集中治療部(ICU)における医療安全管理指針策定に関する研究

文献情報

文献番号
200501305A
報告書区分
総括
研究課題名
集中治療部(ICU)における医療安全管理指針策定に関する研究
課題番号
H16-医療-039
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
前川 剛志(山口大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 妙中 信之(宝塚市立病院)
  • 氏家 良人(岡山大学医学部)
  • 行岡 秀和(行岡医学研究会行岡病院)
  • 眞鍋 佳子(岡山大学医学部附属病院)
  • 境 美代子(特定医療法人財団五省会西能病院)
  • 加納 隆(三井記念病院)
  • 大西 芳明(徳島大学病院)
  • 中島 和江(大阪大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
集中治療医学分野、特にその実践の最前線である集中治療室(以下、ICU)においては、日々、重篤な患者に対して、高度な医療を提供している。ICUでは多くのスタッフが非常に複雑な業務を効率よく行うことが求められ、高度な医療機器が多数稼働しており、これらの管理についても注意を要する。即ち、医療事故やヒヤリ・ハット事例が多発しやすい典型的な環境にある。しかしながら、このような診療特性に応じた安全管理指針の全国標準といえるものが現時点ではなく、その策定が急務となっている。平成17年度には会員施設を対象としたアンケート調査を通じて実態を把握し、諸外国の施設を実地調査した。これらのデータを分析・評価して、ICUにおける具体的な医療安全管理指針を策定する。
研究方法
1)欧米のICU施設の視察を行い、日本との比較を行う。
2)日本集中治療医学会危機管理委員会、同看護部会による「ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケート調査」の結果を解析し、検討を行った。
3)上記の検討から集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(案)を策定した。
結果と考察
1)諸外国のICUにおける医療安全管理体制の視察
 北欧・北米ともに日本に比べ、医療安全管理体制については先進してICU全体の医療安全管理ガイドラインは策定されている部分もあるが、全般的には体制作りの途上であり、ガイドラインに添って安全管理が実践されている施設も多くない、機器管理など専門の職員が配置されコンピュータによるチェック機能など様々な工夫がされている施設はあったが、現場の臨床工学技士等の努力によるところが大であった。
2)「ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケ-ト調査」の結果についての検討
 日本集中治療医学会専門医研修施設(190施設)に対して「ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケ-ト調査」を行い、123施設(65%)より回答を得た。全ヒヤリ・ハット発生率/患者/日は、1%未満:18%、1%?2%:25%であったが、10%以上の施設も9%あった。
3)集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(ガイドライン)(案)策定
 上記および前年度のアンケート調査結果により、集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(案)の策定を行い、検討作業部会へ報告した。
結論
海外ICU施設の視察及び、ICU施設からのアンケート調査結果により、医師、看護師、臨床工学技士それぞれの分野での安全管理についての対策と検討を行い、集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(案)を策定することができた。

公開日・更新日

公開日
2007-06-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200501305B
報告書区分
総合
研究課題名
集中治療部(ICU)における医療安全管理指針策定に関する研究
課題番号
H16-医療-039
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
前川 剛志(山口大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 妙中 信之(宝塚市立病院)
  • 氏家 良人(岡山大学医学部)
  • 行岡 秀和(行岡医学研究所行岡病院)
  • 眞鍋 佳子(岡山大学医学部附属病院)
  • 境 美代子(特定医療法人財団五省会西能病院)
  • 加納 隆(三井記念病院)
  • 大西 芳明(徳島大学病院)
  • 中島 和江(大阪大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 集中治療室(ICU)においては、日々重篤な患者に対して、高度な医療を提供している。ICUでは多くのスタッフが非常に高度で複雑な業務を効率よく行うことが求められ高度な医療機器が多数稼働しているが安全管理指針の全国標準といえるものが現時点ではなく、その策定が急務となっている。
 本研究では、アンケート調査や諸外国の施設を実地調査したデータを分析・評価して、ICUにおける具体的な医療安全管理指針(案)を策定することが目的である。
研究方法
1)日本集中治療医学会の会員が所属するICUを対象として、施設名を伏したヒヤリ・ハットレポートを集計し、危険因子を抽出した。
2)会員施設を対象としたアンケート調査を通じて、ヒヤリ・ハット以外の実態の把握を行った。
3)上記1、2について、評価・分析を行い、平成17年度には諸外国を実地調査した。それらをまとめて日本人の考え方と時代に則したICUの医療安全管理指針(案)を策定する。
結果と考察
1)平成16年度インシデントのアンケート調査
 看護では、病棟における通常の看護ケア以外の項目における発生が特徴的である。医療機器では一部中央管理している施設が多かったが、大部分を中央管理している施設は18%に過ぎなかった。
2)諸外国のICUにおける医療安全管理体制の視察
 北欧・北米ともに日本に比べ、医療安全管理体制については先進してICU全体の医療安全管理ガイドラインは策定されているが,ガイドラインに添って安全管理が実践されている施設は少ない。機器管理は現場の臨床工学技士等の努力によるところが大であった。
3)「ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケ-ト調査」の結果
 日本集中治療医学会専門医研修施設(190施設)に対して「ICUにおけるヒヤリ・ハット事例に関するアンケ-ト調査」を行い、123施設(65%)より回答を得た。全ヒヤリ・ハット発生率/患者/日は、1%未満:18%、1%?2%:25%であったが、10%以上の施設も9%あった。看護師数の多くICU病床数の多い施設、および少人数のICUではヒヤリ・ハット発生率が少なかった。
4)集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(ガイドライン)(案)策定
 上記結果により、集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(案)の策定を行い、検討作業部会へ報告した。
結論
海外ICU施設の視察及び、国内のICU施設からのアンケート調査結果により、医師、看護師、臨床工学技士それぞれの分野における医療安全管理について検討を行い、「集中治療室(ICU)における医療安全管理指針(案)」を策定することができた。

公開日・更新日

公開日
2007-06-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501305C