マラリアの感染予防及び治療に関する研究

文献情報

文献番号
200400625A
報告書区分
総括
研究課題名
マラリアの感染予防及び治療に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
狩野 繁之(国立国際医療センター研究所、適正技術開発・移転研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 幹男(国立感染症研究所、感染症情報センター)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学、医学部、熱帯医学・寄生虫学教室)
  • 高木 正洋(長崎大学、熱帯医学研究所、生物環境分野)
  • 松本 芳嗣(東京大学、大学院、農学生命科学研究科)
  • 奥 浩之(群馬大学、工学部、材料工学科)
  • 岩本 愛吉(東京大学、医科学研究所、感染症研究部)
  • 建野 正毅(国立国際医療センター医療協力局、派遣課)
  • 吉川 晃司(東京慈恵会医科大学、附属病院、感染制御部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国における輸入感染症の制御という課題において、世界最大の感染症であるマラリアは、その疾病の経過や重篤性という意味で、他のあらゆる感染症に増して、感染の予防や治療に重大な関心が払われてしかるべきである。当該申請研究の目的は、マラリアの感染予防及び治療のために、グローバルスタンダードに照らした最良な医療サービスの提供をわが国で如何に効果的に行えるかを学際的に研究し、国民の保健・医療・福祉の向上に具体的に貢献することである。
研究方法
1)マラリア患者の治療の実績が高い東京慈恵会医科大学病院、東京大学医科学研究所病院、国立国際医療センターの症例検討をまとめた。2)流行地での治療実績は、アジアにおける流行フォーカスがあるタイ(マヒドン大学熱帯病病院)を中心に調査・解析を行った。先進諸国における高度最先端医療下でのマラリアの治療実績は、世界旅行医学会のネットワークを利用して、その情報の収集を行った。3)マラリア予防専門家グループを編成して、「マラリア予防ガイドライン」の作製のための会議を開催した。
結果と考察
1)国内におけるマラリア発生動向調査、2)抗マラリア薬の適正な選択に関する臨床研究、3)わが国における重症マラリアの治療に関する研究、4)国外におけるマラリア流行調査、5)薬剤耐性マラリアの疫学・治療学研究、6)薬剤耐性の克服に向けての新規薬剤の評価に関する研究、7)マラリア予防・治療の効果判定に係る研究、8)マラリアの病態モデル、薬剤評価に関する研究、9)マラリア媒介蚊の分布及び吸血行動に関する研究、の各分担研究の成果を有機的にまとめ、日本の海外渡航者のマラリア罹患の状況、特に渡航目的地域毎での発症率の差異を明らかにし、渡航者や医療従事者の意識を高め、わが国の喫緊のニーズに合わせた予防法・治療法を開発に貢献した。
結論
当該年度の成果として特記すべきことは、「マラリア予防のためのガイドライン」を作製することができたことである。ガイドライン策定のための会議は22回を重ね、諸外国におけるガイドラインの検討、わが国におけるデータの検討、数理的モデルの検討、メンバーの個人的経験の検討などを営々と続けてきた。2004年10月には、第45回日本熱帯医学会大会のワークショップにおいて、多くの参加者にガイドライン素案を示し、また参加者からは有意義な意見を得ることができ、その後の修正に活かすことができた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-15
更新日
-