膵がん切除例に対する補助療法の向上を目指した多施設共同研究

文献情報

文献番号
201020063A
報告書区分
総括
研究課題名
膵がん切除例に対する補助療法の向上を目指した多施設共同研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-022
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
上野 秀樹(国立がんセンター中央病院 肝胆膵内科)
研究分担者(所属機関)
  • 松山 裕(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 生物統計学 )
  • 上野 秀樹(国立がんセンター中央病院 消化器内科)
  • 江川 新一(東北大学大学院 医学系研究科 消化器外科 )
  • 宮崎 勝(千葉大学大学院 医学研究院・臓器制御外科 消化器外科 )
  • 羽鳥 隆(東京女子医科大学病院 消化器外科)
  • 斎浦 明夫(癌研有明病院 消化器外科)
  • 杉山 政則(杏林大学医学部外科 消化器・一般外科)
  • 中郡 聡夫(東海大学医学部消化器外科学 肝胆膵外科)
  • 中尾 昭公(名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学)
  • 永野 浩昭(大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科)
  • 島田 光生(徳島大学大学院 臓器病態外科)
  • 田中 雅夫(九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科学 消化器外科)
  • 馬場 秀夫(熊本大学医学部 消化器外科)
  • 千々岩一男(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学 消化器外科)
  • 中森 正二(大阪医療センター消化器外科)
  • 鈴木 康之(香川大学医学部消化器外科)
  • 山口 幸二(産業医科大学消化器外科)
  • 舩越 顕博(九州がんセンター消化器内科)
  • 山本 順司(防衛医科大学校消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
29,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膵がんの切除例に対してはこれまで様々な集学的治療が試みられてきたのにもかかわらず、その有用性についてのエビデンスが乏しく、標準的な治療法は確立していなかった。最近の研究結果により、膵がんに対してはゲムシタビンを用いた補助化学療法は実質的な標準治療として取り扱われるようになったが、補助療法による全生存期間の延長効果はわずかであり、より効果の高い治療法が望まれている。2006年8月に膵がんに対する保険適応が認可されたS-1は数少ない化学療法剤のひとつとして期待を持たれている。そこで、膵がんを対象に、S-1を取り入れた補助化学療法の有用性を検証するための臨床研究を計画した。
研究方法
膵がんに対してゲムシタビンとのS-1併用療法(GS療法)を術後補助化学療法として用いた場合の有用性をゲムシタビン単独療法を対照として検討するための第Ⅲ相多施設共同ランダム化比較試験を計画し実行する。
試験の概要は以下の通りである。
1) 表題:膵がん切除患者を対象としたゲムシタビンとS-1の併用療法(GS療法)をゲムシタビン単独療法と比較する術後補助化学療法のランダム化第III相試験
2) 評価項目
Primary endpoint:全生存期間
Secondary endpoints:無再発生存期間、有害事象発生割合、重篤な有害事象発生割合
3) 対象
切除手術後10 週以内の浸潤性膵管がん患者で、肉眼的治癒切除が得られており、明らかな再発を認めず、主要臓器の機能が十分に保持されている。
4) 試験デザイン
術後補助化学療法の種類による無作為化比較試験
調整因子:根治度、リンパ節転移の有無、施設
試験治療: GS 療法
ゲムシタビン: 800mg/m2 day1、S-1: 65mg/m2 day1-7
2 週1 コース、6 ヶ月間
対照治療:ゲムシタビン単独療法
ゲムシタビン: 1,000mg/m2 day1、8、15
4 週1 コース、6 ヶ月間
5) 予定登録数と研究期間
予定登録数:300 人
症例登録参加施設:38施設
登録期間:3 年
追跡期間:登録終了後2 年
結果と考察
平成22年度は研究実施計画書を策定し、各症例登録参加施設の施設倫理審査委員会への承認申請をおこなった。承認が得られた施設から順次症例登録を開始した。進捗状況は当初の計画通りである。
結論
膵がんの補助療法に関して、GS療法の第Ⅲ相試験を開始した。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-02-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020063Z