文献情報
文献番号
201210015A
報告書区分
総括
研究課題名
政策創薬におけるヒューマンサイエンス総合研究(官民共同研究)の推進
課題番号
H23-政策創薬-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人 ヒューマンサイエンス振興財団(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 )
研究分担者(所属機関)
- 奥山 虎之(独立行政法人国立成育医療研究センター 臨床検査部)
- 野崎 智義(国立感染症研究所 寄生動物部)
- 高田 修治(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 システム発生・再生医学研究部)
- 満屋 裕明(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
- 内藤 幹彦(国立医薬品食品衛生研究所 機能生化学部)
- 山内 淳司(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 薬剤治療研究部)
- 最上 知子(国立医薬品食品衛生研究所 機能生化学部)
- 小野寺 雅史(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 生育遺伝研究部)
- 水口 裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 創薬基盤研究部)
- 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
- 奥田 晴宏(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
- 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
- 黒瀬 光一(国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部)
- 山田 雅巳(国立医薬品食品衛生研究所 変異遺伝部)
- 川端 健二(独立行政法人医薬基盤研究所 創薬基盤研究部)
- 浅沼 秀樹(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
- 穐山 浩(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
- 山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
- 望月 直樹(独立行政法人国立循環器病研究センター研究所 細胞生物部 )
- 山本 明彦(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 井上 直樹(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
- 脇田 隆字(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
- 功刀 浩(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部)
- 長谷川 秀樹(国立感染症研究所 感染薬理部)
- 倉根 一郎(国立感染症研究所)
- 保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
- 横田 恭子(国立感染症研究所 免疫部)
- 淺原 弘嗣(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 システム発生・再生医学研究部)
- 絵野沢 伸(独立行政法人国立成育医療研究センター 臨床研究センター)
- 阿久津 英憲(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 生殖・細胞医療研究部)
- 藤原 成悦(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 母児感染研究部)
- 石田 誠一(国立医薬品食品衛生研究所 薬理部)
- 野村 大成(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
- 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 再生医療センター)
- 佐伯 久美子(独立行政法人国立国際医療研究センター研究所 疾患制御研究部)
- 東 範行(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所)
- 井口 富夫(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 研究企画部)
- 山下 剛一(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 研究企画部)
- 香取 典子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
- その他(当研究班の分担者は310名。その他の分担者については研究報告書を参照。)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬マッチング研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
595,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究事業は、長寿社会における保健・医療・福祉に関する政策的課題解決に貢献するため、国立試験研究機関のシーズと民間企業のニーズをマッチングした官民共同研究により、医療上未充足あるいは政策的に対応を要する疾患領域に対する優れた医薬品・医療機器の開発や、新規医療技術の創製に必要な画期的・独創的な共通基盤技術を開発するなど、先導的な研究成果の獲得を目指す。
研究方法
本研究事業は、民間研究機関と国立試験研究機関等との共同研究方式を基本形態とし、大学等の参加も認める。国立試験研究機関の研究代表者は、共通の問題点の克服を企図して研究組織を構築することにより、それぞれの特色を生かして研究目的を達成する。研究分野は、①医療上未充足の疾患領域における医薬品開発に関する研究、②医薬品開発のための評価科学に関する研究、③政策的に対応を要する疾患等の予防診断・治療法等の開発に関する研究、④医薬品等開発のための先端的技術・方法の開発の4研究分野に絞って実施した。研究課題は、外部委員で構成される評価委員会により中間評価および事後評価を行い、さらに本研究事業に係る重要事項を審議する共同研究委員会で、継続の可否を含めて最終評価を行った。また、財団が実施する調査研究や各種セミナーでは、「政策的に創薬に取り組むべき疾患等の調査研究」と「創薬技術・戦略に関する調査研究」を軸として調査活動を展開し、先端技術の医療・医薬等に焦点をあてたセミナーでは、共同研究分野の課題を中心に取り上げ、研究の進展の支援とともに情報提供を通じた官民のマッチング環境の整備に努めた。
結果と考察
本年度からは政策創薬マッチング研究と名称変更し、官民共同研究の特色と目的をさらに明確にして実施するため、新規課題・継続課題を含めて大幅な組み直しを図った。本年度は、企業85社、国立試験研究機関9機関、大学39校、団体・試験研究法人等14機関が参加し、官民共同研究を実施した。新たに開始した官民共同研究が26課題、継続が10課題であり、計36課題を実施した。なお、本年度で終了した課題は6課題であった。官民共同研究による成果としては、評価科学に関する研究分野において、医薬品の品質管理戦略構築のための方法の提示や分析法の標準化を進め、ガイドラインの基本となる科学的評価方法の基盤作りを達成した。政策的な展開が求められる感染症等の研究課題として、ワクチンに関連する研究等を推進し、ワクチン開発への道筋をつけた。また、ヒト組織・細胞を利用する研究は医薬品創製の基盤となるものであり、再生医療の推進に向けて着実な進展を見た。さらに、臨床研究の基盤整備を行い、早期診断の実施や臨床研究の開始に繋げた。これらの成果は、いずれも、課題解決に向けて官民共同研究の特色を生かして研究活動を展開したことにより達成されたものである。財団が実施した調査研究では、医療ニーズ等に関する調査研究や各種セミナーなど、情報提供を通じた官民共同研究の推進ならびにマッチング環境整備についても継続的に推進した。創薬技術・戦略に関する調査研究では、欧米各国における創薬に関連する科学・技術の進展と先端的医療技術開発の現状等を調査・分析するとともに、本邦におけるライフサイエンス分野発展の方向性について提言を行った。これらの活動では、主に医薬関連企業の研究者が研究シーズ・ニーズを探るべく国立試験研究機関・大学等の研究者からヒアリングを行い、官民共同研究を推進する駆動力としての役割を果たした。さらに、厚労省所管の国立試験研究機関の研究を医薬関連企業の研究者に広く紹介することにより、官民共同研究のマッチングを推進することに繋げた。本研究事業で得られた成果は、報告書での公表のみならず、研究成果発表会等を開催するなど広く国民に公開する予定である。
結論
本研究事業は、官民それぞれ単独では達成が難しい課題に対し、官民の研究機関の共同研究を可能とすることにより、相乗的な研究の進展あるいは解決を実現する役割を果たしてきた。本年度から新たに開始した官民共同研究が26課題、継続が10課題であり、計36課題を実施した。それぞれの研究成果は、課題解決に向けて官民共同研究の特色を生かして研究展開したことにより獲得した。財団が実施した調査研究は、官民共同研究における研究のシーズあるいはニーズの掘り起こしおよびマッチング環境の整備を目的として実施し、セミナー等の開催と調査研究報告書等による情報提供を行った。これらの成果は、今後広く国民に公開する予定である。本年度の研究事業で得られた成果は、民間企業の創薬におけるニーズと国立試験研究機関のシーズとのマッチングによるものであり、次なる官民共同研究の核として結実し得るものである。
公開日・更新日
公開日
2013-08-27
更新日
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