MSMのHIV感染対策の企画、実施、評価の体制整備に関する研究

文献情報

文献番号
201124034A
報告書区分
総括
研究課題名
MSMのHIV感染対策の企画、実施、評価の体制整備に関する研究
課題番号
H23-エイズ・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
市川 誠一(公立大学法人名古屋市立大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 金子 典代(公立大学法人名古屋市立大学 看護学部)
  • 伊藤 俊広(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)
  • 内海 眞(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院)
  • 鬼塚 哲郎(京都産業大学文化学部)
  • 山本 政弘(独立行政法人国立病院機構九州医療センターAIDS/HIV総合治療センター)
  • 健山 正男(国立大学法人琉球大学大学院医学研究科感染病態制御学講座分子病態感染症学分野)
  • 木村 哲(東京逓信病院)
  • 岡 慎一(独立行政法人国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター)
  • 多田 有希(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 本間 隆之(山梨県立大学看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
67,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
MSMの早期受検を促進しAIDS患者発生を減少させるとともに、予防行動の向上によりHIV感染の拡大を抑えることを目標とする。仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄地域で当事者NGOが取り組むコミュニティセンター事業と協働し、MSMのソーシャルネットワークを活用した介入とその評価分析の研究を行う。
研究方法
1.エイズ予防のための戦略研究の効果評価と政策還元(分担:木村哲、岡慎一、協力:高野操)
2.地域のMSMにおけるHIV感染対策の企画、実施に関する研究(分担:伊藤俊広/東北、市川誠一/首都圏、内海眞/東海、鬼塚哲郎/近畿、山本政弘/九州、健山正男/沖縄)
3.MSMにおける行動科学調査および介入評価研究(分担:金子典代、本間隆之、多田有希、協力:塩野徳史、岩橋恒太、他)
4.自治体におけるMSMのHIV感染対策構築に関する研究(協力:中澤よう子、川畑拓也、他)
結果と考察
1)エイズ予防戦略研究では、NGOの啓発資材はMSMに訴求性を示し、首都圏では定点保健所の受検者中に占めるMSM割合、男性受検者中のHIV陽性割合が上昇した。阪神圏の定点クリニックではMSM受検者が増加し、陽性割合は5.5%であった。2010年のエイズ患者報告数は首都圏では推計値より16.1%減少した。2)6地域のNGOは戦略研究の成果を参考に、保健所やクリニックでのHIV検査促進および予防啓発の企画と実施に取り組んだ。3)全国成人男性対象のインターネットおよび郵送法による質問紙調査により、MSMの人口推定、検査行動、予防行動、商業施設の利用等を把握した。4)コミュニティベースの横断調査から追跡可能なパネル調査法を開発し、普及啓発の効果を評価する新たな手法を構築した。5)7都府県で、MSM対象の検査普及を評価する保健所等の受検件数調査、受検者対象質問紙調査を開始した。6)東京、福岡のNGO啓発プログラムについてロジック分析を試行した。7)サーベイランスデータを基にMSMにおけるHIV、梅毒等の動向を分析した。8)NGOと行政の協働による施策構築に向け連絡会議等を実施した。
結論
エイズ予防戦略研究では、当事者NGOと関係機関の協働体制を構築し、検査普及や予防介入に関する啓発事業と効果評価を行う研究を連動させて取り組むことの有効性が示された。
6地域で当事者参加型の研究体制に行政担当者を交え、MSMのHIV感染対策の企画、実施、評価の体制整備をめざした。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201124034Z