プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201811046A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-036
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(神経内科学))
研究分担者(所属機関)
  • 水澤 英洋(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
  • 西田 教行(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 佐々木 真理(岩手医科大学 医学部)
  • 齊藤 延人(東京大学 医学部附属病院)
  • 岩崎 靖(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 高尾 昌樹(埼玉医科大学 医学部)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部)
  • 北本 哲之(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 濱口 毅(金沢大学 附属病院)
  • 細矢 光亮(福島県立医科大学 医学部)
  • 長谷川 俊史(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 楠原 浩一(産業医科大学 医学部)
  • 野村 恵子(熊本大学 医学部附属病院)
  • 岡 明(東京大学 医学部附属病院)
  • 遠藤 文香(岡山大学 岡山大学病院)
  • 鈴木 保宏(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター 小児神経科)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 三浦 義治(東京都立駒込病院 脳神経内科)
  • 船田 信顕(東京都立駒込病院 病理科)
  • 雪竹 基弘(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 阿江 竜介(自治医科大学 地域医療学センター公衆衛生学部門)
  • 鈴木 忠樹(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 原田 雅史(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 三條 伸夫(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 野村 恭一(埼玉医科大学 医学部)
  • 高橋 和也(国立病院機構医王病院 統括診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
31,347,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
致死的な神経感染症であるプリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)の3疾患について、疫学、臨床病態の解明に基づき診断基準、重症度分類、診断ガイドラインを作成・整備することを目的した。
研究方法
本領域のエキスパートを結集した融合的研究組織を構築し、対象となる3疾患ごとに分科会を設置し、研究者間の緊密な連携をとりながら研究を推進した。プリオン病に関しては、「プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する研究班」等の関連研究班と密接に連携し、さらに全国のCreutzfeldt-Jakob病(CJD)担当専門医の協力を得ながら研究を推進した。また、国際共同研究、国際協力(プリオン病に関するEuroCJDグループとの共同研究ほか)を継続した。さらに、診療ガイドライン2020の作成に取り組んだ。
結果と考察
(1)プリオン病:プリオン病のサーベイランス・感染予防に関する調査・研究、二次感染リスクのある症例の抽出・監視、剖検率向上のためのシステム構築等を継続した。プリオン病コンソーシアムであるJapanese Consortium of Prion Diseaseにおけるプリオン病自然歴登録を推進し、サーベイランス調査と統合することでより充実した臨床疫学調査を目指した。’孤発性CJD’と診断されている症例の中に医原性CJDが含まれている可能性について検討を行った。MRI拡散強調画像による診断能向上、遺伝性プリオン病の一つであるGerstmann-Sträussler-Scheinker病の臨床疫学研究、現在の診断基準では診断が困難なMM2視床型孤発性CJDの臨床像の検討、100例のプリオン病剖検例の検討、医原性プリオン病の異常プリオン蛋白の株の違いによる感染性の検討、末梢臓器の異常プリオン蛋白検出のためのエンドポイントQUIC法による異常プリオン蛋白感染性の定量法の妥当性の検討を報告した。
(2) SSPE:SSPEの全国調査を新たに行い、平成24年以降に7名のSSPE患者が新たに発症していた。特定疾患治療研究事業データを用いた疫学調査を行った。沖縄におけるSSPE発生状況の解析から麻疹1,833人にSSPE1人の発症と推定された。SSPEの患者登録サイト設置に関する研究を行った。診断最適化の観点からのSSPE患者脳脊髄液麻疹抗体価陽性基準の検討、SSPE疾患感受性候補遺伝子の検索を行った。
(3) PML:サーベイランス調査票を改訂するなど、システムを改善しながらPMLサーベイランス委員会による全国疫学調査を継続した。JCウイルスゲノム検査を介した全国サーベイランスで12年間に252名の患者を確認し、さらに病理検体の解析によって、最近のPML発症の背景や臨床的特徴を明らかにした。PMLの画像所見や臨床病理所見の検討を行なった。
(4) 診療ガイドラインの整備等:3対象疾患それぞれの分科会において、「プリオン病診療ガイドライン2020」、「SSPE診療ガイドライン2020」、「PML診療ガイドライン2020」の原案を作成し、研究班班員の意見により改訂を行い、暫定版を作成した。暫定版を研究班HPにて公開しパブリックコメントを求めた。
結論
プリオン病、SSPE、PMLの3疾患について、疫学・臨床病態の解明研究、診断法の最適化、診断基準作成等のための研究、治療法の最適化研究を行い、それらに基づき3疾患の診療ガイドライン2020の暫定版を作成した。

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811046Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
40,750,000円
(2)補助金確定額
40,750,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 13,419,355円
人件費・謝金 9,536,624円
旅費 5,963,513円
その他 2,811,665円
間接経費 9,403,000円
合計 41,134,157円

備考

備考
自己資金384,157円

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-