関する総合研究
課題番号
H16-化学-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
井上 達(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • ( )
  • ( )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
68,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
世界保健機構の化学物質安全計画は2002年、内分泌かく乱化学物質問題を既知の事象として、これへの注目を促した。本研究課題では従前に引きつづきこのものの生物学的蓋然性に立脚し、それらの高次生命系におけるかく乱作用の背景にある分子機構や核内受容体へのシグナルネットワークを中軸として、内分泌系、神経系、免疫系への影響メカニズムの解明に向けて統一的に研究を進め、以て施策の科学的基盤整備に資することを目標として研究を進めてきた。高次系における特徴として知られる、発生プログラムや生殖面などの時間軸やメモリー機構への影響などに注意を払いつゝ、現実課題になっている低用量効果・複合効果については、引き続きプロジェクト研究として、ホメオステーシスの背景に潜伏する比較的低レベルの生体影響をも視野に入れることなどを留意点としている。
研究方法
プロジェクト課題研究では、1.リスク評価情報収集、2.食物等中の異物受容体結合物の調査、3.エストロジェンの成長初期の前立腺への影響、及び4.低用量発がん、の4課題について、1.と2.は文献検索、3.と4.は実験を行った。また、基盤研究では、生殖・ステロイド代謝部門、免疫部門、神経・行動部門、核内レセプター部門の各部門に分かれて実験を行った。前立腺影響研究など3研究については、マイクロアレイ解析による支援を行った。
結果と考察
プロジェクト課題研究ではリスク調査研究と試験研究に分かれ、ここでは前立腺に対するエストロジェン様物質の不可逆性変化の惹起などの結果が注目された。基盤研究では高次生命系に対する研究をすすめ生殖器系のもろもろの部位で種々のSXR等核内受容体の介在が確認される等反応の多様性の基礎が見出された。
結論
プロジェクト課題では緊要性のある調査ならびに実験を行い行政的ニーズに応えてきた。発がん性リスクなど最終年度に向けて区切りをつけるべき課題が指摘されている。基盤研究ではホルモン受容体の発現調節機序などについての研究を進め、生体反応機構に対する理解が大きく進展した。

公開日・更新日

公開日
2006-05-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-11-28
更新日
-