児童福祉施設等職員の資質向上に関する研究

文献情報

文献番号
200500413A
報告書区分
総括
研究課題名
児童福祉施設等職員の資質向上に関する研究
課題番号
H16-子ども-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
金子 恵美(日本社会事業大学 社会福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 石井哲夫(社会福祉法人嬉泉)
  • 森上史朗(子どもと保育総合研究所)
  • 増田まゆみ(目白大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、次世代育成支援にあたって、保育・教育及び子育て家庭を支援する専門職に求められる知識・技能の内容を明らかにし、この結果に基づいて、保育・教育・子育て支援を行う児童福祉施設等に必要とされる専門性と専門職、及びその養成教育・現任研修について、提言することにある。
研究方法
1.英国における保育・教育・家族援助サービスの統合化・地域の多岐にわたる専門職が協働するための方法に関する情報収集・分析
2.地方自治体へのアンケート及びヒアリング
3.現任研修の方法の開発と効果測定
4.保育士・幼稚園教諭・近接領域の専門職の養成教育課程の分析
 
結果と考察
1.保育士・幼稚園教諭養成教育課程への提言
各教育課程に求められる内容と両者に共通して今後に求められる内容を抽出した。
2.保育士養成教育課程における他の専門職とのリンク
児童福祉施設職員が子どもの発達支援・自立支援という専門性を高めるためには、それぞれの専門職が築いてきた固有の専門性を軸として、そこに保育・教育・子育て支援の専門性を連動させて高めていくことが重要であり、これによって幅広い他職種と連携することができる素養や柔軟性も培われる。このために保育士の教育課程は、幼稚園教諭にとどまらず、近接領域の専門職とのリンクを深めていくことが求められる。また、保育士資格のステップ・アップのシステムづくりは、今後の重要な課題である。
3.多職種・近接領域間の合同研修の方法と意義を検証
他職種・近接領域間の合同研修は、相互に影響しあうことによって、固有の専門性を高めると同時に新たな専門性を付加することにつながる。また、子どもの自立支援・家庭支援に際しては、多職種間での連携が不可欠となっているが、合同研修によって、相互理解が深まり、実際の業務での協働が可能となる。
結論
地域のニーズを横割りにして各児童福祉施設等ごとに対応していることが、援助の質・アクセスビリティ・一貫性の向上を妨げている。地域に身近な場でユニバーサルサービスと問題解決型のアプローチをリンクさせ、潜在化したニーズも見落とさずに確実に援助につなげていく仕組みが必要である。このために多様な職種の配置と協働、子どもと家庭のニーズやリスクをアセスメントできる新たな専門性や専門的援助につなげていく力が求められる。特に保育・教育・保健医療の連携を進めていくことが不可欠である。また、実践を理論的に検証し、これに基づいてさらに実践を高めていく(エビデンス・ベースド・プラクティス)ためには、教育・研究と実践とが連動し両者が相互に高めあう仕組みが求められる。

公開日・更新日

公開日
2006-09-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200500413B
報告書区分
総合
研究課題名
児童福祉施設等職員の資質向上に関する研究
課題番号
H16-子ども-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
金子 恵美(日本社会事業大学 社会福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 石井哲夫(社会福祉法人 嬉泉)
  • 森上史朗(子どもと保育総合研究所)
  • 増田まゆみ(目白大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、次世代育成支援にあたって、保育・教育及び子育て家庭を支援する専門職に求められる知識・技能の内容を明らかにし、この結果に基づいて、保育・教育・子育て支援を行う児童福祉施設等に必要とされる専門性と専門職、及びその養成教育・現任研修について、提言することにある。
研究方法
(平成16年度)
1.先行研究の収集・分析
2.英国のチルドレンズセンター、及びその職員資質等に関する情報収集・分析
3.保育・教育・子育て支援を統合した機能を持つ施設における事例研究
(平成17年度)
1.英国における保育・教育・家族援助サービスの統合化・地域の多岐にわたる専門職が協働するための方法に関する情報収集・分析
2.地方自治体へのアンケート及びヒアリング調査
3.現任研修の方法の開発とその効果測定
4.保育士・幼稚園教諭・近接領域の専門職養成教育課程の分析
結果と考察
(平成16年度)
 従来のように対象や専門性を細分化した“点”としての支援では、制度の網の目からこぼれ落ちる子どもと家庭があり、地域をベースとし、多様な機能を統合化して子どもと家庭への支援を実現することが求められる。このためには保育・教育・子育て支援を統合化した施設には、多彩な専門職の連携とコーディネーターが不可欠である。
(平成17年度)
 保育士・幼稚園教諭養成教育課程に共通して今後に求められる保育・教育・ソーシャルワークの内容を拡充する一方で、近接領域の専門職と教育課程のリンクを図っていくことが求められる。また保育士資格のステップ・アップのシステムづくりは、教育・研究と実践とが連動し両者が相互に高めあうためにも不可欠である。
さらに幼保一体化園における実践研究・ロールプレイ・ケース検討会・他職種間の合同研修によって、固有の専門性を高めると同時に新たな専門性を付加できることがわかった。
結論
地域のニーズを横割りにして各児童福祉施設等ごとに対応していることが、援助の質・アクセスビリティ・一貫性の向上を妨げている。ユニバーサルサービスと問題解決型のアプローチをリンクさせ、潜在化したニーズも見落とさずに確実に援助につなげていく仕組みが必要である。このために地域に身近な場での保育・教育・保健医療の連携、多様な職種の配置と協働、アセスメントや専門的援助につなげていく資質が求められる。
また実践を理論的に検証し、これに基づいてさらに実践を高めていく(エビデンス・ベースド・プラクティス)ためには、教育・研究と実践とが連動し両者が相互に高めあう仕組みが求められる。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500413C

成果

専門的・学術的観点からの成果
今日、地域においてユニバーサルサービスと問題解決型のアプローチをリンクさせ、潜在化したニーズを見落とさずに、確実に専門的援助につなげていく仕組みを取り入れることが求められる。このためには児童福祉施設等職員が保育・教育・家族援助の素養を高めることに加えて、多様な職種と協働する力、子どもと家庭のニーズやリスクをアセスメントできる専門性、利用者が本来必要としている専門的援助につなげていく能力等、新たな資質の開発・向上が不可欠であることがわかった。
臨床的観点からの成果
スペシフィックな資質の向上には教育・研究と実践との連携が不可欠であり、実践を理論的に検証しこれに基づいてさらに実践を高めていく仕組みが求められる。本研究では職員の資質向上について養成教育と現任教育の両面から検討し、この両者が連携するシステムや、保育・教育・家族援助の専門性を高めるため、あるいは地域の連携を高めるための現任研修の方法を明らかとした。
ガイドライン等の開発
下記、現任研修のガイドラインの開発。これら現任研修に関しては、全国の保育所・幼稚園・総合施設・市区町村等から反響を得ている。
1)幼保一体化園での実践研究(園内研修)
2)家族援助に関する研修(講義と演習/ロールプレイ・ケース検討)
3)職種協働を進める実践事例検討会(講義と演習)
その他行政的観点からの成果
1.保育士・幼稚園教諭養成教育及び近接領域の専門職とのリンクについての提言
2.多職種間の連携のあり方への提言
3.新たな専門性を確保するための研修システムの構築
具体的には、下記に活用できる
①総合施設において、保育士・幼稚園教諭・その他の専門職が相互理解を深め、協働する
②保育所・幼稚園・小学校間の連携に際して、保育士・幼稚園教諭・その他の専門職が相互理解を深め、協働する
③地域で子育て支援・虐待予防を行うために必要とされる、子育て支援力・他機関との連携力を獲得する
その他のインパクト
日本保育学会における自主シンポジウムの開催

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
日本保育学会自主シンポジウムの開催
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
50件
児童福祉施設等職員の現任研修

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-