労働生産性の向上や職場の活性化に資する対象集団別の効果的な健康増進手法及びその評価方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201822003A
報告書区分
総括
研究課題名
労働生産性の向上や職場の活性化に資する対象集団別の効果的な健康増進手法及びその評価方法の開発に関する研究
課題番号
H28-労働-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 道下 竜馬(福岡大学 スポーツ科学部)
  • 吉川 悦子(高橋 悦子) (日本赤十字看護大学)
  • 永田 昌子(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 永田 智久(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、3年間の研究によって、職種・業種ごとの効果的な健康増進手法の開発を目指し、① 職種・業種ごとの健康課題を明らかにし、②労働者の健康問題が業務遂行能力(労働生産性)に影響を及ぼしている状態を評価する方法を確立し、③職場単位または個人単位で介入して、遂行能力の改善を図るための手法を開発することを主な目的としている。3年目においては、職種ごとのプレゼンティーイズムを引き起こす要因の検討および介入研究の継続とともに、3年間の研究をもとに、「労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる職種・業種ごとの効果的な健康増進手法ガイド」の策定を行った。
研究方法
職種ごとのプレゼンティーイズムを引き起こす要因について検討、業務遂行能力の改善を図るための運動介入(慢性腰痛を有する男性タクシー運転手に対して10分間の体操)、職場活力向上を目指した参加型職場環境改善プログラムによる介入(職種・業種の異なる3事業場6職場)を行った。
結果と考察
職種ごとのプレゼンティーイズムを引き起こす要因について検討では、プレゼンティーズムを生じている最も多い健康上の問題や不調と、各職種各年代において生産性が高度に低下している健康問題が異なった。遂行能力の改善を図るための介入では、ワーク・エンゲイジメント、労働機能障害(WFun)には変化が見られなかったが、脚筋力や柔軟性向上、腰痛軽減に有効であることが明らかとなった。職場活力向上を目指した参加型職場環境改善プログラムでは、6つの職場のうち1つの職場で、WFunと職業性簡易ストレス調査票の心理的ストレス反応が有意に改善していた。1つの職場ではWFunの悪化が認められたが、そのほかの職場では介入前後でこれらの評価指標の変化はなかった。
結論
研究班全体の成果物として 「労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる職種・業種ごとの効果的な健康増進手法ガイド」を作成した。このガイドは、労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる健康増進プログラムが効果的に展開されるよう、対象の業種や職種を意識して、実施前に検討すべき事項や理解して置くべき事項が盛り込まれている。

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201822003B
報告書区分
総合
研究課題名
労働生産性の向上や職場の活性化に資する対象集団別の効果的な健康増進手法及びその評価方法の開発に関する研究
課題番号
H28-労働-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 道下 竜馬(福岡大学 スポーツ科学部)
  • 吉川 悦子(高橋 悦子)(日本赤十字看護大学 看護学部)
  • 永田 昌子(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 永田 智久(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、3年間の研究によって、職種・業種ごとの効果的な健康増進手法の開発を目指し、① 職種・業種ごとの健康課題を明らかにし、②労働者の健康問題が業務遂行能力(労働生産性)に影響を及ぼしている状態を評価する方法を確立し、③職場単位または個人単位で介入して、遂行能力の改善を図るための手法を開発することを主な目的としている。3年目においては、介入研究を継続するとともに、3年間の研究をもとに、「労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる職種・業種ごとの効果的な健康増進手法ガイド」の策定を行った。
研究方法
職種・業種における健康課題の整理について、既存の文献等の調査およびコラボヘルス研究会のデータ分析に加え、職種と健康課題の整理について各項目の関連性が分かるように整理した。労働生産性向上や職場の活性化に効果的な介入手法の検討として、10分間という短時間に実施できる運動プログラムである職場単位で行うアクティブレストを用いて運動プログラムの検証、「職場活力向上」を目指した職場環境改善のプログラムの開発と検証、個別睡眠衛生教育が睡眠状態および労働生産性・職場活性化に与える効果の検証を行った。
結果と考察
職種・業種における健康課題の整理については、「職種による健康課題の違い」を完成させた。また、職務の違いと健康課題の関連について、腰痛は立位時間が長いほど有訴者割合が多い傾向になる一方、肩こりと目の不調は、坐位時間が長い程有訴者割合が多い傾向であった。働き方によって症状や疾病が起こりうる事例のひとつと考えられた。また、Presenteeismの評価の方法に検討を加え、1)損失額の算出、2)Presenteeismを生じている「健康上の問題や不調」の概観、3)損失の程度が大きい症状等の抽出を実施し、職種ごとに健康課題が異なることを示した。
運動プログラムによる介入では、ホワイトカラーならびにブルーカラーの労働者が昼休みに職場単位で運動を行うことは、職場活性度を高め、プレゼンティーズムの改善に有効であることが明らかとなった。職場環境改善のプログラムの経験を通じて、様々な職種・業種、多様な職場文化や風土を背景に持つ異なる職場に適応可能で、かつ効果のあがる参加型職場環境改善プログラムのためには、職場の特性や文脈に合わせてプログラムを柔軟に対応し、職場の状況にあわせたきめ細やかなフォローアップを設定することが重要であり、その効果評価には、取り組みプロセスの評価も含めた包括的な視点を用いる必要性が示唆された。睡眠衛生教育の介入では、主観的および客観的評価のいずれにおいても、介入群と対照群とでの有意な差を認めなかった。睡眠の改善のためには、個別指導を行うのみでは行動変容およびその効果を得ることが困難であることが示唆された。
結論
3年間の研究班全体の成果物として 「労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる職種・業種ごとの効果的な健康増進手法ガイド」を作成した。このガイドは、業種や職種といった対象集団の特性を踏まえて、労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる健康増進プログラムが効果的に展開されるよう、実施前に検討すべき事項や理解して置くべき事項が盛り込まれている。

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

総合研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201822003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
職種ごとのプレゼンティーイズムを引き起こす要因の検討および介入研究を実施して、一定の成果を上げた。3年間の研究をもとに、「労働生産性の向上や職場の活性化に繋がる職種・業種ごとの効果的な健康増進手法ガイド」の策定を行った。
臨床的観点からの成果
作成されたガイドは、職種・業種ごとに課題を設定して生産性の向上に資する健康増進施策の企画に役立たせることができる。
ガイドライン等の開発
特記事項なし
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
特記事項なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2019-06-14
更新日
2022-06-09

収支報告書

文献番号
201822003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,600,000円
(2)補助金確定額
3,449,716円
差引額 [(1)-(2)]
150,284円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 480,176円
人件費・謝金 786,788円
旅費 535,780円
その他 906,972円
間接経費 740,000円
合計 3,449,716円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2020-02-20
更新日
-