関節リウマチ・骨粗鬆症患者の疫学、病態解明と治療法開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400715A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ・骨粗鬆症患者の疫学、病態解明と治療法開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
越智 隆弘((独)国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 直之(松本歯科大学 総合歯科医学研究所)
  • 田中 栄(東京大学 医学部)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院 医学系研究科 器官制御外科学)
  • 下村 伊一郎(大阪大学大学院 生命機能研究科 個体機能学)
  • 野島 博(大阪大学微生物病研究所)
  • 広畑 俊成(帝京大学 医学部)
  • 武井 正美(日本大学 医学部)
  • 鈴木 隆二((独)国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
  • 佐伯 行彦((独)国立病院機構大阪南医療センター 臨床研究部)
  • 西沢 良記(大阪市立大学大学院 医学研究科 代謝内分泌病態内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
81,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチ(RA)患者に認められる重度な骨粗鬆症疫学研究と、骨髄を重要な場とした組織破壊の病因・病態解明研究の解明が本研究の重要な主目的である。
研究方法
①RA患者、非RA高齢者、非RA膠原病患者などとの比較研究を行った。②RA患者の末梢血、あるいは骨髄血を採取し、ナース細胞を分離、単核細胞の活性化により、前破骨細胞、破骨細胞などを分化させた。③骨髄血の選択的トランスクリプトーム解析により、血液・骨髄液から全mRNAを抽出して cDNA ライブラリーを作成、遺伝子群を包括的に単離、解析した。
結果と考察
Ⅰ)RA・骨粗鬆症の研究:RA患者には高頻度、高度な骨粗鬆症が認められ、腰椎より、むしろ、大腿骨頚部や手首に顕著な骨密度減少が認められるのが特徴であった。Ⅱ)骨髄病態解明研究:①ナース細胞の解析;RA患者の病巣(骨髄、滑膜)を形成する線維芽細胞様細胞(ナース細胞;RA-NLC)の解明を進め、特異的と思われるスカベンジャーレセプター様遺伝子(#4-14)を同定した。②破骨細胞の研究;(A) 前破骨細胞分化; RA患者骨髄単核球のうち約80%のCD14(+)細胞が存在し、その半数がCD11a(-)であり、GM-CSF刺激によりTRAP(+)多核巨細胞になった。(B) RA特異的破骨細胞分化; RA特異的破骨細胞を樹立して、新規遺伝子7-44のコードする膜タンパクを得た。抗体はマウスおよびヒトの破骨細胞を特異的に認識する。一方、CD14陽性細胞は、M-CSFとRANKLの存在下で分化した破骨細胞誘導をTGFβは促進し、SB203508は阻害した。Ⅲ)RAの病因解明研究:①RA特異的遺伝子の解明;RA-1、RA-5、RA-9②膠原病遺伝子の解明;RA-8 ③ヒト以外の遺伝子の発現検索
結論
①RA患者には高頻度、高度な骨粗鬆症が認められる。骨量の減少は、原発性骨粗鬆症と異なって、腰椎より、むしろ大腿骨近位部に特徴的で診断時に留意が必要である。②RA病巣は骨髄にあり、いわゆるナース細胞と血球細胞(破骨細胞)の分子病態機序による。③、RA病態を引き起こしている候補遺伝子が抽出された。原因遺伝子特定が緊急課題となった。

公開日・更新日

公開日
2005-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400715B
報告書区分
総合
研究課題名
関節リウマチ・骨粗鬆症患者の疫学、病態解明と治療法開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
越智 隆弘((独)国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 直之(松本歯科大学 総合歯科医学研究所)
  • 田中 栄(東京大学 医学部)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院 医学系研究科 器官制御外科学)
  • 下村 伊一郎(大阪大学大学院 生命機能研究科 個体機能学)
  • 野島 博(大阪大学微生物病研究所)
  • 広畑 俊成(帝京大学 医学部)
  • 武井 正美(日本大学 医学部)
  • 鈴木 隆二((独)国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
  • 佐伯 行彦((独)国立病院機構大阪南医療センター 臨床研究部)
  • 西沢 良記(大阪市立大学大学院 医学研究科 代謝内分泌病態内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチ(RA)患者に認められる重度な骨粗鬆症疫学研究と、骨髄を重要な場とした組織破壊の病因・病態解明研究の解明が本研究の重要な主目的である。
研究方法
①RA患者、非RA高齢者、非RA膠原病患者などとの比較研究を行った。②RA患者の末梢血、あるいは骨髄血を採取し、ナース細胞を分離、単核細胞の活性化により、前破骨細胞、破骨細胞などを分化させた。③骨髄血の選択的トランスクリプトーム解析により、血液・骨髄液から全mRNAを抽出して cDNA ライブラリーを作成、遺伝子群を包括的に単離、解析した。
結果と考察
Ⅰ)RA・骨粗鬆症の研究:RA患者には高頻度、高度な骨粗鬆症が認められ、腰椎より、むしろ、大腿骨頚部や手首に顕著な骨密度減少が認められるのが特徴であった。Ⅱ)骨髄病態解明研究:①ナース細胞の解析;RA患者の病巣(骨髄、滑膜)を形成する線維芽細胞様細胞(ナース細胞;RA-NLC)の解明を進め、特異的と思われるスカベンジャーレセプター様遺伝子(#4-14)を同定した。②破骨細胞の研究;(A) 前破骨細胞分化; RA患者骨髄単核球のうち約80%のCD14(+)細胞が存在し、その半数がCD11a(-)であり、GM-CSF刺激によりTRAP(+)多核巨細胞になった。(B) RA特異的破骨細胞分化; RA特異的破骨細胞を樹立して、新規遺伝子7-44のコードする膜タンパクを得た。抗体はマウスおよびヒトの破骨細胞を特異的に認識する。一方、CD14陽性細胞は、M-CSFとRANKLの存在下で分化した破骨細胞誘導をTGFβは促進し、SB203508は阻害した。Ⅲ)RAの病因解明研究:①RA特異的遺伝子の解明;RA-1、RA-5、RA-9②膠原病遺伝子の解明;RA-8 ③ヒト以外の遺伝子の発現検索
結論
①RA患者には高頻度、高度な骨粗鬆症が認められる。骨量の減少は、原発性骨粗鬆症と異なって、腰椎より、むしろ大腿骨近位部に特徴的で診断時に留意が必要である。②RA病巣は骨髄にあり、いわゆるナース細胞と血球細胞(破骨細胞)の分子病態機序による。③、RA病態を引き起こしている候補遺伝子が抽出された。原因遺伝子特定が緊急課題となった。

公開日・更新日

公開日
2005-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-