地域におけるがん患者等社会的支援の効果的な実施に関する研究

文献情報

文献番号
201119029A
報告書区分
総括
研究課題名
地域におけるがん患者等社会的支援の効果的な実施に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石川 睦弓(静岡県立静岡がんセンター 患者・家族支援研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 国彦(埼玉医科大学 国際医療センター 呼吸器内科)
  • 奥原 秀盛(静岡県立大学 看護学部)
  • 大野 ゆう子(大阪大学 大学院 医学系研究科 総合ヘルスプロモーション科学)
  • 吉田 隆子(日本大学 短期大学部 食物栄養学科)
  • 北村 周子(財団法人三重県健康管理事業センター 三重県がん相談支援センター)
  • 河村 裕美(特定非営利活動法人 女性特有のガンのサポートグループ オレンジティ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,033,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、がん医療が外来・在宅医療へとシフトするなかで、患者の主たる生活領域である地域社会におけるがん患者や家族のための社会的支援を整理して可視化し標準化をすすめ、支援の具体的方法については、地域の実情にあった方法を都市型・町村型の実証モデルで示し、効果的な社会的支援の手法を確立することをめざしている。
研究方法
(1)社会的支援の標準化をすすめるため、枠組みを整理した。まず、静岡分類法で分類されている3つの悩みデータベースの分析結果に基づき、がん患者や家族の悩みや負担を5項目に集約した。次に、聞き取り調査結果に基づき、がん患者や家族に対する社会的支援を構成する項目を抽出した。(2)地域特性にあわせた社会的支援の具体的方法を示すために、支援提供主体が異なる3つの支援活動に基づき、実証モデルの検証をすすめた。(3)社会的支援などが有効に機能しているかを評価する指標を開発する。(4)情報支援ツールとしてモバイル情報ツールを開発する。
結果と考察
がん患者や家族が抱える悩みや課題に対する社会的支援を構成する項目として、支援の種類:交流、相談、情報提供の3項目、支援のための整備項目:支援手法、規定やマニュアル、人材配置、費用、アクセス、広報、人材育成、評価手法の8項目、支援の際に配慮する項目:病期、家族構成、治療の状況、持続する症状や障害、資源の数と種類の5項目、を抽出した。社会的支援の実証モデルに関しては、さまざまなタイプの実証モデルを公開することで、地域特性にあわせた活動展開への応用が可能と考え、支援提供主体が、医療者、行政機関、患者団体と異なる3モデルで、検証をすすめた。評価指標の一つとして、日常診療や療養で使用できるQOL調査票を開発中である。情報ツールとして、モバイル情報ツールの携帯性・利便性に注目し、web版がんよろず相談Q&AサイトのスマートフォンサイトとEPUB形式の電子書籍8種類を作成・公開した。
結論
患者視点の枠組みを用いて社会的支援を整理し標準化をすすめることで、客観的にも理解し普及しやすく、地域や医療機関でバラツキが少なくすることが可能と考える。社会的支援の具体的方法に関しては、複数パターンの実証モデルを示すことで、全国への普及、地域特性にあわせた活動展開への応用が期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119029Z