文献情報
文献番号
201621010A
報告書区分
総括
研究課題名
労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の開発に関する研究
課題番号
H28-労働-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
島津 明人(北里大学 一般教育部 人間科学教育センター)
研究分担者(所属機関)
- 西 大輔(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 精神保健計画研究部システム開発研究室)
- 荒川 豊(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科ユビキタスコンピューティングシステム)
- 黒田 祥子(早稲田大学 教育・総合科学学術院)
- 松平 浩(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
- 中田 光紀(産業医科大学 産業保健学部 産業・地域看護学)
- 梶木 繁之(産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では,(1)労働生産性の多面的測定手法の確立,(2)労働生産性の向上に寄与する健康増進手法について主要な職種・業種ごとのガイドラインの開発,(3)ガイドラインで提示された介入手法の有効性の科学的検証,(4)これらの手法の具体的な手順を示すマニュアルの開発,を目的とする。本研究では,生活への支障が大きい健康問題であるメンタルヘルスと腰痛に注目した。
研究方法
1年目にあたる本年度は,①労働生産性の測定手法の提案を行うために,労働生産性の測定手法を検討した。②主要な職種・業種ごとの健康増進手法に関するガイドラインの開発を行うために,主要な職種・業種ごとの健康増進に関するニーズと課題の分析を行った。③労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の開発を行うために,労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の検討を行った。
1. 労働生産性の測定手法の検討:心理社会的指標,生体工学的指標,経済学的指標に関して,文献レビューおよび実証データの解析を行った。
2. 主要な職種・業種ごとの健康増進に関するニーズと課題の分析:科学的根拠および産業保健スタッフ等への意見調査に基づき,ニーズと課題の抽出を行った。
3. 労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の検討:メンタルヘルスの向上手法に関して,ワーク・エンゲイジメント介入に関する文献レビュー,職場環境へのポジティブアプローチ,CREWに関する文献レビューおよび日本版CREWの実践,ジョブ・クラフティングに関する文献レビュー,ウェアラブル活動量計を用いた研究動向の調査,の5つの研究を行った。腰痛の予防手法に関しては,非特異的腰痛の予防に関して,人間工学的要因と心理社会的ストレスに注目した介入手法の文献レビューと好事例の収集を行った。
1. 労働生産性の測定手法の検討:心理社会的指標,生体工学的指標,経済学的指標に関して,文献レビューおよび実証データの解析を行った。
2. 主要な職種・業種ごとの健康増進に関するニーズと課題の分析:科学的根拠および産業保健スタッフ等への意見調査に基づき,ニーズと課題の抽出を行った。
3. 労働生産性の向上に寄与する健康増進手法の検討:メンタルヘルスの向上手法に関して,ワーク・エンゲイジメント介入に関する文献レビュー,職場環境へのポジティブアプローチ,CREWに関する文献レビューおよび日本版CREWの実践,ジョブ・クラフティングに関する文献レビュー,ウェアラブル活動量計を用いた研究動向の調査,の5つの研究を行った。腰痛の予防手法に関しては,非特異的腰痛の予防に関して,人間工学的要因と心理社会的ストレスに注目した介入手法の文献レビューと好事例の収集を行った。
結果と考察
本研究では,国内外の文献レビュー,実証データの解析を通じて,労働生産性の測定における心理社会的指標,生体工学的指標,経済学的指標に関して,有用な情報が得られた。また,科学的根拠および産業保健スタッフ等への意見調査に基づき,主要な職種・業種ごとの健康増進に関するニーズと課題が抽出された。さらに,労働生産性の向上に寄与するメンタルヘルス対策に関しては,ワーク・エンゲイジメントが鍵概念となり,組織へのアプローチと個人へのアプローチが有用である可能性が示された。勤労者の腰痛に対するリスクを身体的および心理社会的側面の双方から早期にかつ的確に把握することで職業性腰痛の発症・遷延化を回避できる可能性が高いことが示された。
結論
最終年度の終了時には,以下の3つの成果物が提供される予定である。
1. 労働生産性の多面的な測定手法の提案
2. 主要な職種・業種ごとの健康増進手法に関するガイドライン
3. 労働生産性の向上に寄与する健康増進手法のマニュアル
これら3つの成果物により,労働生産性の観点を踏まえた効果的かつ包括的な健康増進を推進することができ,社会全体の活性化につながることが期待される。
1. 労働生産性の多面的な測定手法の提案
2. 主要な職種・業種ごとの健康増進手法に関するガイドライン
3. 労働生産性の向上に寄与する健康増進手法のマニュアル
これら3つの成果物により,労働生産性の観点を踏まえた効果的かつ包括的な健康増進を推進することができ,社会全体の活性化につながることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2017-05-30
更新日
-