抗菌加工製品における安全性評価及び製品情報の伝達に関する調査研究

文献情報

文献番号
200501149A
報告書区分
総括
研究課題名
抗菌加工製品における安全性評価及び製品情報の伝達に関する調査研究
課題番号
H15-化学-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
鹿庭 正昭(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 晴信(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 五十嵐 良明(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 林 真(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 清水 充(大阪市立環境科学研究所)
  • 高鳥 浩介(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗菌剤・抗菌加工製品を取り巻く現状の把握、抗菌剤の優先順位リストの作成、抗菌加工製品における安全確保のための取り組みを検討し、家庭用品に含有される抗菌剤による健康被害防止に資する。
研究方法
平成17年度では、 抗菌剤・抗菌加工製品を取り巻く現状の把握を継続して進めるとともに、抗菌剤の優先順位リストの作成、抗菌剤の毒性評価法、抗菌加工製品における曝露評価法に関する検討を実施した。
結果と考察
毒性評価法に関して、(1)内分泌かく乱性では20種のうち12種がレセプター活性が陽性であった、(2)定量的構造活性相関(QSAR)によって、抗菌剤の変異原性、皮膚感作性が予測可能であることが示された、(3)抗菌剤への長期継続曝露による抵抗性は耐性ではなく、抵抗あるいは馴化によることが確認できた、(4)皮膚常在菌のバランスが崩れて真菌症が発現する可能性が示唆された。
 抗菌加工製品の曝露評価法に関して、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出挙動は、抗菌剤のタイプ(無機系、有機系・天然有機系)、製品の材質によって変化することが確認できた。すなわち、抗菌加工製品の材質、使用されている抗菌剤のタイプに沿って、抗菌加工製品の用途に伴う曝露ルートを想定し、汗、唾液を通じた曝露量を的確に把握できるように、ヘキサン、20%エタノール、人工汗、人工唾液等から、適切な溶出溶媒を選択して溶出試験を実施することが重要であることが確認できた。
結論
抗菌剤の毒性(ハザード)評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることによって、「抗菌加工製品に関する曝露評価ガイドライン」、「抗菌加工製品に関する安全確保マニュアル作成の手引き」の作成に向けた取り組みを効率的に進めていくことに資することができる。

公開日・更新日

公開日
2006-10-18
更新日
-

文献情報

文献番号
200501149B
報告書区分
総合
研究課題名
抗菌加工製品における安全性評価及び製品情報の伝達に関する調査研究
課題番号
H15-化学-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
鹿庭 正昭(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 晴信(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 五十嵐 良明(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 林 真(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 清水 充(大阪市立環境科学研究所)
  • 高鳥 浩介(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗菌剤・抗菌加工製品を取り巻く現状の把握、抗菌剤の優先順位リストの作成、抗菌加工製品における安全確保のための取り組みを検討し、家庭用品に含有される抗菌剤による健康被害防止に資する。
研究方法
抗菌剤・抗菌加工製品を取り巻く現状把握のための実態調査、抗菌加工製品による健康被害の発生実態・原因究明調査、抗菌剤の優先順位リストの作成、抗菌剤の毒性評価法、抗菌加工製品における曝露評価法に関する検討を実施した。
結果と考察
衣類、身の回り品、手袋、塗料、接着剤等として抗菌加工製品が市販されていた。無機系、有機系、天然有機系抗菌剤が主に使用されていた。有機系抗菌剤による抗菌加工製品によるアレルギー性接触皮膚炎事例が複数発生していた。一方、皮膚感作性等の有害性情報、健康被害事例の発生実態等が製品表示に具体的に記載されていない等、抗菌剤・抗菌加工製品に関する有害性情報が消費者に十分伝達されていなかった。
毒性評価法に関して、(1)変異原性では、染色体異常試験では約8割が陽性を示した、(2)皮膚感作性ではモルモットマキシミゼーション( GPMT)法により約8割が陽性を示した、(3)ほとんどが強い細胞毒性を示した、(4)生殖・発生毒性では、1種のみに骨格奇形が認められ、内分泌かく乱性では20種のうち12種がレセプター活性が陽性であった、(5)定量的構造活性相関(QSAR)によって、抗菌剤の変異原性、皮膚感作性が予測可能であることが示された、(6)抗菌剤への長期継続曝露による抵抗性は耐性ではなく、抵抗あるいは馴化によることが確認できた、(6)皮膚常在菌のバランスが崩れて真菌症が発現する可能性が示唆された。
抗菌加工製品の曝露評価法に関して、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出挙動は、抗菌剤のタイプ(無機系、有機系・天然有機系)、製品の材質によって異なることが確認できた。
結論
抗菌剤の毒性評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることによって、「抗菌加工製品に関する曝露評価ガイドライン」、「抗菌加工製品に関する安全確保マニュアル作成の手引き」の作成に向けた取り組みを効率的に進めていくことに資することができる。

公開日・更新日

公開日
2006-10-18
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501149C

成果

専門的・学術的観点からの成果
抗菌剤の毒性評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることができた。
臨床的観点からの成果
抗菌剤の毒性評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることによって、抗菌剤の溶出に伴うアレルギー性接触皮膚炎等の健康被害の発生防止に資することができた。
ガイドライン等の開発
抗菌剤の毒性評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることによって、「抗菌加工製品に関する曝露評価ガイドライン」の作成に向けた取り組みを効率的に進めていくことに資することができた。
その他行政的観点からの成果
抗菌剤の毒性評価とともに、抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出に伴う曝露評価について、汎用される抗菌剤のタイプ、製品の材質、用途に沿って抗菌加工製品を用いた溶出試験法をさらに改良し、評価法としての精度を向上させることによって、「抗菌加工製品に関する安全確保マニュアル作成の手引き」の作成に向けた取り組みを効率的に進めていくことに資することができた。
その他のインパクト
平成17年度厚生労働省科学研究(化学物質リスク研究推進事業)シンポジウム「幼児の発育と化学物質」(平成17年11月25日、富山市;平成18年2月24日、東京都)において、一般講演として「抗菌加工製品の安全性」と題して口演を行った。

発表件数

原著論文(和文)
13件
原著論文(英文等)
5件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
24件
学会発表(国際学会等)
6件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
平成17年度厚生労働省科学研究(化学物質リスク研究推進事業)シンポジウムでの口演

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2013-04-02
更新日
-