病名変遷と病名ー診療行為連関を実現する電子カルテ開発モデルに関する研究

文献情報

文献番号
200401007A
報告書区分
総括
研究課題名
病名変遷と病名ー診療行為連関を実現する電子カルテ開発モデルに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 康行(琉球大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 植田 真一郎(琉球大学(大学院医学研究科))
  • 与那嶺 辰也(株式会社創和ビジネス・マシンズ(医療システム部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
8,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
診療行為の論拠性確保と品質維持,あるいは行政施策立案のために必要となる一次情報を精確に収集分析するには,原因や理由に基づいた診療行為の履歴と・その結果としての診療成果とを記録できる情報システムが必須となる.
このような情報システムの基幹構造は,病名やプロブレムは診療行為と関連付けられること,そのうえで,プロブレムや病名の変遷を記録できる必要がある.本研究は,これを実現するための情報モデルの研究開発を主題とした.また関与者の場の形成機構と,場における権限の管理機構に係る情報モデルを副題とした.
研究方法
オントロジに即した情報モデルを構築し,その情報モデルに即しながらオブジェクト指向モデリングを行って,必要なクラスや関係の記述枠組を定式化し,かつ直列化形式を定めることとした.そして試作システムを開発し,その有用性を検証した.
なお実臨床データは扱わないので倫理面での特段の配慮は要しない.
結果と考察
情報モデルは小さくロバストで再帰構成が可能なメタモデリングフレームワークでもあるように設計し,これに基づいて病名やプロブレムやプロブレムリストを表すクラスを構成し,かつ変遷関係の表現について定式化した.また医療に関わる関与「場」の形成機構について概念モデルを構築した.
第二年度は,情報モデルに制約表現を付加するなどの改変を加え,さらに病名やプロブレムと診療行為との連関を定式化した.また関与「場」形成に必要となる論理クラスを一部構築した.
そのうえで病名-診療行為連関を格納できる診療システムの参照実装を試作開発して,臨床医師へ有用性に関する評価を依頼した.さらに,そのシステムから出力された診療経過ファイルを活用するためのツールも開発実装した.このツールは必要な箇所を抽出要約して臨床経験に基づいた経験知識を表現でき,また共有に資するものである.
結論
診療スタッフ自身によって病名やプロブレムとその変遷を記述し,病名やプロブレムを「診療根拠」として,「理由に基づいた」加療行為と関連付けられるので,1)安全確認と事故防止を促し,2)論拠性や追跡性が明確となり,3)臨床思考過程の一部を反映することになる.
このような電子カルテ記述形式は有益な資料をもたらし,診療の適正性や品質の監査や評価,症例検討や臨床教育,臨床試験やEBM,そして医療経済分析や医療施策の立案や検討に資するものである.

公開日・更新日

公開日
2005-04-21
更新日
-

文献情報

文献番号
200401007B
報告書区分
総合
研究課題名
病名変遷と病名ー診療行為連関を実現する電子カルテ開発モデルに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 康行(琉球大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 植田 真一郎(琉球大学(大学院医学研究科))
  • 与那嶺 辰也(株式会社創和ビジネス・マシンズ(医療システム部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
診療行為の論拠性確保と品質維持,あるいは行政施策立案のために必要となる一次情報を精確に収集分析するには,原因や理由に基づいた診療行為の履歴と・その結果としての診療成果とを記録できる情報システムが必須となる.
このような情報システムの基幹構造は,病名やプロブレムは診療行為と関連付けられること,そのうえで,プロブレムや病名の変遷を記録できる必要がある.本研究は,これを実現するための情報モデルの研究開発を主題とした.また関与者の場の形成機構と,場における権限の管理機構に係る情報モデルを副題とした.
研究方法
オントロジに即した情報モデルを構築し,その情報モデルに即しながらオブジェクト指向モデリングを行って,必要なクラスや関係の記述枠組を定式化し,かつ直列化形式を定めることとした.そして試作システムを開発し,その有用性を検証した.
なお実臨床データは扱わないので倫理面での特段の配慮は要しない.
結果と考察
情報モデルは小さくロバストで再帰構成が可能なメタモデリングフレームワークでもあるように設計し,これに基づいて病名やプロブレムやプロブレムリストを表すクラスを構成し,かつ変遷関係の表現について定式化した.さらに個々の診療行為を表すクラスを構成し,病名と診療行為との理由関係を定式化した.また医療に関わる関与「場」の形成機構について概念モデルを構築し,必要となる論理クラスを一部構築した.なお情報モデルには,制約表現能力も付与した.
そして病名変遷と病名診療行為連関を格納できる診療システムの参照実装を試作開発して,臨床医師へ有用性に関する評価を依頼し,良好な反応を得た.さらに,そのシステムから出力された診療経過ファイルを活用するためのツールも開発実装した.このツールは診療経過から必要な要素を抽出要約して臨床経験に基づいた経験知識を表現でき,またその共有環境を整えた.
結論
診療スタッフ自身によって病名やプロブレムとその変遷を記述し,病名やプロブレムを「診療根拠」として,「理由に基づいた」加療行為と関連付けられるので,1)安全確認と事故防止を促し,2)論拠性や追跡性が明確となり,3)臨床思考過程の一部を反映することになる.
このような電子カルテ記述形式は有益な資料をもたらし,診療の適正性や品質の監査や評価,症例検討や臨床教育,臨床試験やEBM,そして医療経済分析や医療施策の立案や検討に資するものである.

公開日・更新日

公開日
2005-04-21
更新日
-