高齢がん患者の治療開始および中止における意思決定能力の評価およびその支援に関する研究

文献情報

文献番号
201119032A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢がん患者の治療開始および中止における意思決定能力の評価およびその支援に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
明智 龍男(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 内富 庸介(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 岡村 仁(広島大学大学院 保健学研究科)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
  • 小川 朝生(国立がん研究センター東病院臨床開発センター)
  • 奥山 徹(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,426,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、超高齢化社会において、患者、家族が、がん治療に際して納得のいく意思決定を行い、質の高い療養を可能とするような支援プログラムの開発を目的とする。今年度は以下の研究を行った。
1)高齢がん患者のニードに基づくQOL向上に関する研究
高齢がん患者の支援ニードを検討する。
2)がん患者の意思決定能力の評価法に関する研究
認知症高齢者の意思決定能力を評価する。
3)高齢がん患者のリハビリテーションに関する研究
「速度フィードバック療法」の有効性を検証する
4)高齢がん患者のニードをもとにした身体症状緩和プログラムに関する研究
高齢がん患者の症状、ニード、知識や認識についての実態を把握する。
5)がん患者の意思決定能力の評価法に関する研究
治療前がん患者の治療同意能力とその低下要因を検討する。
6)高齢がん患者における心身の状態の包括的評価方法に関する研究
脆弱性スクリーニングツールVulnerable Elders Survey (VES-13)日本語版の有用性を検討する。
研究方法
研究毎に示した。
1)抗がん剤治療を受療中のがん患者にサーベイランスを行った。
2)認知症患者にMacArthur Competence Assessment Tool-Treatment (MacCAT-T)を施行する。
3)Frontal assessment battery at bedside(FAB)が16点以下のがん患者に対する「速度フィードバック療法」の有効性を無作為化比較試験で検証する。
4)外来化学療法を新規に開始されたがん患者に「生活のしやすさに関する質問票」を施行する。
5)薬物療法予定のがん患者にMacCAT-T、MMSEを施行する。
6)血液がん患者に、VES-13、身体的機能、抑うつ気分、認知機能障害の評価を行う。
結果と考察
研究毎に示した。
1)高齢がん患者にも概ね若年者と同等の支援のニードが存在し、若年者同様、包括的な支援を提供する必要性があることが示された。
2)MacCAT-T日本語版の信頼性が高いことが示された。
3)59名の参加を得た。
4)高齢患者では総じて症状の頻度が低く、サービス利用を含めたニードに関しては高齢患者と壮年患者のあいだで相違なく、総じて頻度が低かった。
5)。意思決定能力の障害を52名中14名に認めた。
6)38名中13名が脆弱群であった。
結論
高齢がん患者に意思決定能力の障害がみられることは稀ではないことごが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119032Z