プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201711087A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-036
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(神経内科学))
研究分担者(所属機関)
  • 水澤 英洋(国立精神・神経医療研究センター )
  • 西田 教行(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 佐々木 真理(岩手医科大学 医歯薬総合研究所 超高磁場MRI診断・病態研究部門)
  • 齊藤 延人(東京大学 医学部附属病院)
  • 岩崎 靖(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 高尾 昌樹(埼玉医科大学 医学部)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部)
  • 北本 哲之(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 濱口 毅(金沢大学 附属病院)
  • 細矢 光亮(福島県立医科大学 医学部)
  • 長谷川 俊史(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 楠原 浩一(産業医科大学 医学部)
  • 野村 恵子(熊本大学 医学部附属病院)
  • 岡 明(東京大学 医学部附属病院)
  • 遠藤 文香(岡山大学 岡山大学病院)
  • 鈴木 保宏(大阪府立病院機構大阪母子医療センター 小児神経科)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 三浦 義治(東京都立駒込病院 脳神経内科)
  • 原 由紀子(東京医科大学 医学部医学科)
  • 雪竹 基弘(佐賀中部病院 神経内科)
  • 阿江 竜介(自治医科大学 地域医療学センター公衆衛生部門)
  • 鈴木 忠樹(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 原田 雅史(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 三條 伸夫(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 野村 恭一(埼玉医科大学 総合医療センター神経内科)
  • 高橋 和也(国立病院機構医王病院 統括診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
35,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
致死的な神経感染症であるプリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)の3疾患について、疫学、臨床病態の解明に基づき診断基準、重症度分類、診断ガイドラインを作成・整備することを目的した。
研究方法
本領域のエキスパートを結集した融合的研究組織を構築し、対象となる3疾患ごとに分科会を設置し、研究者間の緊密な連携をとりながら研究を推進した。プリオン病に関しては、「プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する研究班」等の関連研究班と密接に連携し、さらに全国のCreutzfeldt-Jakob病(CJD)担当専門医の協力を得ながら研究を推進した。また、国際共同研究、国際協力(プリオン病に関するEuroCJDグループとの共同研究、SSPE多発地であるトルコ共和国との共同研究ほか)を継続した。さらに、診療ガイドライン整備に取り組んだ。
結果と考察
(1)プリオン病:プリオン病のサーベイランス・感染予防に関する調査・研究、二次感染リスクのある症例の抽出・監視、剖検率向上のためのシステム構築等を継続した。プリオン病コンソーシアムであるJapanese Consortium of Prion Disease (JACOP)におけるプリオン病自然歴登録を推進し、サーベイランス調査と統合することでより充実した臨床疫学調査を目指した。遺伝性プリオン病の一つであるGerstmann-Straussler-Scheinker病の臨床症候および検査所見についての研究、プリオン病患者における脳脊髄液(CSF)バイオマーカー及びRT-QUIC法の検討、MRI拡散強調画像による診断能向上、現在の診断基準では診断が困難なMM2皮質型孤発性CJDの診断基準案の提案、V180I遺伝性CJDの臨床病理学的研究を報告した。
(2)SSPE:SSPEの全国調査を新たに行った。特定疾患治療研究事業データを用いた疫学調査を行った。リバビリン治療例25例の特徴、沖縄におけるSSPE発生状況を報告した。診断最適化の観点からのSSPE患者CSF蛋白の網羅的な解析、SSPE疾患感受性候補遺伝子の検索を行った。
(3)PML:PMLサーベイランス委員会による全国疫学調査を行い、薬剤関連PMLを含む多くの症例の検討・登録を行い、そのデータによる解析で本邦では諸外国と比較してフィンゴリモド関連PMLの発病頻度が有意に高いことを示した。JCウイルスゲノム検査を介した全国サーベイランスで11年間に208名の患者を確認し、さらに病理検体の解析によって、最近のPML発症の背景や臨床的特徴を明らかにした。最近報告が増加しているナタリズマブ関連PMLの特徴を解析した。
(4)診療ガイドラインの整備等:3対象疾患それぞれの分科会において、「プリオン病診療ガイドライン2020」、「SSPE診療ガイドライン2020」、「PML診療ガイドライン2020」のクリニカルクエスチョン案を作成した。
結論
プリオン病、SSPE、PMLの3疾患について、疫学・臨床病態の解明研究、診断法の最適化、診断基準作成等のための研究、治療法の最適化研究を行い、それらに基づき3疾患の診療ガイドライン2020の出版に向けた作業を推進した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-06-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711087Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
44,950,000円
(2)補助金確定額
44,950,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 15,788,316円
人件費・謝金 11,619,027円
旅費 5,488,633円
その他 2,604,270円
間接経費 9,450,000円
合計 44,950,246円

備考

備考
自己資金 246円

公開日・更新日

公開日
2019-02-27
更新日
-