移植医療の社会的基盤に関する研究

文献情報

文献番号
201126040A
報告書区分
総括
研究課題名
移植医療の社会的基盤に関する研究
課題番号
H23-免疫・指定-018
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院 角膜センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大島 伸一(国立長寿医療研究センター)
  • 藤田 民夫(名古屋記念病院)
  • 藤堂 省(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 浅井 康文(札幌医科大学 救急集中治療部)
  • 嶋村 剛(北海道大学病院 移植外科学)
  • 高橋 公太(新潟大学大学院 腎泌尿器病態学)
  • 星長 清隆(藤田保健衛生大学 泌尿器科)
  • 有賀 徹(昭和大学医学部救急医学(脳神経外科))
  • 高原 史郎(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 相川 厚(東邦大学医学部)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 福嶌 教偉(大阪大学重症臓器不全治療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
32,970,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DAP(Donor Action Program)に基づき、コーディネーター教育機関の設立に向けた基盤整備として、教育プログラムの設計、教育ツールの開発、指導指針の作成、実践的教育プログラムとなる日本版TPMの作成を行う。また、将来的な事業化に向けての運用制度設計を実施する。
研究方法
①DAP:Donor Action 財団からのライセンスの延長と同時に、有効性の高い施設に限定して実施し、具体的手法について改正法に準じた整備を進めた。
②教育機関の基盤整備:移植コーディネーター教育に必要な教育プログラム、教育ツール、指導指針・マニュアル、日本版TPM、制度設計の骨子を検討し、「クオリティマネジメントセミナー」にて実施項目に対してポストテスト・セミナーの評価の為のアンケートを実施した。
③提供施設の整備:救急・小児提供施設に対し、アンケート調査を施行し、①体制整備の状況、問題点の明確化、②小児臓器提供の円滑推進、ルールの改訂、支援体制の在り方について検討した。
④提供施設支援ツール開発:提供施設スタッフが、臓器提供プロセスを把握し、円滑に   事例を進めることに有益なツールを開発する。
⑤ドナー評価・管理及び摘出手術の呼吸循環管理の体制整備:現在実施されている成績の検討、欧米・韓国での管理法との比較、わが国にあったマニュアルを作成すると同時に研修会を実施する。
結果と考察
DAPの導入病院をはじめ全体の動向及び個別の施設の問題を把握し、絞り込んだ教育、計画が必要であり、ドナー候補者の特定、臓器提供の同意を得るために必要な能力、知識に関しての教育研修に重点を置くべきであることが考えられた。
重症患者の入院から情報提供をすることができ、また医学的な評価をもとに家族に対し、そのケアを行う、質の高い管理者の役割が重要であり、その養成が必須である。
教育内容のバランス、教育方式を検討中である。
結論
院内システム構築には、患者搬入時からの取り組みが必要で、臓器提供へとつながる流れを構築していくように医療機関啓発活動が必要である。そのためには重症患者のケアにおける質管理者(クオリティー・マネジャー)の役割を担う者の育成こそが移植医療の基盤構築に繋がる。このようなプログラムを実施できる機関が必要であり、日本版TPMを事業化することに向け研究を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2012-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126040Z