文献情報
文献番号
200500285A
報告書区分
総括
研究課題名
脳卒中危険因子・発症・要介護・医療費に関する大規模縦断研究
課題番号
H17-長寿-025
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小川 彰(岩手医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 坂田 清美(岩手医科大学 医学部)
- 岡山 明(国立循環器病センター 循環器病予防検診部)
- 寺山 靖夫(岩手医科大学 医学部)
- 安村 誠司(福島県立医科大学 医学部)
- 中村 元行(岩手医科大学 医学部)
- 樋口 紘(岩手県立中央病院)
- 吉田 雄樹(岩手医科大学 医学部)
- 赤羽 卓朗(岩手県 保健福祉部)
- 田澤 正光(岩手県 盛岡保健所)
- 橋本 功(岩手県 二戸保健所 久慈保健所)
- 小泉 明(岩手県 宮古保健所)
- 小野田 敏行(岩手医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
要介護状態と医療費の抑制はわが国において喫緊の課題であるが、要介護に至る原因疾患と社会的な負荷に関する包括的な研究はみられない。本研究では要介護の最大の原因疾患である脳卒中について大規模な前向き研究を実施し、健康診断データと脳卒中の発症及び要介護について順序を踏まえた検討を行って、脳卒中が社会に与える負荷について総合的評価を実施する。
研究方法
平成14年から17年にかけて岩手県北の二戸、久慈および沿岸の宮古の3保健医療圏17市町村において開始時調査を実施して設定した26,472名(平均年齢62.1歳±11.6歳、男9,162名、女17,310名)の地域コホート集団について、県および県医師会が実施する地域脳卒中登録事業と連携し、対象者の脳卒中発症の有無を明らかにする。また、対象者の要介護度の認定状況および認定調査結果からADLの低下の状況を明らかにして開始時調査および脳卒中発症との関連を検討する。
結果と考察
二戸保健医療圏9,411名の追跡では、およそ2年間の観察で99名(男61名、女38名)の死亡が確認された。年齢調整死亡率でみると検診受診後では男女とも全国の年齢調整死亡率よりも低かったが、1年半以降では全国とほぼ同様の数値となることから、普遍的な結果として活用できるものと考えられた。
本年度は二戸地域において脳卒中担当科の診療録の全数確認を行った。全地域の登録結果との照合では、コホート集団のうち、男89名(45-89歳、平均71歳)、女83名(48-83歳、平均70歳)に新規の脳卒中発症が確認された。型別では男で脳梗塞(53名、60%)、ついで脳出血(28名、31%)であったが、女では脳出血(38名、46%)、脳梗塞(31名、37%)の順に多かった。宮古、久慈地域ではコホート集団のなかで脳梗塞の発症が少なく、登録精度の影響が考えられた。今後診療録の全数確認を進めて確認する。
介護情報については介護保険担当部署と協議し、属性情報、基本調査項目、現在の被サービス状況および認定された要介護度について提供を受けることを確認した。
本年度は二戸地域において脳卒中担当科の診療録の全数確認を行った。全地域の登録結果との照合では、コホート集団のうち、男89名(45-89歳、平均71歳)、女83名(48-83歳、平均70歳)に新規の脳卒中発症が確認された。型別では男で脳梗塞(53名、60%)、ついで脳出血(28名、31%)であったが、女では脳出血(38名、46%)、脳梗塞(31名、37%)の順に多かった。宮古、久慈地域ではコホート集団のなかで脳梗塞の発症が少なく、登録精度の影響が考えられた。今後診療録の全数確認を進めて確認する。
介護情報については介護保険担当部署と協議し、属性情報、基本調査項目、現在の被サービス状況および認定された要介護度について提供を受けることを確認した。
結論
本年度は一部地域において脳卒中発症登録事業の精度を確認した。また、広域行政と協議し、介護情報について基本調査項目の提供について合意を得て、一部地域では照合を実施した。以上の各情報について研究期間中にさらに収集し、脳卒中が個人や社会に与える負荷について定量的な評価を行う。
公開日・更新日
公開日
2006-04-28
更新日
-