がん医療の均てん化に資する放射線治療の推進及び品質管理に係る研究

文献情報

文献番号
201020042A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資する放射線治療の推進及び品質管理に係る研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
石倉 聡(神奈川県立がんセンター 医療評価安全部 放射線治療品質保証室)
研究分担者(所属機関)
  • 根本 建二(山形大学 医学部)
  • 鹿間 直人(佐久総合病院)
  • 内田 伸恵(島根大学 医学部)
  • 幡野 和男(千葉県がんセンター)
  • 石川 正純(北海道大学 大学院)
  • 西村 哲夫(静岡がんセンター)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 中山 優子(神奈川県立がんセンター)
  • 辻野 佳世子(兵庫県立がんセンター)
  • 福村 明史(放射線医学総合研究所)
  • 峯村 俊行(国立がん研究センター)
  • 中村 和正(九州大学病院 別府先進医療センター)
  • 大野 達也(群馬大学 重粒子医学研究センター)
  • 遠山 尚紀(千葉県がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
22,185,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療の均てん化を図るにあたっては、診療の質の施設間差を是正し、現状よりも高いレベルに向上し標準化する必要がある。本研究では、先進諸国に比較して遅れており、がん対策基本法および同基本計画の重点課題でもある放射線治療の推進および質の向上に必要ながん診療連携拠点病院の機能強化ならびに人材育成に関して、効率的かつ実効性のある対策を立案、実施することを目的とする。
研究方法
放射線治療の推進及び品質管理について以下四つの小班を構成し、それぞれの課題の把握、対策の立案を行い、実施を検討する。
1) 放射線治療の推進に必要な拠点病院の機能に係る研究
2) 地域連携ネットワークの推進による拠点病院の機能強化ならびに人材育成に係る研究
3) 放射線治療モダリティ別(強度変調放射線治療、小線源治療等)の拠点病院支援プログラムに係る研究
4) 放射線治療の品質管理・第三者評価に係る研究
(倫理面への配慮)
本研究では患者への介入研究は行わない。該当する場合には疫学指針や臨床指針等における倫理指針を順守する。
結果と考察
1)平成21年度に実施された拠点病院の現況調査結果を分析し、指定要件に対する改定案の作成を行った。
2)山形県立がんセンターおよび島根大学病院において、地域拠点病院の診療放射線技師を対象とした研修会を開催した。
3)強度変調放射線治療の安全な普及に向けて、放射線治療医および診療放射線技師を対象とした研修を実施した。小線源治療においては、施設訪問、手技の相互比較を行うとともに、前処置に関する患者アンケートを開始した。実技研修用のDVDおよび「子宮頸がん腔内照射マニュアル」の作成を開始し、日本放射線腫瘍学会の高線量率ラルス医療安全取扱講習会の教材とした。その他、施設間差の大きい食道癌の3次元放射線治療計画に関する実技研修会を開催した。
4) 英国による報告書「Toward Safer Radiotherapy」を翻訳し、医療安全に対する啓発を行った。また強度変調放射線治療に対し、訪問・郵送線量測定による質の保証を開始した。
結論
これらの研究はいずれもがん医療の均てん化、放射線治療の推進及び品質管理おいて必要不可欠なものである。また、本研究により先進諸国に比較して遅れている我が国の放射線治療の推進および質の向上ならびにがん医療の均てん化が図られ、ひいてはがんの治療成績向上につながるなど、行政および社会に多大な貢献をすることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-05-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020042Z