国際的なバイオリスク管理の基準に基づく病原体取扱いと管理のモデル総合システムの構築と検証に関する研究

文献情報

文献番号
201123043A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的なバイオリスク管理の基準に基づく病原体取扱いと管理のモデル総合システムの構築と検証に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 和良(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 佐多 徹太郎(富山県衛生研究所)
  • 御手洗 聡(公益財団法人結核予防会結核研究所・抗酸菌レファレンス部)
  • 清水 博之(国立感染症研究所 ウイルス2部)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス1部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 藤本 秀士(九州大学医学研究院 保健学部門)
  • 有川 二郎(北海道大学大学院 医学研究科微生物学講座)
  • 奈良 武司(順天堂大学医学部 熱帯医学・寄生虫病学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
35,636,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国内では、感染症法に記載のある設備と機器の要件以外の基準を導入している施設も、系統的リスク評価の実施やバイオリスク管理の実効性の検討等のいずれも報告がない。本研究では、国際的バイオリスク管理基準等の分析や、研修方法の事例収集、バイオリスク管理機構の設計と構築をを実施し、総合モデルとなる2?3か所の特徴的施設を設定し、導入前後での研究活動におけるインパクトを3年間で検証する。国内普及と定着に向けた提言と、国内の用途目的に合わせた実験室設計の提案を行う。併せて、病原体取扱い施設や指導者の認証の仕組みにの設立と学生実習から特定病原体の研究に至る管理についての提言を行う。
研究方法
国際的バイオリスク管理基準や欧米の指針の比較調査と分析を実施し、バイオリスク委員会の役割の設定、試料管理を含む管理運用の仕組みの構築、バイオリスク評価の導入、教育研修プログラム導入を2?3か所の特徴的施設の協力を得て設計し、導入前後での研究活動におけるインパクトを検証する。
結果と考察
モデル実験室の候補を選定し、国際的資料を参考にデザイン設計を開始し、同時に導入可能な運用プログラムを調査し、成人教育のノウ・ハウを付加した。事故対応の演習用3Dプラットフォームの改良に必要な分析を終了し、バーチャル空間設計に着手した。 CWA15793基準に基づきバイオセーフティ専門家に求められる能力、技能、使命等に関するCWA16335の成立に参画した。高圧蒸気滅菌にの条件と効果の検証及び病原体輸送容器の耐用性に関し検討した。地衛研等診断施設の病原体等の輸送と移動の現状調査を実施した。結核菌について既存の二次元バーコードを用いた電子インベントリを構築した。ドライアイスによる輸送用国連規格二次容器の破裂事故を受けて、事故の発生経過の検証、要因の特定、リスク緩和のための対策の検討を行い、梱包用4次容器を作成し、厚生労働省が予定している梱包と輸送の研修の項目へ反映した。
結論
本研究班は、管理基準の効果を示し、病原体等取扱い施設のバイオリスク管理体制の確立に有用な指標を提供する。感染症法に期待されている病原体等の適正な取扱いについての具体像をモデル実験室として示し、研究者および関係施設への浸透に貢献する。国際基準を基盤とし、国際的研究協力を容易にし、人材交流の促進を期待できる。増加する封じ込め施設における今後の運用経費の削減にも寄与する。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123043Z