文献情報
文献番号
201802001A
報告書区分
総括
研究課題名
医療行為にかかわる分類の国際比較とその改善や利用価値の向上に資する研究
課題番号
H28-統計-一般-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
- 波多野 賢二(国立精神・神経医療研究センター)
- 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター)
- 荒井 康夫(学校法人北里大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHOは国際統計分類(WHO-FIC)の中心分類として、国際疾病分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)、保健・医療関連行為に関する国際分類(ICHI)を設けている。ICHI は現在開発中であり、2018年4月にはICHI Beta 2018版に改定され、2018年5月からフェーズ1テストとして、各国の分類とICHIとのマッピングテストが行われた。この分析結果を反映させたICHI Beta-2 2018版が2018年10月に公表、今後フェーズ2テスト(ICHI-Fit)を行いICHI Pre-final版を完成させ、WHOの承認を目指している。
ICHIがWHOによって承認されると、国際統計報告、診療報酬体系等を含め、幅広く影響を及ぼす可能性があり、ICHIへの対応は急務である。外保連手術コード(以下、STEM7)とICHIコードと診療報酬手術コード(以下、Kコード)のマッピング作業を行うことは、ICHIがWHOに承認後の国内の対応が円滑に進むことが期待される。本研究の目的は、ICHI開発に参画し、情報収集・分析、ICHI暫定版の検証、国内意見の集約、ICHIに対する国内体制整備などを行うことである。
ICHIがWHOによって承認されると、国際統計報告、診療報酬体系等を含め、幅広く影響を及ぼす可能性があり、ICHIへの対応は急務である。外保連手術コード(以下、STEM7)とICHIコードと診療報酬手術コード(以下、Kコード)のマッピング作業を行うことは、ICHIがWHOに承認後の国内の対応が円滑に進むことが期待される。本研究の目的は、ICHI開発に参画し、情報収集・分析、ICHI暫定版の検証、国内意見の集約、ICHIに対する国内体制整備などを行うことである。
研究方法
ICHIの今年度の動向についてWHO-FICネットワークと緊密に連携するICHI Task Force Meetingの活動、および今後の予定について記述する。
Kコードは医科点数表(平成30年度版)、STEM7は外保連手術試案第9.1版(外保連試案2018年に掲載)、ICHIコードはICHI Beta-2 2018版を用いて、それぞれのコードの基本構造の違いについて具体例を提示しながら比較検討する。
Kコードは医科点数表(平成30年度版)、STEM7は外保連手術試案第9.1版(外保連試案2018年に掲載)、ICHIコードはICHI Beta-2 2018版を用いて、それぞれのコードの基本構造の違いについて具体例を提示しながら比較検討する。
結果と考察
2018年4月にWHO-FIC中間年次会議、9月にICHI Taskforce Meetingではフェーズ1テスト結果の分析を行い、10月にWHO-FIC年次会議でICHI Beta-2 2018版が公表された。2019年2月ICHI Development Meetingでは頻度の高い保健・医療関連行為100件のリストアップ案をドイツと共同で作成し、今後行われるフェーズ2テスト(ICHI-Fit)の方法について議論された。ICHIの情報収集や開発に参画した。今後は全世界で行われるICHI-Fit 結果を分析しICHI Pre-final版を完成、WHOの承認を目指している。
KコードからSTEM7へのマッピングについては、昨年度作成した一覧表および Kコードに複数の外保連手術コードがある場合にSTEM7を決定するために必要な「STEM7を細分化する時の注意点」の修正版を作成した。
ICHI Beta 2018版に対するフェーズ1テストにおいては、我が国では昨年度日本診療情報学会にKコードとICHIコードのマッピングテスト作業を委託し、今年度はその分析結果をICHI Taskforce Meetingに提出することができた。
KコードからSTEM7へのマッピングについては、昨年度作成した一覧表および Kコードに複数の外保連手術コードがある場合にSTEM7を決定するために必要な「STEM7を細分化する時の注意点」の修正版を作成した。
ICHI Beta 2018版に対するフェーズ1テストにおいては、我が国では昨年度日本診療情報学会にKコードとICHIコードのマッピングテスト作業を委託し、今年度はその分析結果をICHI Taskforce Meetingに提出することができた。
結論
ICHIは現在開発中でその最終段階にある。今回ICHIの動向について明らかにするとともに、STEM7とICHIコードを比較検討することでICHIコードを明確にすることができた。ICHIコードのExtension Codeは7桁のコードでは十分表現できないあるいは区別できなない保健・医療関連行為の分類を精緻化することが可能で、とても便利なコードであるが理解しにくい。Extension Codeの使用例を具体例に提示することでICHIの理解が深まれば、ICHI承認後の国内対応が円滑になることなども期待できる。
公開日・更新日
公開日
2019-12-10
更新日
-