移植医療の社会的基盤に関する研究

文献情報

文献番号
201229030A
報告書区分
総括
研究課題名
移植医療の社会的基盤に関する研究
課題番号
H23-免疫-指定-018
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院 角膜センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大島 伸一(国立長寿医療研究センター)
  • 藤田 民夫(名古屋記念病院)
  • 藤堂 省(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 浅井 康文(雄信会函館新都市病院)
  • 嶋村 剛(北海道大学病院 移植外科学)
  • 高橋 公太(新潟大学大学院 腎泌尿器病態学)
  • 星長 清隆(藤田保健衛生大学 泌尿器科)
  • 有賀 徹(昭和大学医学部救急医学(脳神経外科))
  • 高原 史郎(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 相川 厚(東邦大学医学部)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 福嶌 教偉(大阪大学重症臓器不全治療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
22,609,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DAP(Donor Action Program)に基づき、提供施設医療従事者のニーズ分析を進める。そこから移植コーディネーター教育機関の設立に向けた基盤整備として、教育プログラムの設計、教育ツールの開発、指導指針の作成、実践的教育プログラムとなる日本版TPMを作成し導入を行う。また、将来的な事業化に向けての運用制度設計を実施する。
研究方法
1.DAP:Donor Action 財団からのライセンスの延長と同時に、有効性の高い施設に限定して実施し、具体的手法について改正法に準じた整備を進めた。
本質的に個人の努力から病院全体として取り組むための具体的手法のさら
なる確立、また各地での取り組みなど、必要な対策を見出すための報告を求め、その事がどのように有効に機能したかなどを各県報告からそれを明らかにする。さらに各地において、とりわけ積極的、かつ研究協力をいただいている施設に絞り、集中的にその施設での創意工夫なども明らかにする。
2.教育機関の基盤整備:これまでのDAPから蓄積されたデータを解析し、提供施設医療従事者のニーズを分析する。移植コーディネーター教育に必要な教育プログラム、教育ツール、指導指針・マニュアル、日本版TPM、制度設計の骨子を検討し、急性期領域における質管理者の教育を目的とした「クオリティマネジメントセミナー」にて実施項目に対してポストテスト・セミナーの評価の為のアンケートを実施する。

3.提供施設支援ツール開発:提供施設スタッフが、臓器提供プロセスを把握し、円滑に事例を進めることに有益なツールを開発する。脳死下臓器提供シミュレーションひな形に従い、実際に実施し各プロセスでの対応や書式の作成までを行う。また、提供施設スタッフ(主治医、看護師)が、臓器提供プロセスを把握し、円滑に事例を進めることに有益なツールを開発する(病状説明、適応表、ポテンシャルドナー把握、提供の流れ、書式など)。また、ドナー家族の精神的ケアに関して、臨床心理士会の協力を得て、直接面談の形式でドナー家族が抱える精神的問題点についてデータを集積する方法をとり、有益なシステム等を構築し、その運用方法を検討する。

4.ドナー評価・管理及び摘出手術の呼吸循環管理の体制整備:現在実施されている脳死臓器提供におけるドナー評価・管理、摘出、摘出時の呼吸循環管理と移植成績を調査し、欧米および韓国での教育方法、管理法と比較検討し、わが国に適したドナー評価・管理・摘出術の呼吸管理に関するシステムを構築する。
結果と考察
DAP導入の各地域からの報告と当分担研究者の経験から、各地での活動には一定の成果が表れている。
地域の温度差はあるものの、地域体制、院内体制などはほぼ完成形になってきている。一方でそれを遂行する医療従事者の教育やそれを指導する地域のリーダーについては、他の分担研究とも共同して、資質の高い担当者の育成と地域展開のための更なる努力が必要なところである。またドネーションやポテンシャル情報の多い地域は、臨床現場と移植医療担当部署との確立された連携のあるところであり、すなわちセクション毎では機能しても、それを連携に変える形の構築が今少し必要であるが、その中でもドナーディクテーションの要素を取り入れている施設の情報の豊かさ、ドネーション、さらに家族の満足度など好評価の報告であった。
結論
DAP導入の各地域からの報告と当分担研究者の経験から、各地での活動には一定の成果が表れている。
地域の温度差はあるものの、地域体制、院内体制などはほぼ完成形になってきている。一方でそれを遂行する医療従事者の教育やそれを指導する地域のリーダーについては、他の分担研究とも共同して、資質の高い担当者の育成と地域展開のための更なる努力が必要なところである。またドネーションやポテンシャル情報の多い地域は、臨床現場と移植医療担当部署との確立された連携のあるところであり、すなわちセクション毎では機能しても、それを連携に変える形の構築が今少し必要であるが、その中でもドナーディクテーションの要素を取り入れている施設の情報の豊かさ、ドネーション、さらに家族の満足度など好評価の報告であった。

公開日・更新日

公開日
2013-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201229030Z