公的年金の直面する要検討課題に対する理論・実証研究

文献情報

文献番号
201101020A
報告書区分
総括
研究課題名
公的年金の直面する要検討課題に対する理論・実証研究
課題番号
H22-政策・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 均(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 森平 爽一郎(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
  • 首藤 惠(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
  • 宇野 淳(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
  • 米澤 康博(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,710,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
公的年金制度が直面する問題について積立金の運用リスク管理を中心とした多面的な研究を実施し, その研究成果を社会へと還元する過程において, 公的年金積立金の運用・リスク管理に関して政策提言を行う.
研究方法
本研究課題では
(1) 公的年金積立金の運用・リスク管理に関する研究
(2) 株式所有構造が株価形成・流動性に与える影響の分析
(3) 年金投資家と企業の社会的責任(CSR), 社会的責任投資(SRI)
の3つの視点から研究を実施した. 研究分担者は, 各自の専門領域に応じて, いずれか一つの研究を担当し, その成果として論文6編が報告書に掲載された.

結果と考察
(1) 公的年金積立金の運用・リスク管理に関する研究
大森・米澤論文では, 賃金上昇率と金利, 株式リターンとの関係について2期間モデルを用いて解明することを試みた. 森平論文では, 企業の債務不履行(デフォルト)確率の推定方法として代表的な, 「統計アプローチ」,「構造型アプローチ」,「誘導型アプローチ」の3種類について, それらを統合した「ハイブリッドアプローチ」を提案した. 竹原論文は仮にFama and French (1993)の3ファクターモデル等により, マネージャー・スキルをより正確に測定できたとしても, スキルの持続性はそれほど強くはないことを明らかとしている.
(2) 株式所有構造が株価形成・流動性に与える影響の分析
宇野・柴田論文は, 東証Arrowhead稼働後の価格発見の変化について, ティックデータを使用した実証分析を実施した.
(3) 年金投資家と企業の社会的責任(CSR), 社会的責任投資(SRI)
首藤・竹原論文では, 雇用, 社会貢献, 製品の安全性・企業情報セキュリティー, 内部統制・リスク管理, 環境保護の5分野について, 独自の評価インデックスを開発し, それらを用いて株式所有構造とCSPとの関係について分析を行った.
結論
研究計画期間の2年目である平成23年度においては, 年金積立金管理運用独立行政法人による公的年金積立金の資産運用, および同法人の行動が資本市場と企業活動に与える影響について, 理論と実証研究を並行的に実施した.
理論・実証研究の結果から, 年金積立金管理運用独立行政法人の現行の基本ポートフォリオ, リスク管理体制については改善の余地がある他, キャッシュアウト, 議決権行使のあり方に関する提言につながる多くの知見が得られた.

公開日・更新日

公開日
2012-11-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101020Z