国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究

文献情報

文献番号
201924024A
報告書区分
総括
研究課題名
国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究
課題番号
H29-食品-指定-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 豊福 肇(山口大学 共同獣医学部)
  • 千葉 剛(医薬基盤・健康・栄養研究所 食品保健機能研究部)
  • 山口 治子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター安全性予測評価部)
  • 松尾 真紀子(東京大学 公共政策大学院)
  • 畝山 智香子(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 )
  • 熊谷 優子(和洋女子大学 家政学部)
  • 太田 亜里美(佐々木 亜里美)(新潟県立大学 人間生活学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
14,147,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、Codex委員会下に設置された各部会等から特に食品安全の観点から選択した8つの部会を対象とし、それら部会におけるわが国政府の活動を支援することを主たる目的とする。この目的の達成に関連し、経済連携協定の交渉及び協定に基づく技術的協議を含めた国内外対応に必要な科学的知見や国際動向を必要に応じて整理・分析し、今後考慮すべき事項を提言する。その他、食品安全行政に係る国際交渉等を行う政府職員の能力を向上させ、国際的な食品安全行政に関するリスクコミュニケーションを推進する。本年度は、2020年のWHO総会における発信に必要なFoods Safetyに関する基礎的データの蓄積を緊急企画し実施する。
研究方法
Codex委員会下の各部会及びその関連会議における過去の議論、各国の立場、日本政府の対応を各部会報告書等の詳細な検討により整理すると共に、リスクアナリシスに係る各種データ等の根拠となる科学的知見を、各国政府機関や学術領域から収集し分析する。それらの結果をとりまとめ、電子作業部会等へのコメント、会合への対処方針作成や議場での政府職員の対応を支援するとともに、部会報告書の作成に協力する。また、政府職員の国際対応能力向上のための教育プログラムを開発するとともに研修のあり方について検討するほか、食品安全に関する国際的な情報を広く社会に発信するシンポジウムを開催する。Foods Safetyに関する基礎的データの蓄積に関して、最新科学技術の食品安全行政への導入に関するアンケート、カンピロバクター属菌による食品由来疾患の疾病負荷(DALYs)の推計、「食のアクセセス」による「食の多様性スコア」への影響を検討するためのアンケート等を行う。
結果と考察
食品衛生部会、食品汚染物質部会、食品残留動物用医薬品部会、残留農薬部会、栄養・特殊用途食品部会、分析・サンプリング法部会、食品輸出入検査・認証制度部会、一般原則部会の各Codex部会における会合または電子的・物理的作業部会に参加し、過去の議論や科学的知見の収集、分析を行い、政府職員に助言を提供するなどした。その結果の一部を、以下に示す。食品衛生の一般原則及びHACCP付属文書の改訂及び食品中のアレルゲン管理のガイドライン策定作業の終了、チョコレート及びカカオ由来製品におけるカドミウムの最大基準値の設定、食品及び試料中の汚染物質及び毒素に関する一般規格に含まれる特定食品における鉛最大基準値の見直し、規制値が設定されていない汚染物質が食品から検出された事案に引き続き行われる迅速なリスクアナリシスに関するガイドラインの策定、農薬のリスクマネージメントのための最大残留基準値設定の優先順位設定、農薬残留物の短期摂取量推定に関する討議、フォローアップフォーミュラのCodex規格等の作成、各種Codex法の承認、不確かさの一般ガイドラインの改定、サンプリングの一般ガイドラインの改定、Codex分析・サンプリング法規格の見直し、システム同等性に関するガイダンス案作成、食品安全及び食品貿易の公正な取引における第三者認証制度への規制アプローチに関するガイダンス案作成の支援。また一般原則部会における議論の動向についても整理を行った。シンポジウム「わが国の食品分析の行く先を考える-食品分析の国際状況;CCMASの動向-」を開催し、行政、食品事業者、分析機関等の多様な主体と交流し、リスクコミュニケーションを推進した。2019年中に開催された食品安全行政の国際化戦略のためのリスク管理者向け研修の企画立案に協力し、教材の提供及び講師を担当した。米国FDA等による最新の科学技術の食の安全への応用等に関する情報を収集し、わが国において活用可能な技術とその応用の可能性について検討した。フードチェーン各段階において実行可能な介入を分析するとともに、介入を実行した場合の疾病の実被害患者数及び疾病負荷を推計するためのシミュレーションモデルを検討した。高齢者の「食のアクセス」に関連する要因が「食の多様性スコア」にどれだけ影響しているかを検討した。
結論
計8つのCodex部会での議論等を解析し、その結果を適宜政府職員に提供するとともに、コメント作成や発言を支援した。Codex委員会の活動とそれへのわが国の取組に関する情報を提供するシンポジウムを開催した。研修の受講を通じて、政府食品の食品安全分やにおける国際対応力の養成と強化が図られた。WHO総会で議題として取り上げられることが計画されていた、Food safetyに関連する各種課題にわが国が取り組む上でも役立つ基礎的データが蓄積された。

公開日・更新日

公開日
2020-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201924024B
報告書区分
総合
研究課題名
国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究
課題番号
H29-食品-指定-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 豊福 肇(山口大学 共同獣医学部)
  • 千葉 剛(医薬基盤・健康・栄養研究所 食品保健機能研究部)
  • 石見 佳子(東京農業大学)
  • 山口 治子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター安全性予測評価部)
  • 松尾 真紀子(東京大学 公共政策大学院)
  • 畝山 智香子(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 熊谷 優子(和洋女子大学 家政学部)
  • 太田 亜里美(佐々木 亜里美)(新潟県立大学 人間生活学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、Codex委員会下に設置された各部会等から特に食品安全の観点から選択した8つの部会を対象とし、それら部会におけるわが国政府の活動を支援することを主たる目的とする。その他、食品安全行政の国際整合の推進、特に科学的側面からの政府職員の国際交渉力の向上、国内の多様な主体とのリスクコミュニケーションの推進も目的とする。さらに、2020年のWHO総会の主題となることが予定されていたFoods Safetyに関する基礎的データの蓄積も目的とする。
研究方法
Codex委員会下の各部会及びその関連会議における過去の議論、各国の立場、日本政府の対応を各部会報告書等の詳細な検討により整理すると共に、リスクアナリシスに係る各種データ等の根拠となる科学的知見を、各国政府機関や学術領域から収集し分析する。それらの結果をとりまとめ、電子作業部会等へのコメント、会合への対処方針作成や議場での政府職員の対応を支援するとともに、部会報告書の作成に協力する。また、政府職員の国際対応能力向上のための教育プログラムを開発するとともに研修のあり方について検討するほか、食品安全に関する国際的な情報を広く社会に発信するシンポジウムを開催する。Foods Safetyに関する基礎的データの蓄積に関して、最新科学技術の食品安全行政への導入に関するアンケート、カンピロバクター属菌による食品由来疾患の疾病負荷(DALYs)の推計、「食のアクセセス」による「食の多様性スコア」への影響を検討するためのアンケート等を行う。
結果と考察
食品衛生部会、食品汚染物質部会、食品残留動物用医薬品部会、残留農薬部会、栄養・特殊用途食品部会、分析・サンプリング法部会、食品輸出入検査・認証制度部会、一般原則部会の各Codex部会における会合または電子的・物理的作業部会に参加し、過去の議論や科学的知見の収集、分析を行い、政府職員に助言を提供するなどした。その結果の一部を、以下に示す。ヒスタミン管理に関するガイドライン策定、食品衛生の一般原則及びHACCP付属文書の改訂及び食品中のアレルゲン管理のガイドライン策定作業の終了、動物用医薬品MRLの異なる魚種への外挿に関する討議、チョコレート及びカカオ由来製品におけるカドミウムの最大基準値の設定、食品及び試料中の汚染物質及び毒素に関する一般規格に含まれる特定食品における鉛最大基準値の見直し、規制値が設定されていない汚染物質が食品から検出された事案に引き続き行われる迅速なリスクアナリシスに関するガイドラインの策定、農薬のリスクマネージメントのための最大残留基準値設定の優先順位設定、農薬残留物の短期摂取量推定に関する討議、フォローアップフォーミュラのCodex規格等の作成、各種Codex法の承認、不確かさの一般ガイドラインの改定、サンプリングの一般ガイドラインの改定、Codex分析・サンプリング法規格の見直し、システム同等性に関するガイダンス案作成、食品安全及び食品貿易の公正な取引における第三者認証制度への規制アプローチに関するガイダンス案作成支援。また一般原則部会における議論の動向についても整理した。H29~R1年度を通じて3つのシンポジウム「Codex委員会の将来の展望と課題(Future Prospects and Challenges in Codex Alimentarius)」、「Codexにおける日本の貢献と今後の課題」、「わが国の食品分析の行く先を考える-食品分析の国際状況;CCMASの動向-」を開催し、行政、食品事業者、消費者、アカデミア、分析機関等の多様な主体と交流し、リスクコミュニケーションを推進した。厚生労働省が毎年開催した食品安全行政の国際化戦略のためのリスク管理者向け研修の企画立案に協力し、教材の提供及び講師を担当した。米国FDA等による最新の科学技術の食の安全への応用等に関する情報を収集し、わが国において活用可能な技術とその応用の可能性について検討した。フードチェーン各段階において実行可能な介入を分析するとともに、介入を実行した場合の疾病の実被害患者数及び疾病負荷を推計するためのシミュレーションモデルを検討した。高齢者の「食のアクセス」に関連する要因が「食の多様性スコア」にどれだけ影響しているかを検討した。
結論
計8つのCodex部会での議論等を解析し、その結果を適宜政府職員に提供するとともに、コメント作成や発言を支援した。Codex委員会の活動とそれへのわが国の取組に関する情報を提供するシンポジウムを開催した。研修の受講を通じて、政府食品の食品安全分やにおける国際対応力の養成と強化が図られた。WHO総会で議題として取り上げられることが計画されていた、Food safetyに関連する各種課題にわが国が取り組む上でも役立つ基礎的データが蓄積された。

公開日・更新日

公開日
2020-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201924024C

収支報告書

文献番号
201924024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,479,000円
(2)補助金確定額
15,213,000円
差引額 [(1)-(2)]
266,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,087,896円
人件費・謝金 1,792,915円
旅費 3,450,698円
その他 6,550,444円
間接経費 1,332,000円
合計 15,213,953円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2020-05-29
更新日
2021-08-27