不安全行動の自己診断による予測とその回避手法に関する研究

文献情報

文献番号
200301148A
報告書区分
総括
研究課題名
不安全行動の自己診断による予測とその回避手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
加地 浩(岩見沢労災病院)
研究分担者(所属機関)
  • 佐野嘉彦(北海道労働科学研究所)
  • 堀江正知(産業医科大学産業生態科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全総合研究経費 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
労働災害・労災事故、(未遂事故、ヒヤリ・ハットも対象)の潜在的要因の一つである不安全行動の自己診断を支援するシステムを構築し、主観的判断を排除して客観的にこれを予測し、更に回避するための具体的方法をコンピュータープログラムによって個別に指示するシステムを確立し、不安全行動の回避、ひいては労働災害の防止に資することを目的とする。
研究方法
(1)研究者が過去に経験し蓄積してきた現場の経験と、労災事故・ヒヤリハット事例解析等から事故発生要因を抽出し、またストレス、精神・心理や疲労の面から作業者個人の潜在的危険要因を抽出するための問診項目を設定する。(2)上記を多くの確率データに重み付けを加えてコンピューター処理するプログラムソフトを構築する。(3)これを実際のフィールドに試用し、プログラムの改良をはかる。
結果と考察
上記の方法に基づき各々の段階を踏んでコンピューターソフトの開発とバージョンアップを行ったのち、その有効性を17業種25事業場を対象とするフィールド調査研究を行った。有効回答1235人分(男789、女446)のデータを今回の重み付けした事故確率処理プログラムで出力する一方で、データベース化の後、統計処理した結果とつき合わせて検討した。今回は一般産業の全合計と医療職に大別して検討することとした。プログラムは多くの指標と事故確率に我々独自の重み付けを行っているため、統計解析と直接対比しうるものではなく、さらに実務上での評価にも時間を要すると思われるが、少なくともヒヤリハットや事故発生時の心身・意識の状態は15項目程度に絞られるのみならず、これらに絡んで職場や家庭での近日常的出来事や不健康状態(特に睡眠時無呼吸症候群)も存在していることが示された。
結論
労働者本人が入力し、不安全行動の自己判断、予測、その回避に関する具体的指示が出力される方法の構築を本研究計画の目的としたが、その第一歩は踏み出されたものと考える。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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