文献情報
文献番号
201029015A
報告書区分
総括
研究課題名
HIVの感染防止、AIDS発症防止に関する免疫学的基礎研究
課題番号
H21-エイズ・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森 一泰(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 松尾 和浩(日本ビーシージー製造株式会社 日本BCG研究所)
- 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター )
- 高橋 秀宗(国立感染症研究所 感染病理部)
- 庄司 省三(熊本大学 大学院生命科学研究部)
- 玉村 啓和(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所)
- 志田 壽利(北海道大学 遺伝子病制御研究所)
- 三浦 智行(京都大学ウイルス研究所感染症モデル研究センター)
- 保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
- 高橋 秀実(日本医科大学 微生物免疫学教室)
- 高久 洋(千葉工業大学 工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
32,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HIV-1ワクチン開発における基礎課題として1)感染制御に働く宿主応答の解明、2)プライム・ブーストワクチンの開発、3)広域中和抗体誘導、4)細胞性免疫増強、5)ワクチン評価モデル開発について研究を行う。
研究方法
1)糖鎖変異SIV: d5Gが誘導する感染防御に働く宿主応答を解析した。
2)臨床研究を前提にBCG, ワクシニアワクチン株を用いたプライム・ブーストワクチンの有効性を検討した。
3)ウイルスとレセプターの相互作用部位を標的とする抗体を誘導する抗原としてa) 化学合成、b) Core-Envの有用性を検討した。c) 国内感染者から中和抗体遺伝子を分離し解析した。d) 腸粘膜組織での感染を中和するワクチンを開発した。
4)抗酸菌分泌抗原Ag85B遺伝子を弱毒SHIVに組み込み、Ag85Bの細胞性免疫増強について解析した。CTL誘導と関連するDCサブセットについて解析した。Gag発現バキュロウイルス(BV)の細胞性免疫への影響を解析した。
5)HIV Envを抗原とするワクチン評価に用いるSHIV-ENVを作成した。
2)臨床研究を前提にBCG, ワクシニアワクチン株を用いたプライム・ブーストワクチンの有効性を検討した。
3)ウイルスとレセプターの相互作用部位を標的とする抗体を誘導する抗原としてa) 化学合成、b) Core-Envの有用性を検討した。c) 国内感染者から中和抗体遺伝子を分離し解析した。d) 腸粘膜組織での感染を中和するワクチンを開発した。
4)抗酸菌分泌抗原Ag85B遺伝子を弱毒SHIVに組み込み、Ag85Bの細胞性免疫増強について解析した。CTL誘導と関連するDCサブセットについて解析した。Gag発現バキュロウイルス(BV)の細胞性免疫への影響を解析した。
5)HIV Envを抗原とするワクチン評価に用いるSHIV-ENVを作成した。
結果と考察
1)d5Gは多様なウイルスに対する感染防御効果を示し、初期感染では、個体差、ウイルス多様性の影響は少なく、感染抑制との関連から Treg関連遺伝子、CD83, CD14遺伝子、 NKレセプター遺伝子の高発現を見出した。慢性感染では、IL-15応答性CD8+細胞と感染制御との相関を明らかにした。
2)SIV抗原高発現rBCG、rVV LC16m8dを作成し、ワクチン評価実験を開始した。LC16m8dとセンダイベクターにより細胞性免疫と抗体の誘導に成功した。
3)有機合成により種々のワクチン抗原:gp41-N36の3量体、CD4/コレセプターbinding領域等を合成し、中和抗体誘導能を調べた。Core-Envを調製し、広域中和能を示す多種類の単クローン抗体を作成した。senju vaccineによる中和抗体誘導と交叉免疫により抗体価の維持を見出した。
4)Ag85Bの細胞性免疫のアジュバント効果が示された。CTL誘導におけるDEC-205陽性DC役割を明らかにした。Gag発現BVの細胞性免疫誘導能を明らかにした。
5)広域中和抗体研究への貢献が期待されるCCR5指向性のSHIVを短期間に作製した。
2)SIV抗原高発現rBCG、rVV LC16m8dを作成し、ワクチン評価実験を開始した。LC16m8dとセンダイベクターにより細胞性免疫と抗体の誘導に成功した。
3)有機合成により種々のワクチン抗原:gp41-N36の3量体、CD4/コレセプターbinding領域等を合成し、中和抗体誘導能を調べた。Core-Envを調製し、広域中和能を示す多種類の単クローン抗体を作成した。senju vaccineによる中和抗体誘導と交叉免疫により抗体価の維持を見出した。
4)Ag85Bの細胞性免疫のアジュバント効果が示された。CTL誘導におけるDEC-205陽性DC役割を明らかにした。Gag発現BVの細胞性免疫誘導能を明らかにした。
5)広域中和抗体研究への貢献が期待されるCCR5指向性のSHIVを短期間に作製した。
結論
当初の計画はほぼ達成された。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
-