重症新生児のアウトカム改善に関する多施設共同研究

文献情報

文献番号
201117011A
報告書区分
総括
研究課題名
重症新生児のアウトカム改善に関する多施設共同研究
課題番号
H22-次世代・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
藤村 正哲(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学母子保健総合医療センター)
  • 森 臨太郎(国際母子保健研究所)
  • 上谷 良行(兵庫県立子ども病院)
  • 田村 正徳(埼玉医科大学総合医療センター)
  • 板橋 家頭夫(昭和大学医学部)
  • 河野 由美(自治医科大学総合周産期母子医療センター)
  • 長谷川 久弥(東京女子医科大学東医療センター)
  • 中村 友彦(長野県立子ども病院)
  • 南 宏尚(社会医療法人愛仁会高槻病院)
  • 和田 和子(大阪大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター)
  • 太田 英伸(国立精神・神経医療研究センター)
  • 平野 慎也(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
25,958,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の中核的周産期医療施設(総合・地域周産期母子医療センター)における新生児集中治療に関する医療と医療提供体制の標準化と医療の質の改善を目的とした介入を行う。総合周産期母子医療センターネットワークを構成して、NICUに入院した極低出生体重児に関するデータベース(周産期因子とアウトカム)を構築する。罹病率・死亡率・発達障害発症率・成長発達予後等をアウトカム指標とする。指標のベンチマークを平均値と範囲で明示して、各施設が班から提示された自施設指標を用いて自己評価できるツールを提供して独自に弱点を見出し、診療の改善を行ってアウトカムの向上を図り、さらに次の課題改善へと向かうサイクルを形成する。
研究方法
全データベースの調節後死亡率を基準値として、各施設別に、その施設の調節後死亡率の偏りに関与する周産期因子の重みを解析して、施設に対する改善の処方箋を明示する手法を推進する。
周産期医療のアウトカム(予後)の評価に不可欠な、統一したフォローアップ体制の整備を続ける。1990年から全国の新生児集中治療施設の協力を得て実施している超低出生体重児の長期予後調査を継続する。2005年超低出生体重児の慢性肺疾患全国調査に引き続く2009年同調査を実施する。
新生児臨床研究ネットワークが多施設ランダム化比較臨床試験を6課題実施した実績をもとに、さらに臨床的課題について開発的研究を推進する。
結果と考察
NRNに入院した極低出生体重児全数の周産期データベースが構築できた。ベンチマーク手法を用いて、個々のNICUが医療の質を自己評価するツールが提供された。全体と個々の施設のデータベースを用いて、統計的手法で個々の施設の周産期因子に見られる長所と短所を明示する手法が開発された。
結論
周産期母子医療センターの医療の質を向上させ、又多施設臨床比較試験の実行組織が構築できる。
すべての総合周産期母子医療センターNICUが参加するネットワークNRNを維持・発展できる。
周産期母子医療センターの医療成績を向上させ、わが国の新生児死亡率を世界最高水準に維持するための実効的な役割に貢献できる。研究班参加施設の極低出生体重児生存率の改善率は全国を上回っている。
NICU退院児のフォローアップ組織を育成して、周産期医療のアウトカム検証に貢献できる。全国に新生児蘇生プログラムを普及させ、新生児仮死の予防に貢献できる。
全国のNICUに医師と看護者の協働モデルを提案することによってNICU床の適正運用の対策とすることが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2012-12-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201117011Z