びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400822A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
貫和 敏博(国立大学法人東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤 丘(国立大学法人東北大学加齢医学研究所)
  • 杉山 幸比古(学校法人自治医科大学)
  • 江石 義信(国立大学法人東京医科歯科大学大学院)
  • 吾妻 安良太(学校法人日本医科大学)
  • 福田 悠(学校法人日本医科大学)
  • 慶長 直人(国立国際医療センター研究所)
  • 河野 修興(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 曽根 三郎(国立大学法人徳島大学医学部)
  • 菅 守隆(社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院)
  • 吉澤 靖之(国立大学法人東京医科歯科大学大学院)
  • 松島 網治(東京大学大学院医学研究科)
  • 滝澤 始(東京大学医学部附属病院)
  • 井上 義一(独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 上甲 剛(大阪大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定疾患治療研究事業対象疾患である特発性間質性肺炎とサルコイドーシスに加え、びまん性汎細気管支炎を対象疾患とし、なかでも予後が悪いとされる特発性肺線維症に関して、従来の肺傷害・炎症から修復・再生に至る疾患成立、進展過程の基礎的な解明に加え、より臨床への応用を目指した新治療法の臨床試験と予防医学への展開としての早期症例の診断開発を中心的研究課題と掲げた。
研究方法
Ⅰ.全国調査と疫学調査の新たな研究方法の導入、マルチスライスCTを用いた検診法を開発、新しい診断基準の策定のための全国アンケート調査を行なった。
Ⅱ.生検肺組織を対象として病理形態解析・遺伝子発現解析、家族性肺線維症患者やびまん性汎細気管支炎患者の遺伝子配列の解析、さらに患者臨床データを用いて主に後ろ向きの検討を行い、病態の解析を行なった。
Ⅲ.動物モデルを用いて、将来的に臨床応用が期待される新しい治療法の効果を解析した。
Ⅳ.厚生労働省からの通達に準拠し、患者の臨床個人情報の集積、得られた病理組織標本や遺伝子配列の解析に際しては、各施設における倫理委員会の認可を受け、患者・家族に十分に説明を行い、その「インフォームドコンセント」を得た症例に限り解析を行なった。
結果と考察
結果としてはCTによる画像疫学、血清マーカーを中心とした臨床病態の把握による早期診断の可能性、患者遺伝子解析による病態関連遺伝子の検索、疾患モデルによる分子病態の理解、分子標的薬剤による治療の可能性等、今後の患者の厚生行政に有益な情報を得ることが出来た。
結論
特発性間質性肺炎は新しい診断基準と治療ガイドラインを策定し、それにもとづく臨床個人票を新規に作成した。またこの診断基準にそったHRCT画像疫学調査が欧米に先駆けては着手された。一方、日本が先進的に開発してきた間質性肺炎のマーカーの詳細な検討によって、疾患の全国登録性が可能になった。これは今後も継続されるべき重要な研究課題であり、そこから得られる情報によって複雑な疾患の全体像の理解が各段に進むことが理解される。さらに患者遺伝子背景の解析も開始され、この疾患における日本人の特性が明らかになることが期待される。サルコイドーシスもびまん性汎細気管支炎もその発症病態の解明には、欧米でも高い評価をうける学術的な発展が認められ、今後さらにその診断、発症予防、および新たな治療法の開発が期待されている。

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200400822B
報告書区分
総合
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
貫和 敏博(国立大学法人東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤 丘(国立大学法人東北大学加齢医学研究所)
  • 杉山 幸比古(学校法人自治医科大学)
  • 江石 義信(国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 吾妻 安良太(学校法人日本医科大学)
  • 福田 悠(学校法人日本医科大学)
  • 慶長 直人(国立国際医療センター研究所)
  • 河野 修興(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 曽根 三郎(国立大学法人徳島大学医学部)
  • 菅 守隆(社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院)
  • 吉澤 靖之(国立大学法人東京医科歯科大学大学院)
  • 松島 網治(東京大学大学院医学系研究科)
  • 滝澤 始(東京大学医学部附属病院)
  • 井上 義一(独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 上甲 剛(大阪大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
疾患概念が混沌としていた特発性間質性肺炎、特に予後が悪いとされる特発性肺線維症に関して、従来の肺傷害・炎症から修復・再生に至る疾患成立、進展過程の基礎的な解明に加え、より臨床への応用を目指した新治療法の臨床試験と予防医学への展開としての早期症例の診断開発を目的とした。
研究方法
新たな研究方法を導入しての全国調査と疫学調査、マルチスライスCTを用いた検診法の開発、また専門施設に対する全国アンケート調査を行なった。生検肺組織を対象として病理形態解析・遺伝子発現解析、家族性肺線維症患者やびまん性汎細気管支炎患者の遺伝子配列の解析、さらに患者臨床データを用いて主に後ろ向きの検討を行なった。疾患モデルを用いて、将来的に臨床応用が期待される新しい治療法の効果を解析した。厚生労働省からの通達に準拠し、患者の臨床個人情報の集積、得られた病理組織標本や遺伝子配列の解析に際しては、各施設の倫理委員会の認可を受け、患者・家族に十分に説明を行い承諾を得た症例に限り解析を行なった。
結果と考察
特発性間質性肺炎の新しい診断基準と治療ガイドラインを策定し、それにもとづく臨床個人票を新規に作成した。またこの診断基準にそったHRCT画像疫学調査が欧米に先駆けては着手された。一方、日本が先進的に開発してきた間質性肺炎のマーカーの詳細な検討によって、疾患の全国登録性が可能になった。これは今後も継続されるべき重要な研究課題であり、そこから得られる情報によって複雑な疾患の全体像の理解が可能になった。さらに患者遺伝子背景の解析も開始され、この疾患における日本人の特性が明らかになることが期待された。サルコイドーシスもびまん性汎細気管支炎もその発症病態の解明には、欧米でも高い評価をうける学術的な発展が認められ、今後さらにその診断、発症予防、および新たな治療法の開発が期待された。
結論
3年にわたる研究結果は論文報告集としてまとめた。具体的にはCTによる画像疫学、血清マーカーを中心とした臨床病態の把握による早期診断の可能性、患者遺伝子解析による病態関連遺伝子の検索、疾患モデルによる分子病態の理解、分子標的薬剤による治療の可能性等、今後の患者の厚生行政に有益な情報を得ることが出来た。

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-