副腎ホルモン産生異常に関する研究

文献情報

文献番号
200400808A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
名和田 新(九州大学大学院 医学研究院(病態制御内科))
研究分担者(所属機関)
  • 岡本光弘(大阪大学大学院生命機能研究科)
  • 猿田享男(慶應義塾大学医学部内科)
  • 諸橋憲一郎(自然科学研究機構基礎生物学研究所)
  • 加藤茂明(東京大学分子細胞生物学研究所核内情報研究分野)
  • 藤枝憲二(旭川医科大学小児科)
  • 田中廣壽(東京大学医科学研究所先端医療研究センター免疫病態分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
副腎ホルモン産生異常症に関する診断法と治療法を開発することを研究目標とする。
研究方法
1)先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)、先天性副腎低形成:副腎再生ならびに副腎の遺伝子治療のための基礎的なデータを得る。2)ステロイドホルモン不応症:ステロイドホルモン不応症ならびにグルココルチコイド耐性の克服を目指す。3)副腎腫瘍:副腎偶発腫の診療指針の確立を目指す。また、副腎腫瘍の自律的ホルモン産生機構および副腎癌の治療への可能性について検討する。4)副腎性高血圧 原発性アルドステロン症の診断における内分泌学的検査の意義の再検討、臓器障害へのMRの関与の検討を行う。
結果と考察
1)Ad4BP/SF-1をマウス骨髄細胞に発現させることにより、ステロイド産生を誘導することができた。Ad4BP/SF-1遺伝子の胎生副腎特異的なエンハンサーを同定した。SF-1活性制御の新たなメカニズムを同定した。ステロイドホルモン産生シグナルにSIKによるTORCのリン酸化が関与することが示された。Antley-Bixler症候群(ABS)の疾患遺伝子(複合へテロ変異)を世界で初めて同定した。2)GRとAP-1からなる複合体の構成成分、GRの発現量と炎症性遺伝子発現抑制との関連、GRとWntシグナルの関連を明らかにした。ウロコルチンファミリーとそのレセプターの局在を副腎において検討した。11b-HSD type1の活性低下によりグルココルチコイド抵抗性が発症する可能性が示唆された。新規GR抑制因子HEXIM1を同定した。下垂体でのGR抵抗性にARが関与することが示唆された。3)5年間、3678例の副腎偶発腫の検討結果をもとに、副腎偶発腫の治療・診断指針案を作成した。副腎へのin vivo遺伝子導入法を開発した。BRG-1、Brmの活性化が副腎癌の治療に役立つ可能性を示した。副腎腫瘍に対する鏡視下手術の優位性を示した。4)ACTH負荷副腎静脈採血が微小病変の特定や病変部位の的確な診断に有用であることが示された。1mgデキサメサゾン抑制下迅速ACTH負荷の有用性が示唆された。MRの心不全病態への関与が示唆された。
結論
ステロイド合成障害の新たなメカニズムを明らかにした。細胞療法による副腎再生の道を開いた。グルココルチコイド抵抗性の病態に関して新しい知見を得た。副腎偶発腫の診療指針案を作成した。原発性アルドステロン症の診断、血管合併症の予防に関して新しい知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200400808B
報告書区分
総合
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
名和田 新(九州大学大学院 医学研究院(病態制御内科))
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 光弘(大阪大学大学院生命機能研究科)
  • 猿田 享男(慶應義塾大学医学部内科)
  • 諸橋 憲一郎(自然科学研究機構基礎生物学研究所)
  • 加藤 茂明(東京大学分子細胞生物学研究所核内情報研究分野)
  • 藤枝 憲二(旭川医科大学小児科)
  • 田中 廣壽(東京大学医科学研究所先端医療研究センター免疫病態分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分子生物学的および発生工学的な手法を駆使して副腎ホルモン産生異常症の診断法と治療法を開発する。
研究方法
1)先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)、先天性副腎低形成:副腎再生ならびに副腎の遺伝子治療のための基礎的なデータを得る。2)ステロイドホルモン不応症:ステロイドホルモン不応症ならびにグルココルチコイド耐性の克服を目指す。3)副腎腫瘍:副腎偶発腫の診療指針の確立を目指す。また、副腎腫瘍の自律的ホルモン産生機構および副腎癌の治療への可能性について検討する。4)副腎性高血圧 原発性アルドステロン症の診断における内分泌学的検査の意義の再検討、臓器障害へのMRの関与の検討を行う。
結果と考察
1)先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)、先天性副腎低形成:Ad4BP/SF-1をマウス骨髄細胞に発現させることにより、ステロイド産生細胞を誘導した。Ad4BP/SF-1遺伝子の発現、活性調節に関し、新知見を得た。ACTH-cAMP系のシグナル伝達におけるSIKの意義を明らかにした。Antley-Bixler症候群(ABS)の疾患遺伝子(複合へテロ変異)を世界で初めて同定した。Foxo1、 Nurr-1、ウロコルチンの副腎での発現を報告した。2)ステロイドホルモン不応症:GRと相互作用する因子、グルココルチコイドの作用を修飾する因子として、HDAC、AR、HEXIM-1、Runx-2、Tob、Wnt、11b-HSD等を同定した。3)副腎腫瘍:3678例の副腎偶発腫の検討結果をもとに、副腎偶発腫の治療・診断指針案を作成した。副腎へのin vivo遺伝子導入法を開発した。BRG-1、Brmの活性化が副腎癌の治療に役立つ可能性を示した。副腎腫瘍に対する鏡視下手術の優位性を示した。4)副腎性血圧異常症:原発性アルドステロン症が高血圧の6%を占める事、原発性アルドステロン症の診断におけるACTH負荷副腎静脈採血ならびに各種負荷試験の有用性、ミネラルコルチコイド高血圧における臓器障害の病態を明らかにした。11b-HSDタイプ2遺伝子、アルドステロン合成酵素遺伝子の多型について検討した。
結論
副腎ホルモン産生異常症における新たな原因遺伝子、病態、診断、治療、合併症予防に関して新しい知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-