薬剤師需給動向の予測に関する研究

文献情報

文献番号
201132047A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤師需給動向の予測に関する研究
課題番号
H22-医薬・指定-038
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
望月 正隆(一般社団法人 薬学教育協議会)
研究分担者(所属機関)
  • 坂巻 弘之(名城大学薬学部)
  • 長谷川 洋一(名城大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、ア.6年制教育を経て養成される薬剤師の社会的需要ならびに6年制教育導入後の供給の動向に影響を与える要因の抽出・整理、イ.それらをパラメータとして、需給を予測するための手法・モデルの確立、ウ.実際に6年制教育の卒業生の就職動向を盛り込んだ需給モデルの精緻化の3点を研究目的として、それぞれ3カ年にかけて実施するものである。平成23年度は、平成22年度に収集した薬剤師需給に係るファクトデータ及びフォーカスインタビューから得られたニーズを勘案し、
1.平成22年医師歯科医師薬剤師調査結果等に基づくファクトデータの更新
2.職域毎の要因を把握するため、新規にフォーカスインタビューを実施し、需要予測
を行った。
研究方法
ファクトデータの更新は、みずほ情報総合研究所に委託した。フォーカスインタビューは、薬剤師の主たる勤務先である病院、ドラッグストアの他、OTC製薬企業、医薬品卸売企業、受託臨床試験実施機関を対象に行った。
結果と考察
薬剤師総数は、年々増加しており、22年間で92.8%の増加(対2年前で約6%増)であった。男女比は、4対6で女性の割合が微増する傾向が続いていた。地域分布では都市部に薬剤師が集中する傾向があり、都道府県の各二次医療圏間で1.2?11.8倍(対2年前で0.1倍減)の格差が存在していた。また、平成21年度及び平成22年度は、新たな学部卒業生のでない空白の2年間となり、需要面では増加傾向となっており、医師不足のような人材不足を懸念する傾向は依然認められなかった。
平成22年度に調査した製薬企業においては、必ずしも薬剤師資格を要しないが、医薬品流通業、一般用医薬品製造業では、薬剤師のニーズが高いことが伺えた。また、病院や薬局では、これまでの調剤中心の業務から、患者の薬物治療への関与に業務内容がシフトしており、6年制卒薬剤師の期待も大きいことが考えられ、実務実習の経験が進路選択に働いているという点が特徴的である。
結論
6年制卒薬剤師は、給与面では、修士修了者と同等とされ、6年間掛けて学んだことの専門的知識・能力の発揮が望まれている。また、総じて見ると、業種によらず、コミュニケーション能力を重視する傾向にあり、知識だけでなく、仕事に対する関心の持ち方、薬学を学ぶことの理由など、単に大学を卒業しただけでなく、大学で何をどのように学習してきたのかが求められている。

公開日・更新日

公開日
2012-09-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132047Z